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意外と現代人に多い!逆流性食道炎とは?

【大阪/梅田】大阪駅前の総合内科クリニック|西梅田シティクリニックがお届けする健康情報。
是非、みなさまの健康管理にお役立てください。


近年、日本でも増えている「逆流性食道炎」。
胸やけや喉の違和感、胃もたれなどの症状があり、日常生活に支障をきたすこともあります。
この症状は「胃酸が多いから起こる」と思われがちですが、実は「胃酸不足」が原因のこともあります。
日本人は欧米人に比べて胃酸分泌が少ない傾向にあるため、自覚がないまま胃の不調を抱えている人も多いのです。  
本記事では、胃酸分泌のメカニズムや、胃酸過多・不足のセルフチェック、そしてそれぞれの対処法について詳しく解説します。  

そもそも胃酸とは?

胃酸とは、胃の内側にある「胃腺」から分泌される強い酸性の消化液のことです。
主成分は「塩酸(HCl)」で、pHは1~2と非常に強い酸性を示します。
胃酸は、食べ物を分解して消化を助けるだけでなく、体内に侵入した細菌やウイルスを殺菌する重要な役割も持っています。

日本人は胃酸分泌が少ない人種?

日本人は欧米人と比べて、胃酸の分泌が少ない傾向にあると言われています。
その理由の一つに「食生活の違い」があります。
欧米人は肉類や乳製品を多く摂取するため、胃酸を多く分泌して食べ物をしっかり消化する必要があります。
一方、日本人は歴史的に米や野菜、魚を中心とした食生活を送ってきたため、胃酸の分泌が少なくても問題なく消化できる体質になっています。  


しかし、近年は欧米型の食生活が浸透し、脂っこい食事や高たんぱくな食事が増えています
そのため、日本人の体質に合わない食生活を続けることで胃のトラブルを引き起こしやすくなっています。  

胃酸が多すぎる場合と少なすぎる場合の症状

胃酸は、食べ物を消化するだけでなく、体内に入ってきた細菌を殺菌する役割も持っています。
しかし、胃酸が「多すぎる」「少なすぎる」と、以下のような問題が発生します。

胃酸が多すぎる(胃酸過多)の場合

  • 胸やけ
  • 胃もたれ
  • げっぷが多くなる
  • 胃痛
  • 逆流性食道炎

胃酸が過剰に分泌されると、胃の粘膜を傷つけたり、食道に逆流しやすくなります。
特にストレスや暴飲暴食、刺激の強い食べ物(コーヒー・アルコール・香辛料など)を多く摂ることで悪化しやすいです。

胃酸が少なすぎる(胃酸不足)の場合

  • 消化不良(特に肉や油物が苦手)
  • お腹が張る(ガスが溜まりやすい)
  • 食欲不振
  • 便秘や下痢を繰り返す
  • 鉄分・カルシウム・ビタミンB12の吸収障害

胃酸が少ないと、食べ物の消化がスムーズに進まず、栄養吸収が悪くなります。
その結果、貧血や慢性的な疲労、肌荒れなどの症状が出ることもあります。 

あなたは胃酸不足?それとも過多?セルフチェック方法


胃酸の分泌量は、病院で検査を受けないと正確には分かりませんが、簡単なセルフチェックで傾向を把握することができます。 

胃酸過多の可能性がある人

  • 胸やけや胃痛がよく起こる 
  • 食後すぐに胃が重くなる
  • コーヒーやアルコールをよく飲む
  • ストレスを感じると胃が痛くなる
  • 空腹時に胃がムカムカする

胃酸不足の可能性がある人

  • 肉や脂っこい食べ物を食べると胃がもたれる 
  • 食後、胃が張る・ゲップが増える
  • 便秘や下痢を繰り返す
  • 貧血気味で、爪が割れやすい
  • 食欲があまり湧かない

該当する項目が多い場合は、胃酸の分泌バランスが崩れている可能性があります。  

胃酸不足の人の対処方法

胃酸が少ない場合、食べ物の消化がうまくいかず、栄養がしっかり吸収できなくなります。
次のような方法で胃酸の分泌を促しましょう。

1. 食事の工夫をする

  • 食事の前にレモン水やリンゴ酢を飲む(酸が胃を刺激)
  • よく噛んで食べる(唾液が胃酸の分泌を促す)
  • タンパク質を適度に摂る(胃酸の分泌を促進)

2. ストレスを減らす

  • ストレスは胃酸の分泌を抑える原因になるので、リラックスする時間を作る

3. 消化を助けるサプリや発酵食品を取り入れる

  • 酵素サプリメントを活用 
  • 納豆、ぬか漬け、ヨーグルトなどの発酵食品を摂る 

胃酸が過多な人の対処方法

胃酸が多すぎると、胃粘膜が傷ついたり、逆流性食道炎を引き起こしやすくなります。
以下の対策を実践しましょう。

1. 食生活を見直す

  • 刺激の強い食べ物(辛いもの、酸っぱいもの、揚げ物)を控える  
  • 暴飲暴食を避ける(特に夜遅い食事はNG)
  • アルカリ性食品(キャベツ、バナナ、大根など)を取り入れる

2. 胃に優しい生活習慣を心がける 

  • 食後すぐに横にならない(逆流を防ぐ)
  • 背筋を伸ばして食べる(胃の圧迫を防ぐ)
  • ストレスを溜めない(自律神経を整える) 

3. 薬や漢方を活用する

  • 胃酸を抑える薬(H2ブロッカーやPPI)を医師と相談しながら使う
    (漢方薬では「六君子湯(りっくんしとう)」などが効果的)

逆流性食道炎や胃の不調の原因は、「胃酸過多」だけではなく、「胃酸不足」の可能性もあります。
日本人はもともと胃酸が少ない傾向があるため、特に食生活の変化による影響を受けやすいです。

セルフチェックを参考に、自分の胃酸バランスを見直し、適切な対策をとることが大切です。セルフチェックで症状を感じる方は一度医師に相談してください。
食生活の工夫やストレス管理を心がけ、健康な胃を維持しましょう!