(c) Nishiumeda city clinic

健康コラム

Health column

Homeコラム内科もう花粉症の季節?早めの対策で快適な春を迎えよう

もう花粉症の季節?早めの対策で快適な春を迎えよう

【大阪/梅田】大阪駅前の総合内科クリニック|西梅田シティクリニックがお届けする健康情報。
是非、みなさまの健康管理にお役立てください。

毎年春になると多くの人を悩ませる花粉症。
鼻水やくしゃみ、目のかゆみなど、その症状は生活の質を大きく下げてしまいます。
実は、花粉症は早めの対策を取ることで症状を軽減したり、発症を遅らせたりすることができます。
本記事では、花粉症の原因や特徴、症状の見分け方から具体的な対策、医療機関での治療方法まで詳しく解説します。
早めに知識を身に付け、春を快適に過ごしましょう。

なぜ花粉がアレルギーを起こす?

花粉症は、植物の花粉が体内に入った際に、免疫システムが過剰に反応することで引き起こされます。
本来、免疫システムはウイルスや細菌といった有害な異物を排除する役割を果たしますが、花粉に対しても同じように「異物」として反応してしまうのが原因です。
具体的には、花粉が目や鼻の粘膜に付着すると、免疫細胞が抗体を作り、次に花粉が侵入した際にヒスタミンなどの化学物質を放出しアレルギー反応が起こります。
このヒスタミンが炎症を引き起こし、鼻水や目のかゆみ、くしゃみといった症状が現れるのです。

         

花粉症と風邪の見分け方

一方で、花粉症風邪は症状が似ているため、見分けがつきにくい場合があります。
以下に両者の特徴をまとめました。

風邪の特徴

  • 発熱やのどの痛み、全身の倦怠感が強い
  • 症状の持続期間は1週間程度
  • 鼻水は粘り気があることが多い

花粉症の特徴

  • 鼻水は水っぽくさらさらしている
  • 強い目のかゆみがあり、涙が出る
  • 症状が数週間から数か月間続く

上記を参考に、症状が続く場合や区別がつかない場合には早めに医療機関を受診することをおすすめします。

春の花粉症の中で最も多いのは?

春の花粉症の主な原因として挙げられるのが「スギ花粉」です。
スギ花粉は日本で最も広範囲に飛散しており、花粉症患者の多くがスギ花粉に対してアレルギー反応を示します。
スギ花粉の飛散開始時期は地域によって異なりますが、関東地方では2月上旬から飛び始め、ピークは3月から4月とされています。

また、スギ花粉の次に飛散量が多いのが「ヒノキ花粉」です。
ヒノキ花粉はスギ花粉のピークが過ぎた4月上旬から飛び始め、5月まで続くことが多いです。

スギ花粉とヒノキ花粉の両方にアレルギー反応を持つ人は、2月から5月の間、長期間にわたって症状に悩まされることになります。

スギ花粉やヒノキ花粉の飛散量は、前年の夏の気候に大きく影響されます。
夏に高温多湿の状態が続いた場合、翌春の花粉量が増える傾向にあります。
これは、スギやヒノキの成長に必要な条件が整うためです。
毎年の花粉飛散予測を確認し、準備を進めましょう。

1年間の花粉一覧

以下は、日本で見られる代表的な花粉の種類と飛散時期をまとめた一覧表です。

対処法主な飛散植物特徴
1月~3月ハンノキ、ヤシャブシカバノキ科冬から飛散が始まる花粉
2月~4月スギスギ日本で最も多い原因植物
3月~5月ヒノキヒノキスギ花粉の次に多い花粉
5月~7月カモガヤ、オオアワガエリイネ科初夏に飛散する草本植物の花粉
8月~10月ブタクサ、ヨモギキク科秋に多い雑草由来の花粉
9月~11月イネイネ農村地域に多く影響

早期発見のポイント

花粉症は早期に発見し、対策を取ることで症状を軽減できます。
次のような症状がある場合は、花粉症を疑いましょう。

  • 朝起きたときの鼻づまりやくしゃみ
  • 目のかゆみや赤み、涙が止まらない
  • 鼻水が水っぽく、長期間続く

これらの症状が2週間以上続く場合は、早めに医療機関を受診し、アレルギー検査を受けましょう。

アレルギー検査について

アレルギー検査は、花粉症の原因となる物質(アレルゲン)を特定するために行われます。
以下が主な検査方法です。

血液検査

血液中のアレルギー抗体(IgE)の有無や量を調べます。
これにより、どの花粉に反応しているかを詳細に把握できます。

  1. 皮膚プリックテスト
    皮膚に少量のアレルゲンをつけ、その部分に針で軽く傷をつけて反応を確認する検査です。
    短時間で結果が出るため、即時的な判断が可能です。
  2. パッチテスト
    背中にアレルゲンを含むパッチを貼り付け、時間を置いて皮膚の反応を確認します。
    接触性アレルギーが疑われる場合に行われます。

これらの検査を受けることで、自分に合った治療法や予防策を選択する手助けになります。
検査後は医師と相談し、適切な対策を進めましょう。

今日からできる花粉症の対策

花粉症の症状を軽減するために、日常生活の中でできる対策を以下に紹介します。

  • マスクや眼鏡の着用
    花粉の侵入を防ぐために、花粉症対策用のマスクや眼鏡を使いましょう。
  • 外出後のケア
    帰宅時には衣服や髪に付着した花粉を落とし、洗顔やうがいを行いましょう。
  • 室内環境の整備
    空気清浄機を使用したり、室内の掃除を徹底することで、花粉の影響を減らせます。
  • 食事や睡眠の改善
    バランスの取れた食事と十分な睡眠を心がけ、免疫力を高めることも重要です。

花粉症の症状が強い場合には、医師の診察を受けよう

花粉症の症状が強く、日常生活に支障をきたしている場合には、医療機関で適切な治療を受けることが大切です。
以下は代表的な治療法西梅田シティクリニックで使用している主な薬剤です。

1.代表的な治療法

代表的な治療法は以下の通りです。

分類効果取り扱い薬品
抗ヒスタミン薬くしゃみ、鼻水、かゆみなどの症状を軽減するために使用されます。 ・ポララミン     ・ザイザル
 ・アレグラ      ・デザレックス
 ・タリオン      ・アレロック
 ・ルパフィン     ・ジルテック
 ・ビラノア      ・アレジオンエバステル
ステロイド剤ひどい鼻づまりや炎症を軽減できます。
ステロイドは強力な薬物なので長期間の使用はできません。
 ・ナゾネックス
 ・フルナーゼ
抗アレルギー剤アレルギー症状を抑制してくれます。 ・ザイザル
 ・アレロック
血管収縮薬鼻詰まりを緩和できます。 ・プリビナ
 ・コールタイジン

2.ゾレア注射による治療法

春の花粉の季節を快適に過ごすためにおすすめのスギ花粉症治療が「ゾレア注射」です。

2020年より、重症・最重症のスギ花粉症患者に対して、2月~4月に抗lgE抗体オマリズマブ(ゾレア®)を皮下注射する治療(保険適用)を行うことができるようになりました。

スギ花粉症により、以下の方などに有効な治療法となる可能性が高いと考えられます。

  • くしゃみ・鼻水がとまらない・鼻がつまるといった鼻炎症状が出る方
  • 飲み薬、点鼻薬などでもおさまらず、1日中花粉症で悩んでいる方
  • 内服薬の眠気が強く、より強力な効果が期待できる薬剤に変更・増量できず花粉症症状がおさまらない方


【対象となる方】

  • スギ花粉症の重症者
  • 過去に治療を受けたが効果が実感できなかった方
  • 血液中総lgE濃度が 30~1,500 IU/ml
  • 16歳以上、体重が20~150kgの方(西梅田シティクリニックの場合)

【費用】

治療費は注射薬剤費のみで1ヶ月あたり約4,900円~(3割負担)かかります。
※投与量・回数によって金額が変わります


その他に、検査にかかる費用、同時に服用し続ける必要のある抗ヒスタミン薬の処方費がかかります。

花粉症は早期の対策と適切な治療で症状をコントロールできます。
症状が軽いうちに対策を始め、医療機関を活用して快適な春を迎えましょう。
花粉症でお悩みの方はぜひ西梅田シティクリニックにご相談ください。