高血糖を防ぐ食事
皆さんは、1日3食しっかり食事がとれていますか?
朝は食欲がなくて朝食を抜いてしまっていたり、
忙しさから、つい食事を抜いてしまう方も多いのではないでしょうか。
糖尿病予備軍ともいわれる高血糖を防ぐには、何といっても食事が大切です。
規則正しい食事をとって、血糖値を安定させましょう!
〈 1 〉そもそも血糖値とは?
「血糖値」は、私たちの体内を流れる血液中のグルコース(ブドウ糖)の濃度のことです。
血糖値は、高すぎても低すぎても、私たちの身体に様々な不具合をもたらします。
私たちの身体には、血糖値を正常に保とうとする機能が備わっていて、血糖値を下げるためにはインスリン、上げるためにはアドレナリン、グルカゴン、コルチゾール、成長ホルモンといったホルモンが活躍します。
私たちが栄養を吸収するのは食物からですが、欠かせない栄養のひとつに糖質があります。
糖質は穀類、イモ類、果物や砂糖などから摂取され、体内に入るとグリコーゲンという多糖類になって、エネルギー源として肝臓や筋肉に貯えられます。
そこからブドウ糖に姿を変えて血液中に入り、全身の細胞に運ばれるという仕組みです。
〈 2 〉血糖値が高いとどうなるの?
血糖値が常に高い状態にあると、血液が濃くなり、脱水状態になるばかりでなく、糖尿病や心筋梗塞・肝硬変といった病気にかかりやすくなるというリスクが生じます。
特に糖尿病は一度かかると完治が難しく、さらに高血糖が長期にわたり持続することで、いくつもの合併症を引き起こします。
なかでもよくみられるものに、糖尿病網膜症、糖尿病腎症、糖尿病性神経障害があり、これらは糖尿病の三大合併症と呼ばれており、いずれも重大な障害をもたらします。
ですので、普段の食事から高血糖をしっかりと予防していきましょう。
〈 3 〉食後、血糖値を上げやすいものは?
Q.突然ですが、この中で最も血糖値を上げるものはどれでしょうか。
1. 糖質 (1g=4kcal)
2. タンパク質 (1g=4kcal)
3. 脂質 (1g=9kcal)
A. 答えは糖質です!
血糖値を上げやすいのは、 糖質>タンパク質>脂質 の順番です。
いずれにしても、「高カロリー≠血糖値が上昇する食べもの」ではないのです。
さらに言うと、「糖質≒血糖値を上げる」ということです。
そのためにも、手軽に食べられるうどん・おにぎり・食パンなど糖質単体にならないよう、定食のようにバランスのとれた食事をチョイスしていきましょう!
〈 4 〉食後高血糖をおさえるポイント
①1日3食、規則正しい食生活をする
冒頭でもお話ししましたが、皆さんは1日3食食事がとれていますか?
こちらの図をご覧ください。
1日3食とっている方と、欠食している方の血糖値をグラフで比較しました。
1日1食で摂取カロリーを抑えるよりも、3食小分けでとる方が、血糖値が安定していることが分かりますね。
「忙しくて食事の時間がとれない…」
「食欲がないときはどうすればいいの…」
という方もヨーグルトやバナナ、ゆで卵などを少量からでも取り入れてみてください。
生活習慣病を予防するためにも、できそうなことから始めていきましょう!
②炭水化物だけの食事をしない
Q. 問題です!
血糖値を急激に上げる食事は、左と右どちらでしょうか?
A. 答えは右です!
一見すると、右の食事はカボチャや野菜ジュースが付いていて健康的に感じるかもしれませんが、イモ類は主食として食べられている国も多いほど、野菜の中では糖質が高いのです。
また、市販の野菜ジュースも糖質が高く、血糖上昇を抑える食物繊維や、ビタミン、ミネラルといった野菜に含まれる栄養素も、加工の段階で多くが失われてしまっているため、嗜好食品として、食べ合わせには気を付けたいです。
このように、主食+主菜+副菜をバランスよく取り入れていきましょう!
③おかずから先に食べる
「ベジファースト」という言葉を聞いたことはありませんか?
食事の最初に野菜やサラダを意識して召し上がられている方も多いのではないでしょうか。
このように、同じ内容の食事でも、食べる順番によって血糖値の上がり方が変わるのです。
野菜に含まれる食物繊維には、血糖上昇を緩やかにする働きがあるので、まずは副菜や汁物など、野菜を先に召し上がるのがおすすめです。
食事のコントロールが難しいときは、まずは食べる順番から変えてみましょう。
④野菜の1日の摂取目標量
Q. 問題です!
野菜の1日の摂取目標量は何gでしょうか?
150g以上 350g以上 550g以上
A. 答えは、350g以上です!
健康維持のためにも1日350g以上の摂取を目標にしましょう。
(そのうち、100g以上は緑黄色野菜から摂取)
量については、こちらの目安を参考にしてみてください。
どうでしょうか?
十分な量の野菜を摂取するのは難しいと感じている方も多いかとおもいます。
そこで、当院の管理栄養士がおすすめする野菜不足解消レシピをご紹介いたします。
ぜひ参考にしてみてくださいね!
〈 5 〉野菜不足解消レシピ
◆野菜たっぷりミネストローネ
余ったらパスタに絡めたり、ご飯とチーズを加えてリゾット風にしても美味しいです♪
◆材料(3〜4人分)
玉ねぎ | 1/2個 |
にんじん | 1/3本 |
じゃがいも | 1個 |
キャベツ | 3枚 |
ベーコンハーフ | 4枚 |
トマト | 大きめ1個 |
オリーブオイル | 少々 |
塩、こしょう | 少々 |
コンソメ | 小さじ2杯 |
水 | 水600cc |
◆作り方
①ベーコンは1cm幅に切り、全ての野菜を1cmほどの角切りにする。
②片手鍋にオリーブオイルを薄くしき、トマト以外の野菜を中火で炒める。少ししんなりしたらトマトを入れさっと炒める。
③水を入れて蓋をし、具材が柔らかくなるまで煮る。塩、こしょう、コンソメで味を整えて完成。
◆レンジで簡単ナムル
レンジで簡単に作れ、常備しておくと便利です♪
◆材料 (4人分)
大豆もやし(もやしでも可) | 1袋 |
小松菜 | 1袋 |
にんじん | 1/2本 |
鶏がらスープの素 | 小さじ2杯 |
ごま油 | 小さじ2杯 |
いりごま | 少々 |
◆作り方
①小松菜は3cm幅、人参は皮をむいて細切りにし、えのきは石づきを落としてほぐす。
大豆もやしは洗う。
②野菜とえのきを耐熱皿に入れ、ふんわりラップをかけて、レンジ(600w)で約2分加熱する。
③レンジから取り出して、さっと混ぜる。
再度ふんわりラップをかけて、レンジ(600w)で約1分半加熱する。
④水気を切り、熱いうちに鶏がらスープの素とごま油を加えて、よく混ぜ合わせる。
最後にごまを振って完成。