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胃がんの原因はピロリ菌?

【大阪/梅田】大阪駅前の総合内科クリニック|西梅田シティクリニックがお届けする健康情報。
是非、みなさまの健康管理にお役立てください。

日本で多く見られるがんの一つである胃がん。
発症率は欧米諸国のおよそ5倍と言われています。
食生活や生活習慣の影響はありますが、最大の原因は「ピロリ菌」の感染なのです。

胃のはたらきとは?

「胃」とは、食道と腸をつないでいる筋肉でできた袋状の臓器です。
口から食道を通って入ってきた食べ物をためておいたり、消化を行ったりします。
胃の中には胃液があり、これが食べ物の消化を助けます。

胃液には㏗1~2の強力な胃酸(塩酸)や消化酵素(ペプシノーゲン)、粘液などが含まれています。

  • 胃酸
    食べ物が胃の中に入ってくる刺激で分泌され、胃の中を酸性に保つ働きがあります。
    また、食べ物の消化を助けたり、食べ物と一緒に体内に侵入してきた細菌やウイルスの増殖を抑え、殺菌する重要な役割を果たします。
     
  • ペプシノーゲン
    胃酸と混ざることによって「ペプシン」という消化酵素に変わり、タンパク質を分解する働きをします。
     
  • 粘液
    胃酸は金属さえも溶かす強い消化力を持ちます。
    そんな胃酸や様々な刺激によって胃粘膜が傷つくのを防ぐ役割を担います。
    この胃粘液で覆われた「胃粘液層」によって胃は守られているのです。
     

どうして胃がんになるの?

胃がんとは、胃の一番内側にある粘膜の細胞が何らかの原因でがん細胞となり増殖することで生じます。
乱れた生活習慣やピロリ菌の感染など、長期にわたる胃の中の環境悪化や過度な刺激が原因とされます。

初期段階での自覚症状はほとんどなく、症状が進行していくにつれて下記のような症状が現れることがあります。

  • 胃の痛み
  • 不快感
  • 吐き気
  • 胸やけ
  • 食欲不振
     

酷くなると吐血や黒い便、貧血が起こることもあります。
胃炎や胃潰瘍でも同様の症状が現れるため、症状だけで胃がんとは断定できません。

【胃がんの検査方法】

血液検査、レントゲン、内視鏡検査、エコーなどで病変の有無、リンパ節や他の臓器への転移などがないかを調べます。
 

【治療法】

腫瘍の場所や進行具合で変わりますが、外科手術・内視鏡治療・薬物治療のいずれかで対処します。
 

ピロリ菌ってなに?

正式には「ヘリコバクター・ピロリ菌」といい、胃の中に生息するらせん状の細菌です。
胃の中は胃酸によって強い酸性に保たれているため、通常の菌は生き続けることができない環境だと考えられています。
ではなぜピロリ菌は胃の中で生きられるのでしょうか?

その秘密はピロリ菌が分泌する「ウレアーゼ」という酵素にあります。
ウレアーゼは胃の中の尿素を分解してアンモニアを作り出す働きをします。
アンモニアはアルカリ性であり、これによってピロリ菌周辺の胃酸が中和されるため、胃の中で生き続けることができるのです。

感染経路は明らかになっていませんが、胃内部に住み着くことから食べ物や飲み物を摂取する際、菌も一緒に体内へと侵入し感染するのではと考えられています。
また、免疫機能や胃酸が弱い乳幼児期の衛生環境が関係しているとされます。

ピロリ菌に感染すると胃がんになる?!

ピロリ菌に感染すると、胃に住み着いたピロリ菌がゆっくりと増殖し、粘液層に巣を形成します。
分解酵素や毒素が分泌され、それらの作用によって少しずつ粘液が剥がされてしまいます。
粘液層がなくなり、剥き出しになった胃粘膜が傷ついて、胃炎や潰瘍が生じます。

つまり、ピロリ菌に感染すると胃粘膜が荒れた状態が続いてしまいます。
これが胃壁を形成する細胞のがん化を促し、がん発症へと繋がるのです。

しかし、ピロリ菌に感染したからといって必ず胃がんになる訳ではありませんし、ピロリ菌を保菌していなくても発症する可能性もあります。
ただ、ピロリ菌に感染すると胃がん発症のリスクは5倍も上がると言われ、胃がん発症者の99%以上がピロリ菌感染によるものとされています。

ピロリ菌の除菌によって、胃がんの発症率は1/3まで抑えることができます。
これは若ければ若いほど効果が高いとされ、50歳までに除菌することでほぼ100%胃がんの予防ができると言われているのです。

ピロリ菌感染の検査方法には

  • 尿素呼気試験法(呼気を集めて診断)
  • 抗体検査(血液、尿)
  • 糞便中抗原検査
  • 内視鏡検査
     

上記があります。
陽性だった場合には、胃酸分泌を抑える薬・2種類の抗菌薬の服用で除菌をします。

ピロリ菌に感染することで

ピロリ菌感染が原因となる疾患は胃がんだけではありません。

  • 胃潰瘍
  • 十二指腸潰瘍
  • 萎縮性胃炎
  • 胃ポリープ
  • 逆流性食道炎
     

上記のような胃や十二指腸などの疾患の原因にもなり得ます。

ピロリ菌に感染していた場合、病気が発症していなくても除菌しなければ慢性的に炎症が続いてしまいます。
そのような状態が続くと病気発症にも繋がりかねません。

胃の不快感や痛みが続いている方や家族歴にピロリ菌感染がある方、胃潰瘍・十二指腸潰瘍の既往歴がある方は一度ピロリ菌検査を受けることをおすすめします。

西梅田シティクリニックではピロリ菌検査(抗体検査:血液)も行っています。
少しでも体の異変や違和感を感じたら、いつでも西梅田シティクリニックまでお越しください。

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