2025.12.23
コラム

ビジネス渡航者必見!出張前に必要なトラベルワクチンと健康対策

海外出張は、短期間であっても思わぬ感染症リスクが潜んでいます。現地の食事や水、蚊・動物との接触をきっかけに体調を崩すケースも少なくありません。出張中に万が一の体調不良で業務に支障をきたさないよう、渡航前のトラベルワクチン接種と健康対策は欠かせません。
本記事では、ビジネス渡航者が知っておきたい必須ワクチンと、渡航前に確認しておくべき健康管理のポイントをわかりやすくまとめました。

 

短期出張でも油断禁物!ビジネス渡航で必要なワクチンとは?

短期間の海外出張だからといって安心はできません。
海外では日本では見られない感染症が発生しており、滞在期間に関わらず感染リスクは存在します。
例えば、現地の食事からA型肝炎に感染したり、蚊に刺されてデング熱にかかるのに長い時間は必要ありません。
実際、海外には日本にない病気がたくさんあり、気候や時差によるストレスで体の抵抗力も低下し、短期滞在でも病気にかかりやすくなるのです。

こうしたリスクに備えるため、渡航前の予防接種(トラベルワクチン)の重要性が強調されています。
ワクチンを接種することで、罹患および重症化のリスクを下げることができます。
たとえ短期の出張でも、必要なワクチンを受けておけば安心です。
また、過去に受けた予防接種を今一度確認し、不十分なものがあればこの機会に受けておくとよいでしょう。

 

渡航先別・ビジネス渡航者向け必須ワクチンリスト

渡航先の地域によって必要とされるワクチンは異なります。
ビジネス出張で訪問頻度の高い地域(アジア、アフリカ、中東、中南米)における主な推奨ワクチンを以下にまとめました。
自分の渡航先に該当するものをチェックしましょう。
※一般的な推奨例であり、実際には国や滞在条件により異なるためワクチン接種をする医療機関にお問い合わせください。

地域 主な推奨ワクチン
アジア(東南アジア・南アジア 等) A型肝炎、B型肝炎、腸チフス、破傷風、日本脳炎、狂犬病、麻しん・風しん・おたふくかぜ(MMRワクチン)など
アフリカ(サハラ以南) A型肝炎、B型肝炎、腸チフス、黄熱病、破傷風、ポリオ、髄膜炎菌、狂犬病、麻しん・風しん など
中東(中近東地域) A型肝炎、B型肝炎、破傷風、腸チフス、狂犬病、ポリオ、水俣、麻しん・風しん・おたふくかぜ(MMRワクチン)など
中南米(中米・南米) A型肝炎、B型肝炎、腸チフス、黄熱病、破傷風、狂犬病、水俣、麻しん・風しん・おたふくかぜ(MMRワクチン)など

地域により他のワクチンが必要になる場合もあります。
また、上記以外に日本で定期接種推奨されているインフルエンザや日本での幼少期の定期接種(麻しん・風しん、水痘、破傷風・ジフテリア等)も渡航前に再確認しておきましょう。

 

忙しい人向け!ワクチン接種のタイミングとスケジュール調整法

トラベルワクチンは計画的に、できるだけ早めに準備することが大切です。
ワクチンによっては2~3回の複数回接種が必要であり、十分な免疫を得るまで時間がかかります。
そのため厚生労働省は出発の3か月以上前から接種の計画を立てることを推奨しています。忙しいビジネスパーソンほど、早めの相談・接種開始を心がけましょう。

    スケジュール調整のポイント

    複数回接種が必要なワクチン
    B型肝炎ワクチン:通常3回接種が必要で、0・1・6か月のスケジュールが基本です。
     1回目と2回目の間隔は1か月、3回目は初回から6か月後となります。
    狂犬病ワクチン(暴露前予防):3回接種で、通常0・7・21(または28)日間隔で行います。短期間でも効果を得るには最低でも21日必要です。
    その他にも、ダニ媒介性脳炎・帯状疱疹は複数回の接種が必要となります。

    生ワクチン同士の接種間隔に注意
    黄熱、麻しん、風しん、水痘など。生ワクチンは基本、接種後4週間経つまでは他の生ワクチン接種ができないため、渡航まで時間がない場合は接種スケジュールに注意が必要です(複数の生ワクチンの同時接種は医師の判断により可)。

    直前の接種でも意味があるワクチン
    例えばA型肝炎ワクチンは1回目の接種でも数日である程度の効果が期待でき、短期間の渡航にも役立ちます。
    B型肝炎なども1回目・2回目を出発前に受け、帰国後に3回目を受けることで今後の備えになります。

    黄熱病ワクチンは早めの接種を
    接種後、証明書(イエローカード)が有効になるまでに10日かかるため、余裕を持って接種しておきましょう。
    黄熱病流行地域への渡航では入国条件に関わるため、遅くとも2週間前には接種を済ませておくことが望ましいです。

     

    会社負担になる?ワクチン接種の費用・健康保険・経費精算のポイント

    海外出張用の予防接種にかかる費用は公的健康保険が適用されず、全て自費(自由診療)扱いとなります。
    以下に、代表的なトラベルワクチンの費用の目安を一覧表にまとめました。
    ※料金は医療機関により異なります。

    ワクチン名 料金(目安・1回あたり) 接種回数 備考
    A型肝炎 約6,000~12,000円 通常2~3回 出発直前でも1回で一定の効果あり
    B型肝炎 約5,000~8,000円 通常3回 長期的な予防に有効
    腸チフス 約8,000~10,000円 通常1回(経口もあり) 経口タイプは3回服用
    狂犬病 約9,000~16,000円 通常3回 渡航先・動物接触リスクにより判断
    日本脳炎 約6,000~10,000円 通常2回 日本での定期接種歴も確認
    黄熱病 約12,000~16,000円 通常1回 イエローカードの取得が必要

    複数回接種が必要な場合は、その回数分の費用が発生するため、全体の費用も高額になります。
    会社の負担や補助の有無を事前に確認しておくと安心です。

    経費精算・会社負担のポイント

    • 業務命令による出張の場合、会社が全額または一部を負担するケースあり。
    • プライベートな旅行・任意接種の場合は自己負担。
    • 経費精算は領収書を添えて申請、勘定科目は福利厚生費や出張旅費など。
    • 健康保険・自治体によるトラベルワクチンの補助は基本的に対象外。

     

    出張中の体調不良を防ぐ!ワクチン以外の感染症対策と健康管理

    出張中の感染症予防はワクチンだけでは不十分です。
    基本的な対策をしっかり行いましょう。

    食事・水

    • 生水、氷、生ものは避けましょう。
    • 信頼できる店で加熱調理された食事を摂りましょう。
    • 歯みがきもミネラルウォーターを使いましょう。

    虫刺され対策

    • 長袖・長ズボンを着用し、虫よけ剤を使いましょう。
    • マラリア流行地域では予防薬の服用を検討しましょう。

    動物との接触を避ける

    • 野良犬・野良猫・野生動物に近づかないようにしましょう。
    • 咬まれた場合はすぐに洗浄し、医療機関を受診しましょう。

    睡眠・疲労管理

    • 睡眠不足やストレスで免疫力が下がりますので、十分な休息をとりましょう。
    • 水分補給をこまめに行いましょう。

    常備薬

    • 下痢止め、解熱剤、酔い止め、持病薬を多めに準備しましょう。
    • 英文の薬剤説明書を用意しておくと安心です。

    渡航前にトラベルクリニックなどで個別相談し、最新情報や必要な対策を確認しておきましょう。