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潰瘍性大腸炎

潰瘍性大腸炎はこんな病気

潰瘍性大腸炎は大腸の粘膜に炎症が起こる免疫異常疾患です。
現時点では根治できる治療法はなく、国の難病指定を受けています。

大腸の最も内側の層にあたる粘膜に潰瘍やびらんができる疾患です。
1000人に1人程度発症しており、10〜30代と比較的若い人に多く見られる疾患です。
近年発症者が増加傾向にあり、食文化の欧米化も原因の一つに挙げられています。

発症すると、次の症状が出ます。

  • 下痢
  • 血便・粘液便
  • 腹痛
  • 貧血
  • めまい
  • 発熱
  • 体重減少
  • 発疹
  • 関節痛


潰瘍性大腸炎は発症すると排便回数が増えます。
軽・中症の場合でも1日あたり3〜4回便が出ます。重症になると1日あたり6回以上になります。

現在根治できる治療法はなく、対症療法になります。
5-ASA製剤(5-アミノサリチル酸製剤)を中心に使われており、飲み薬や坐薬があります。
効果が足りない場合はステロイド剤が処方されます。ステロイド剤は長期服用すると副作用があるため服用期間が限られます。
どの治療法も効果が出ない場合や、大腸に穿孔ができている場合は外科的な治療がされます。手術で病変部を切除します。

免疫を抑える薬を服用している期間は感染症などに特に注意が必要です。

潰瘍性大腸炎は炎症が続くと大腸がんになるリスクが高くなります。
特に発症してから10年程経つと5〜10%の方がガンになると言われています。
万が一潰瘍性大腸炎になった場合は定期的に大腸カメラ(内視鏡)を受けることがガンの早期発見につながります。

潰瘍性大腸炎の原因

遺伝的要因、ストレス、免疫、腸内細菌など様々な要因が合わさって発症すると言われています。
考えられている原因の一つは遺伝的な要因で、遺伝的素因をもつ方が腸内細菌やその他物質に対して過剰な免疫反応を起こし白血球が大腸の粘膜を破壊し発症すると考えられています。

早期発見のポイント

原因不明の腹痛や下痢、発熱が続いている場合、血便がある場合は潰瘍性大腸炎やクローン病が疑われます。
血液検査や内視鏡検査を行います。
カメラで腸内を確認し、必要があれば組織の一部を採取して顕微鏡で検査する病理検査をすることもあります。

内視鏡検査は痛そうなイメージが持たれがちですが、麻酔をしたり痛みを軽減する技術が進歩しています。
早期発見、早期治療をすることで、症状の改善が見られたり、なにより原因がわかることが安心につながりますので一度医師に相談してみてください。

予防の基礎知識

潰瘍性大腸炎は明確な発症原因や機序が不明なため、確実な予防法がありません。
しかしどの病気にも言えるのが、ストレスをためないこと、栄養バランスの良い食生活を送ること、適度な運動をすることが大切です。
特に脂っこい食事を好む方はそれに気を付けるだけでも腸疾患予防の一環になるでしょう。
睡眠時間を十分にとり、お酒やタバコを無理のない範囲で減らしましょう。

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