DPTについて
三種混合ワクチン(DPTワクチン)は、ジフテリア、百日咳、破傷風の3つの感染症を予防するためのワクチンです。これらの病気は、発症すると重症化しやすく、特に乳幼児や小児にとって大きなリスクとなるため、ワクチンによる予防が重要です。
日本では乳幼児期の定期接種によって感染は比較的抑えられているものの、百日咳は学齢期の子どもたちを中心に発生が見られ、破傷風は主に高齢者に発症するなど成人期の追加接種の必要性も指摘されています。ジフテリアの国内発症は稀ですが、ナイジェリアなど一部の国では大規模流行が報告されており、またアメリカでも百日咳の感染が急増するなど、世界的にはDPT対象疾患の再流行が懸念されています。こうした状況を踏まえ、海外渡航を予定している場合にはワクチン接種が推奨されています。
ジフテリアについて
ジフテリア菌がのどや鼻に感染し、高熱や喉の腫れ、呼吸困難を引き起こす感染症です。菌が作り出す毒素が心臓や神経にダメージを与えることがあり、重症化すると死亡することもあります。
感染経路
ジフテリア菌の感染者に感染した人の鼻咽頭や気道からの分泌物ににより飛沫感染、および接触感染します。
潜伏期間
1~10日間
症状
のどや鼻に症状が出ることが多く、発熱やおう吐、頭痛、咳などが現れます。その後、扁桃や気道に偽膜を形成して放置すれば呼吸困難となり死に至ることがあります。
百日咳について
百日咳菌による感染症で、長期間続く激しい咳が特徴です。特に乳幼児が感染すると、呼吸が止まることや脳炎を引き起こすリスクがあり、命にかかわる場合があります。
感染経路
百日咳菌に感染した人の鼻咽頭や気道からの分泌物により飛沫感染、および接触感染します。
潜伏期間
7~10日間
症状
最初は一般的な風邪のような症状で始まり、次第に咳の回数が増え、激しさを増していきます。やがて特徴的な発作性のけいれん性の咳(痙咳)に変わり、息を吸う際に笛のような「ヒュー」という音が聞こえるようになります。しばしば嘔吐を伴いますが、発熱はないか、あっても微熱程度です。激しい咳によって顔面の静脈圧が上昇し、顔のむくみや点状出血、眼球結膜出血、鼻血が見られることもあります。
破傷風について
破傷風は、破傷風菌が傷口から体内に侵入し、毒素を出すことで発症します。筋肉の痙攣や硬直を引き起こし、重症化すると呼吸困難に陥り、死亡率が高い感染症です。
感染経路
破傷風菌は世界中の土の中に存在しており、特に動物の糞便で汚染された土壌が危険です。けがをした時に傷口から破傷風菌が体の中に入ることで感染します。
潜伏期間
3日~3週間
症状
口を開けにくい、首筋が張る、体が痛いなどの症状があらわれます。その後、体のしびれや痛みが体全体に広がり、全身を弓なりに反らせる姿勢や呼吸困難が現れたのちに死亡することがあります。
ワクチンの特徴
三種混合ワクチン(DPTワクチン)は、ジフテリア、百日咳、破傷風の3つの感染症を予防するワクチンです。これらの病気は、発症すると重症化しやすく、特に乳幼児や小児にとって大きなリスクとなるため、ワクチンによる予防が非常に重要です。
これらの病気を防ぐために、三種混合ワクチンの接種が推奨されています。ワクチンは生後3か月から接種を開始し、3回の基本接種を3~8週間隔で行い、その後1年後に追加接種を受けることで免疫を強化します。さらに、小学校入学前の5~7歳の時期に追加接種を実施し、日本では11~12歳の時にジフテリアと破傷風に対する二種混合ワクチンを接種することで、長期間にわたり免疫を維持することができます。
輸入ワクチンのBoostrixはジフテリア、百日咳、破傷風の3つの成分を含んでいますが、ジフテリアと百日咳の抗原量が少なめに配合されています。これにより、成人や思春期の免疫に適した濃度に調整されており、トリビックと比較すると副反応を抑えつつ効果的な免疫を提供します。
ワクチンの副反応
ワクチン接種後に、下記のような副反応がみられることがありますが、通常は一時的なもので数日で消失します。
〈局所〉
接種部位の腫れや赤み、痛みなど
〈全身〉
発熱(37.5℃以上)や倦怠感、軽い頭痛、発熱、倦怠感、頭痛など
下記のような重篤な副反応は発生率が非常に低いとされていますが、接種後に異常な症状が現れた場合は、速やかに医療機関を受診することが推奨されます。
アナフィラキシー(じんましん、呼吸困難、血圧の低下などの症状を伴う)、発熱に伴うけいれんや意識障害、高熱(39℃以上)による強い倦怠感など
予防接種が受けられない方
次のいずれかに当てはまる人は、ワクチンを受けることができません。
ワクチン接種に関して不安がある方は、必ず事前に医師へ相談し、適切な判断を仰ぐようにしましょう。
- 発熱している方(37.5℃以上)
- 重度の急性疾患を患っている方
- 過去にDPTワクチンでアナフィラキシーを起こしたことがある方
- 百日咳成分を含むワクチン接種後7日以内に、原因不明の脳症を起こしたことがある方
- ジフテリアと破傷風又はどちらかに対するワクチン接種後に、一過性の血小板減少症、又は神経系疾患を起こしたことがある方
- 医師が接種不適当と判断した方
- 【Boostrixのみ】
ジフテリアや破傷風のワクチンを一度も接種したことがない方
予防接種を受けるに際し、注意が必要な方
次のいずれかに該当する場合は、ワクチン接種を受ける前に医師とよく相談しましょう。
- 心臓・腎臓・肝臓の病気や血液疾患などの基礎疾患をお持ちの方
- 成長や発育に関する指導を医師や保健から受けている方
- 風邪の初期症状がある方
- 過去の予防接種後に異常があった方
- 薬や食べ物でアレルギー反応を起こしたことがある方
- 痙攣(けいれん)の既往がある方
- 本人または近親者に免疫系の異常があると診断された方
- 免疫不全の方、または免疫抑制治療を受けている方
- 妊娠中、授乳中の方
※妊娠中、授乳中は安全性が確立されていないので避けた方が望ましいです
DPTは、ジフテリア・百日咳・破傷風の重篤な感染症を予防する重要なワクチンです。しかし、持病や過去の副反応によっては接種を慎重に判断する必要があります。該当する項目がある場合は、必ず事前に医師と相談し、適切な接種の可否を確認してください。
接種後の注意事項
ワクチンを受けた後は、次の点に気をつけましょう。
- 接種後30分間は、医療機関の近くで様子を見ましょう
まれにアナフィラキシー(強いアレルギー反応)が起こることがあるため、すぐに医師と連絡が取れる状態にしておきましょう。 - 接種後24時間は体調の変化に注意しましょう
発熱、接種部位の腫れや痛み、倦怠感などの副反応が現れることがあるため、普段と違う症状がないか確認しましょう。 - 接種部位を清潔に保ちましょう
入浴は可能ですが、注射部位を強くこすらないように注意してください。 - 普段通りの生活を心がけましょう
接種後は普段通りの生活を送って問題ありません。 ただし、激しい運動や大量の飲酒は避けるようにしましょう。 - 異常があればすぐに医師へ相談しましょう
万が一、高熱や痙攣(けいれん)などの異常な症状が現れた場合は、速やかに医師の診察を受けてください。 - 接種後は車の運転や高所での作業には注意をしましょう
このワクチンに限らず、ワクチン接種により血管迷走神経反射によりめまいや立ちくらみが起こる可能性があります。
ワクチン接種後は、体調の変化に気を配り、異常を感じた際は早めに医師に相談することが大切です。
当院取り扱いのワクチン
| ワクチンの種類 | トリビック (ジフテリア・百日咳・破傷風 三種混合) |
Boostrix (ジフテリア・百日咳・破傷風 三種混合) |
|---|---|---|
| 国内承認 |
承認済み | 未承認(輸入ワクチン) |
| 料金 | 4,800円/本 | 9,200円/本 |
| 接種可能年齢 |
生後2か月以上(基本は小児用) | 10歳以上 |
| 接種方法 | 皮下注射 | 筋肉注射 |
| 接種回数 | 1~3回 | 1回 |
| 接種スケジュール | 【小児の定期接種が完了している場合】 初回接種のみ【小児の定期接種が完了していない場合】 初回接種 2回目:初回接種から3〜8週間 3回目:2回目から3~8週後 (4回目:3回目から6か月以上あと) ※長期免疫獲得の必要がなければ3回の接種で完了 |
【小児の定期接種が完了している場合】 初回接種のみ ※Boostrixは追加接種用のワクチンのため初回接種(定期接種)が完了していない人には使用できない |
| 有効性 | 初回接種の4~6週間後に抗体価の上昇はピークとなり、4回の接種で抗体陽性率は100%となる。 | 乳児期にDPTワクチンを接種していても、百日咳に対する免疫効果は4~12年で低下する。 Boostrixを10歳以降に追加接種することで、百日咳の抗体が再度上昇し、感染予防につながる。 |
| 予防効果持続期間 | 小児期の初回免疫および追加免疫を完了した場合、免疫効果は約10年間持続 | 乳児期にDPTワクチンを計4回接種している場合、この追加接種1回によって、さらに約10年の免疫が持続 |
| 副作用救済制度 |
国の副作用救済制度あり | 輸入代行業者による 副作用被害補償制度あり 詳細はこちら |
| ワクチンの種類 | トリビック (ジフテリア・百日咳・破傷風 三種混合) |
Boostrix (ジフテリア・百日咳・破傷風 三種混合) |
|---|---|---|
| 国内承認 |
承認済み | 未承認(輸入ワクチン) |
| 料金 | 4,800円/本 | 9,200円/本 |
| 接種可能年齢 |
生後2か月以上(基本は小児用) | 10歳以上 |
| 接種方法 | 皮下注射 | 筋肉注射 |
| 接種回数 | 1~3回 | 1回 |
| 接種スケジュール | 【小児の定期接種が完了している場合】 初回接種のみ【小児の定期接種が完了していない場合】 初回接種 2回目:初回接種から3〜8週間 3回目:2回目から3~8週後 (4回目:3回目から6か月以上あと) ※長期免疫獲得の必要がなければ3回の接種で完了 |
【小児の定期接種が完了している場合】 初回接種のみ ※Boostrixは追加接種用のワクチンのため初回接種(定期接種)が完了していない人には使用できない |
| 有効性 | 初回接種の4~6週間後に抗体価の上昇はピークとなり、4回の接種で抗体陽性率は100%となる。 | 乳児期にDPTワクチンを接種していても、百日咳に対する免疫効果は4~12年で低下する。 Boostrixを10歳以降に追加接種することで、百日咳の抗体が再度上昇し、感染予防につながる。 |
| 予防効果持続期間 | 小児期の初回免疫および追加免疫を完了した場合、免疫効果は約10年間持続 | 乳児期にDPTワクチンを計4回接種している場合、この追加接種1回によって、さらに約10年の免疫が持続 |
| 副作用救済制度 |
国の副作用救済制度あり | 輸入代行業者による 副作用被害補償制度あり 詳細はこちら |



