月経困難症の原因!?3大婦人科疾患とは?
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月経困難症の原因の多くが、3大婦人科疾患であることをご存知でしょうか。
月経の影響で体調不良を感じていたものの、実はその原因に3大婦人科疾患が潜んでいるケースも少なくありません。
本記事では3大婦人科疾患の概要や主な症状、治療方法について解説します。
当てはまる症状がある場合は、早めに医療機関を受診し、適切な治療を受けましょう。
3大婦人科疾患とは
3大婦人科疾患とは「子宮腺筋症」「子宮内膜症」「子宮筋腫」のことを指します。
いずれも月経困難症の原因となる代表的な子宮の病気です。
月経困難症とは、月経期間中に吐き気や頭痛、いらいらや下痢などが起こる状態です。
大きく分けて2つのタイプがあります。
- 機能性月経困難症:特定の疾患がない場合
- 器質性月経困難症:3大婦人科疾患など明確な原因がある場合
子宮腺筋症
子宮腺筋症の概要や主な症状、治療方法は以下のとおりです。
概要
子宮腺筋症とは、子宮筋層内で組織が増殖し、子宮全体または筋層の一部が厚くなり、子宮が腫大する疾患です。
この疾患には以下の2つのタイプがあります。
- 限局型(腫瘤形成型):特定の部位に限局して発生
- びまん型:子宮筋層全体に広がる
主な症状
- 月経過多
- 強い月経痛
- 貧血
- 月経終了後も数日間続く痛み
治療方法
子宮の腫れが軽い場合は経過観察で済むケースがあります。
月経過多や月経困難などの症状が強い場合や、子宮の腫れがひどい場合は治療が必要です。
- 対症療法:鎮痛剤、黄体ホルモン剤、鉄剤など
- 手術療法:根治的治療として子宮摘出術を行うこともある
卵巣に異常がなければ、原則として残すのが一般的です。
子宮内膜症
子宮内膜症の概要や主な症状、治療方法は以下のとおりです。
概要
子宮内膜症とは、子宮の内腔を縁取りする子宮内膜が子宮の外部組織(卵巣・骨盤腹膜など)に発生する疾患です。
発生部位としては、骨盤内の腹膜や卵巣、まれに膀胱・尿管・腸管・胸膜・手術の跡などに発生します。
主な症状
子宮内膜症の症状としては、月経のたびに炎症や出血、癒着を繰り返し、増殖・進行していくのが特徴です。
子宮内膜症の90%の方では月経困難症がみられます。
月経困難症の症状としては腰痛や腹痛、排便痛や性交痛などが出ると考えられています。
治療方法
子宮内膜症の治療が必要かどうかは、症状の程度や妊娠希望の有無、不妊などの状況を踏まえて判断しなければなりません。
治療方法としては薬物療法がメインです。
深部子宮内膜症や卵巣チョコレート嚢胞などの場合は手術療法が必要になるケースがあります。
子宮筋腫
子宮筋腫の概要や主な症状、治療方法は以下のとおりです。
概要
子宮筋腫とは子宮の平滑筋細胞から発生する良性の腫瘍です。
特に30〜50歳代の女性の30〜50%が少なくとも1個は持っていると考えられています。
子宮筋腫は、発生部位によって以下の3種類に分類されます。
- 筋層内筋腫
- 漿膜下筋腫
- 粘膜下筋腫
それぞれの大きさや形状は、米粒サイズから骨盤内の腹腔を占める大きさのものまでさまざまです。
女性ホルモン(エストロゲン)の影響で成長し、閉経後には縮小することが多いですが、自然治癒することはありません。
子宮筋腫は悪性化することはないと考えられていますが、もともと悪性である子宮肉腫との鑑別が難しい場合があります。
主な症状
子宮筋腫で最も多くみられる症状は、月経の変化です。
- 月経量の増加、血の塊が出る
- 貧血
- 腰痛、下腹部痛
- 性交痛
- 頻尿、排尿困難、便秘
- まれに不妊や流産
筋腫が大きくなると、尿管の圧迫による水腎症や深部静脈血栓症の原因になる場合があります。
治療方法
子宮筋腫と診断されたとしても症状が軽い場合は経過観察が可能ですが、以下の症状の場合は治療が必要です。
- 日常生活に支障をきたす月経痛・腹痛・腰痛・排尿困難
- 高度の貧血
- 腫瘍が急激に大きくなる
- 流産や不妊を繰り返す
- 悪性腫瘍(卵巣腫瘍や子宮肉腫など)の可能性がある場合
子宮筋腫を治療する場合、「薬物療法」や「手術療法」などを受ける必要があります。
手術療法では以下が挙げられます。
- 子宮温存手術
子宮鏡下子宮内膜焼灼術、子宮筋腫核出術、マイクロ波子宮内膜アブレーション(MEA)、子宮動脈塞栓術(UAE)) - 根治的手術
子宮摘出術(全摘・亜全摘)
3つの疾患とも良性の疾患ですが、生活に支障をきたす場合は治療しましょう

3大婦人科疾患は良性ですが、重症化すると日常生活に影響を及ぼします。
軽度な場合は経過観察で済むことがありますが、症状がひどい場合は手術を要します。
例えば、以下のような症状が見られる場合は注意が必要です。
- 腹痛や腰痛がひどい
- 貧血が進行している
- 排便痛・性交痛がある
これらの症状がある場合は、放置せず速やかに医療機関を受診し、適切な治療を受けましょう。
専門医による診断と適切な治療を受けることで、症状の改善や重症化の予防が可能になります。