破傷風について
破傷風は、土壌やほこりなどに広く存在する破傷風菌が体内に侵入して産生する神経毒素によって引き起こされる重篤な感染症です。菌そのものは酸素に弱いため、酸素の届きにくい傷口、特に深くて汚れた傷に感染することで発症しやすくなります。日本では衛生環境の改善やワクチン接種の普及によって患者数は減少していますが、現在でも高齢者を中心に毎年数十例の報告があります。
破傷風は人から人へは感染しませんが、予防には定期的なワクチン接種が重要です。小児期に接種したワクチンの効果が弱まっている場合があるため、ブースター接種(追加接種)が勧められることがあります。また、ケガをした際にはワクチン歴を確認し、必要に応じて追加接種を受けることで発症を防ぐことができます。
感染経路
破傷風菌は世界中の土の中に存在しており、特に動物の糞便で汚染された土壌が危険です。けがをした時に傷口から破傷風菌が体の中に入ることで感染します。
潜伏期間
3日~3週間
症状
口を開けにくい、首筋が張る、体が痛いなどの症状があらわれます。その後、体のしびれや痛みが体全体に広がり、全身を弓なりに反らせる姿勢や呼吸困難が現れたのちに死亡することがあります。
ワクチンの特徴
破傷風を予防するためには、破傷風トキソイドと呼ばれるワクチンを一定の間隔で接種することが推奨されています。3~8週間の間隔で2回接種すると、約4週間後に免疫が獲得されます。その後、免疫を持続させるために、6~12か月後、または1年半後に3回目の接種を行うことで、約10年間、感染を防ぐ効果が続くとされています。
ワクチンの副反応
ワクチン接種後に、他のワクチン接種でもみられるのと同様に下記のような副反応がみられますが、通常は一時的な もので数日で消失します。
〈局所〉
発赤・腫脹・疼痛・硬結など
〈全身〉
発熱・悪寒・頭痛・倦怠感・下痢・めまい・関節痛など
下記のような重篤な副反応は発生率が非常に低いとされていますが、接種後に異常な症状が現れた場合は、速やかに医療機関を受診することが推奨されます。
ショック・アナフィラキシー様症状(全身発赤、呼吸困難、血管浮腫など)
予防接種が受けられない方
次のいずれかに当てはまる人は、ワクチンを受けることができません。
- 発熱がある方(通常37.5℃以上)
- 重い急性疾患にかかっている方
- 過去に破傷風ワクチンの成分でアナフィラキシーを起こしたことがある方(また、他の医薬品でアナフィラキシーの経験がある場合は、接種前に医師に相談し判断を仰ぎましょう)
- 医師が接種を適さないと判断した方
安全にワクチンを受けるためにも、体調や過去のアレルギー歴を事前に医師に伝え、適切な判断をしてもらうことが大切です。
予防接種を受けるに際し、注意が必要な方
次のいずれかに該当する場合は、ワクチン接種を受ける前に医師とよく相談しましょう。
- 心臓・腎臓・肝臓の病気や血液疾患などの基礎疾患をお持ちの方
- 成長や発育に関する指導を医師や保健から受けている方
- 風邪の初期症状がある方
- 過去の予防接種後に異常があった方
- 薬や食べ物でアレルギー反応を起こしたことがある方
- 痙攣(けいれん)の既往がある方
- 本人または近親者に免疫系の異常があると診断された方
- 免疫不全の方、または免疫抑制治療を受けている方
- 破傷風ワクチンの成分に対してアレルギーを起こす可能性がある方
- 家族や周囲で麻しん(はしか)、風しん、水痘(みずぼうそう)、おたふくかぜなどの感染症が流行しており、まだその病気にかかったことがない方
- 現在、周囲で麻しん、風しん、水痘(みずぼうそう)、おたふくかぜが流行しており、まだその病気にかかったことがない方
- 妊娠中または妊娠の可能性(生理がおくれているなど)がある方、授乳中の方
※妊娠中、授乳中は安全性が確立されていないので避けた方が望ましいです。
破傷風は重篤な感染症であり、ワクチン接種は有効な予防策の一つです。しかし、基礎疾患やアレルギーの有無によっては慎重な判断が求められます。該当する項目がある場合は、事前に医師と相談し、適切な接種の可否を確認してください。
接種後の注意事項
- 接種後30分間は、医療機関の近くで様子を観察しましょう
まれにアレルギー反応が起こることがあるため、体調の変化がないか注意し、異常を感じた場合はすぐに医師に連絡できるようにしておきましょう。 - 接種後24時間は、副反応の有無に気をつけましょう
発熱や倦怠感などの症状が現れることがあるため、体調の変化がないか注意しましょう。 - 当日の入浴は可能ですが、注射した部位をこすらないように注意してください
接種後は普段通りの生活を送って問題ありません。 ただし、激しい運動や大量の飲酒は避けるようにしましょう。感染を防ぐため、やさしく洗いましょう。 - 接種部位を清潔に保ち、普段どおりの生活を心がけましょう
ただし、激しい運動や大量の飲酒は控えてください。 - 高熱や痙攣など、異常な症状が出た場合は、すぐに医師の診察を受けましょう
- 接種後は車の運転や高所での作業には注意をしましょう
このワクチンに限らず、ワクチン接種により血管迷走神経反射によりめまいや立ちくらみが起こる可能性があります。
ワクチン接種後は、体調の変化に気を配り、異常があれば早めに医師に相談することが大切です。
当院取り扱いのワクチン
| ワクチンの種類 | 破トキ「ビゲンF」・沈降破傷風トキソイド「生研」 |
|---|---|
| 国内承認 |
承認済み |
| 料金 | 3,500円/本 |
| 接種可能年齢 |
生後6か月以上 |
| 接種方法 | 皮下・筋肉注射 |
| 接種回数 | 1~3回 |
| 接種スケジュール | 【小児の定期接種が完了している場合】 初回接種のみ【小児の定期接種が完了していない場合】 初回接種 2回目:初回接種から3~8週後 (3回目:初回接種から12~18週後) ※長期免疫獲得の必要がなければ2回の接種で完了 |
| 有効性 | 4週間隔で2回接種した場合、感染防御率は乳幼児で100%、成人・高齢者で75.6% |
| 予防効果持続期間 | 小児の定期接種および追加接種を完了した場合、免疫効果は約10年間持続 |
| 副作用救済制度 | 国の副作用救済制度あり |
| ワクチンの種類 | 破トキ「ビゲンF」・沈降破傷風トキソイド「生研」 |
|---|---|
| 国内承認 |
承認済み |
| 料金 | 3,500円/本 |
| 接種可能年齢 |
生後6か月以上 |
| 接種方法 | 皮下・筋肉注射 |
| 接種回数 | 1~3回 |
| 接種スケジュール | 【小児の定期接種が完了している場合】 初回接種のみ【小児の定期接種が完了していない場合】 初回接種 2回目:初回接種から3~8週後 (3回目:初回接種から12~18週後) ※長期免疫獲得の必要がなければ2回の接種で完了 |
| 有効性 | 4週間隔で2回接種した場合、感染防御率は乳幼児で100%、成人・高齢者で75.6% |
| 予防効果持続期間 | 小児の定期接種および追加接種を完了した場合、免疫効果は約10年間持続 |
| 副作用救済制度 | 国の副作用救済制度あり |



