(c) Nishiumeda city clinic

健康コラム

Health column

Homeコラム婦人科HPVワクチンの公費接種は1回目を9月までに受けた方がいいってホント!?

HPVワクチンの公費接種は1回目を9月までに受けた方がいいってホント!?

【大阪/梅田】大阪駅前の総合内科クリニック|西梅田シティクリニックがお届けする健康情報。
是非、みなさまの健康管理にお役立てください。

HPVワクチンは、子宮頸がんから未来を守る武器になります!
その効果をフルに活かし、コストを抑えるためには、接種スタートのタイミングが勝負です。

この記事では、ワクチンをいつ打つべきか、高校1年生の9月までに接種を始めるべき理由、そして最適な接種スケジュールについてわかりやすく解説します。

HPVワクチンとは

HPVワクチンは、ヒトパピローマウイルス(HPV)による感染を予防するためのワクチンです。

HPVは性的接触を通じて感染するウイルスであり、特に子宮頸がんの主な原因とされています。
100種類以上の型が存在し、その中でも16型と18型が特にがんを引き起こすリスクが高いとされています。
HPVワクチンは、この16型や18型などの主要な型に対する免疫をつけることで、感染を防ぎ、結果的に子宮頸がんのリスクを大幅に低減する効果があります。

日本では、4価ワクチンと呼ばれる16型、18型に加え、6型と11型にも効果のあるワクチンが公費で接種可能です。
また、より多くの型に対応する9価ワクチンもありますが、こちらは現時点では公費の対象外となっています。
HPVワクチンは、性行為の経験がない若い世代に対して特に効果が高いため、中学1年生から高校1年生の女子を主な対象として接種が推奨されています。

接種時期と接種回数について

HPVワクチンは3回の接種が必要で、1回目の接種から2か月後に2回目、さらにその4か月後に3回目を受けるというスケジュールで行います。
このスケジュールに従うことで、ウイルスに対する十分な免疫が形成され、長期的な予防効果が得られます。

         

高校1年生の9月までにHPVワクチン接種を受けた方がいい理由

高校1年生の9月末までにHPVワクチン接種を始めるべき理由は、まず経済的な負担を軽減できる点にあります。
日本では、HPVワクチンの接種が公費で賄われるのは、一定の年齢までに接種を開始した場合のみです。

具体的には、高校1年生の9月末までに1回目の接種を受けることで、3回目までの接種が公費でカバーされます。

反対に、10月以降に1回目を受けた場合、3回目の接種が高校2年生に持ち越される可能性があり、その場合は自費負担が発生する可能性が高まります。
病院によっては間隔調整をしてくれるところもあるかもしれませんが、一般的には9月までに受けた方が良いといえるでしょう。

さらに、このタイミングで接種を開始することで、学校生活や部活動などのスケジュールにも無理なく組み込むことが可能です。

高校1年生の9月は、学年が始まって数か月が経ち、新しい環境にも慣れ始めた時期です。
この時期を利用して接種を進めることで、学生生活への影響を最小限に抑えながら、計画的に予防接種を完了することができます。

高校2年生以降の接種は自費になる?

高校2年生以降にHPVワクチンの接種を開始した場合、その費用は全額自己負担となる可能性があります。
日本の公費接種制度は、一定の年齢までに接種を開始した場合にのみ適用されるため、接種開始が遅れるとその分だけ費用負担が大きくなります。

自費でのHPVワクチン接種は、1回あたりの費用が330,000円程度になることが多く、経済的な負担は無視できません。
このため、早めに接種を開始することで、自己負担を避けるとともに、子宮頸がんのリスクを早期に低減することが大切です。

おすすめのワクチン接種スケジュール

HPVワクチンの接種スケジュールは、1回目の接種後、2回目を1回目の2か月後、3回目を1回目の6か月後に行うことです。

特に高校1年生の9月末までに1回目を接種することで、全ての接種を公費でカバーし、経済的な負担を最小限に抑えることができます。

また、学校行事や部活動、テスト期間などの影響を受けにくいタイミングを選んで接種を進めることで、計画的かつ確実に予防接種を完了させることができます。

9月までに接種を開始することで、次の学年に持ち越すことなく接種を完了できるため、特に高校1年生の保護者にとっては、この時期にしっかりとスケジュールを組むことが大切です。
また、接種スケジュールを守ることで、ワクチンの効果を最大限に発揮させることができます。

HPVワクチンの効果

HPVワクチンは、HPVによる感染を予防し、結果として子宮頸がんの発症リスクを大幅に減少させる効果があります。
特に若年層での接種が推奨される理由は、免疫システムが強く反応するこの時期にワクチンを接種することで、より高い予防効果が得られるからです。
HPVワクチンは、感染前に接種することで最も効果を発揮し、子宮頸がんの原因となるHPV16型や18型の感染を防ぐことができます。

さらに、ワクチンの効果は長期間持続し、感染リスクを減少させるだけでなく、前がん病変の発生も予防する効果があります。
これにより、子宮頸がんの発症を未然に防ぐことが可能となり、将来的なリスクを大幅に低減することができます。

子宮頸がんの予防のためワクチン接種と定期検診をしましょう

HPVワクチンは非常に効果的な予防手段であり、多くの女性が将来的な子宮頸がんのリスクを減少させるために利用しています。
しかし、ワクチンだけで子宮頸がんを完全に防ぐことはできないため、定期的な子宮頸がん検診によって、早期の異常を発見し、適切な治療を受けることが欠かせません。

ワクチンは非常に高い予防効果を持っていますが、100%の感染予防を保証するものではありません。
そのため、ワクチン接種後も定期的な検診を受けることが重要です。

検診によって、子宮頸がんの前段階である異常細胞を早期に発見することが可能になり、早期治療を受けることで、がんの進行を防ぐことができます。

子宮頸がん予防の取り組みには、早期のワクチン接種と定期的な検診の両方が不可欠です。
自分自身の健康を守るため、しっかりとした計画を立て、ワクチンと検診を活用することが大切です。