月経困難症とは?原因やPMS(月経前症候群)との違いを説明
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月経困難症は、子宮に関する疾患をともなう病気です。
場合によっては、激しい痛みが起こり、日常生活に支障が出てしまいます。
本記事では、月経困難症の症状や原因、PMSとの違いについて解説します。
激しい腹痛や腰痛などの症状に該当する場合は、無理せず婦人科を受診し、治療に専念しましょう。
月経困難症とは
月経困難症とは、月経にともない引き起こされる症状です。
代表的な症状としては、腰痛や腹痛、肛門の周囲における痛みなどです。
このような痛みは、おもに子宮から経血が出る際に生じます。
子宮腺筋症や子宮内膜症などを合併する場合は痛みが強く出るケースがあります。
「月経の痛みは我慢する必要がある」「痛みを抑える方法は市販薬しかない」
このような考えをもつ方がいることで、医療機関を受診しない方が増えていると考えられています。
月経困難症の種類と症状
月経困難症は、器質性月経困難症と機能性月経困難症の2つに分類されます。
それぞれどのような症状が出るか知っておきましょう。
器質性月経困難症
器質性月経困難症とは、子宮筋腫や子宮内膜症、子宮腺筋症などが原因で発症する疾患です。
子宮筋腫
子宮筋腫とは、子宮の壁を作る筋肉の一部が増えていき、良性の腫瘍になる疾患です。
原因は、子宮に発生した腫瘍が成長することで引き起こされると考えられています。
子宮筋腫は、エストロゲン(女性のホルモン)の影響を受け、長期的なスパンで成長します。
そのため、発見されるまでに時間がかかるケースが多いのが特徴です。
おもに30〜40代の女性に多く発症し、女性ホルモンの分泌が減る閉経後は腫瘍が小さくなる傾向があります。
筋腫が起こると、月経量が増え、血のかたまりが出てくることがあります。
子宮内膜症
子宮内膜症は、卵巣や骨盤内で子宮内膜に似通った組織が増える疾患です。
一般的に子宮内膜は月経時に腟を介して体外に排出されます。
しかし、子宮内膜症で増殖した組織は子宮外に存在するため、はけ口がありません。
そのため、増えた組織が周囲とくっついたり、体内に留まったりして激しい痛みを引き起こします。
子宮腺筋症
子宮腺筋症は、子宮の筋肉層に子宮内膜が潜り込み、組織が増殖する疾患です。
おもに30〜40代の女性に多くみられ、子宮内膜に関連する手術を経験した方や出産経験のある方が発症する傾向があります。
発症すると、月経時の出血量の増加と強い痛みが起こります
症状が悪化すると、子宮の壁が厚くなり、激しい痛みに発展するのが特徴です。
機能性月経困難症
機能性月経困難症は、とくに原因になる病気がない状態で発症する疾患です。
心理的要因
心理的要因として、ストレスや思い込みにより発症する場合があります。
とくに痛みへのマイナスイメージが強いと、余計に痛みが強まり、機能性月経困難症につながる場合があるでしょう。
ストレスが神経伝達物質や脳内ホルモンに影響し、痛みが増強されるケースもあります。
子宮口の狭さ
子宮口が狭いと、経血がスムーズに排出できず、痛みが生じるケースがあります。
とくに若年層や出産の経験がない女性は、子宮口に加えて経血が通る子宮頸管が細くて硬くなるのが特徴です。
そのため、経血が通る際に痛みとしてあらわれる可能性があります。
プロスタグランジンの分泌
プロスタグランジンとは、発熱や痛みを引き起こす生理活性脂質です。
子宮内で剥がれ落ちた子宮内膜を体外で出す際、プロスタグランジンが分泌されます。
分泌されると、子宮が余計に収縮し、血流の悪化を招く場合があります。
また、プロスタグランジンが血液内に侵入した場合、頭痛や吐き気を起こすのも特徴です。
月経困難症の治療について
月経困難症を治療する手段としては、おもに薬物療法が用いられます。
薬物療法は、卵巣や子宮に直接働きかける内分泌療法と、痛みを抑える対症療法があります。
内分泌療法は、子宮内膜の増殖や卵巣の働きを抑制し、プロスタグランジンの分泌を抑える効果があるのが特徴です。
月経困難症とPMS(月経前症候群)との違いについて
月経困難症とPMSの違いは「症状が月経中に出るか、それとも月経前に出るか」にあります。
月経困難症は、月経中に腹痛や下腹部痛をはじめとする不快な症状が出るのが特徴です。
一方で、PMSは月経が始まる3〜10日前に身体症状や精神症状が起こります。
月経開始のタイミングで症状が弱まったり、解消されたりします。
月経困難症かも?と感じたら婦人科に行きましょう
月経困難症は、病気が原因ではない機能性月経困難症と、疾患が発症要因となる器質性月経困難症の2つに分かれるのが特徴です。
とくに器質性月経困難症の場合、子宮筋腫や子宮内膜症などの疾患が関係するため、早期発見・早期治療が重要です。
月経のときに辛い症状がある場合は、なるべく婦人科を受診してください。