過敏性腸症候群
過敏性腸症候群はこんな病気
過敏性腸症候群は精神的ストレスや自律神経の乱れなどにより腸のはたらきに異常が生じる病気です。
英語でirritable bowel syndromeと呼ばれ、頭文字をとってIBDと略されます。
日本人の人口の10%程が過敏性腸症候群だとされており、20〜40歳代の若い人に多く見られます。
感染すると、次の症状が出ます。
- 下痢
- 便秘
- 腹痛
- お腹が鳴る
- おならが出る
- 頭痛
- 不安・不眠
- 発汗
過敏性腸症候群は3つのタイプに分類することができ、下痢型・便秘型・混合型があります。
《下痢型》
緊張やストレスなど心因性がきっかけで強い腹痛や便意、下痢が生じます。
特に逃げられないような場所、例えばテストや通勤電車内などで発症することが多く見られます。
《便秘型》
お腹の張りなどの症状が見られます。
《混合型》
下痢型と便秘型が交互に起こるのが特徴とされています。
過敏性腸症候群の方は健康な方と比べると胃痛、胃もたれ、胸やけ、胃食道逆流症が併発する割合が2倍以上と言われています。
治療法は患者様の症状に合わせて決めます。
例えば、試験前や出勤前に症状が見られる場合は精神的な原因が考えられるため、精神安定剤を検討します。
それでも改善されない場合はカウンセリングなど、精神療法を検討します。
また、ご自身も生活習慣を変えることで症状を改善することもあります。
腹痛を引き起こしやすい食生活を控えると便通の変化が期待できます。
コーヒーやアルコール、香辛料、脂質の多いものを減らし、腸に良いヨーグルトや発酵食品を多くとることで症状の軽減が期待できます。
過敏性腸症候群の原因
現時点で明確な原因はわかっていません。
腸は食べ物の消化や吸収のほか、便を作っています。
何かを食べると腸を動かし、便を作るように脳が命令を出します。
緊張やストレスで不安状態になると、脳の信号が異常をきたし、腸へ過剰に命令を出してしまいます。
痛みにも過敏になってしまうので、通常の人より腹痛を感じやすいのも特徴の一つです。
近年では過敏性腸症候群は何らかの細菌やウイルスに感染することによって腸に炎症が起こり、粘膜が弱くなることで腸が敏感になるのではないかとも言われています。
早期発見のポイント
腹痛や下痢、もしくは便秘等を感じる場合は一度医師にご相談ください。
過敏性腸症候群は血液検査や内視鏡検査で異常がないのが特徴で、問診により診断が下されます。
ただし症状がほかの腸疾患と似ているため、他の病気でないと確定するために血液検査や内視鏡検査を行います。
予防の基礎知識
現時点で明確な発症原因や機序が不明なため、確かな予防法がないのがありません。
しかしどの病気にも言えるのが、ストレスをためない事、栄養バランスの良い食生活をすること、適度な運動をすることが健康な身体を維持するために重要な習慣だということです。
特に脂っこい食事を好む方はそれに気を付けるだけでも腸疾患予防の一環になるでしょう。
睡眠時間を十分にとり、お酒やタバコを無理のない範囲で減らしましょう。