2026.02.24
コラム

コロナ以外にも注意!忘れがちなトラベルワクチン3つとその理由

コロナ禍を経て、海外旅行や出張を再開する方が増えています。しかし、「ワクチン=コロナ対策」という意識のまま出発準備を進めていませんか?
実は、海外ではコロナ以外にも多くの感染症リスクが存在します。
本記事では、特に“忘れがちなトラベルワクチン”と、その重要性について解説します。

 

コロナ以外にも感染リスクがある理由

日本ではほとんど見られない感染症でも、海外では今も日常的に発生しています。衛生環境や医療体制、気候の違いにより、感染症の種類やリスクは大きく変わります。

主な感染経路

  • 食事や水を介して感染:A型肝炎、腸チフス、コレラなど
  • 動物を介して感染:狂犬病
  • 蚊を介して感染:デング熱、日本脳炎、黄熱など
  • 傷口や血液を介して感染:破傷風、B型肝炎など

短期の旅行でも、レストランでの食事や軽いケガなど、思わぬ場面で感染リスクがあります。
「短期だから大丈夫」と油断せず、出発前にしっかりとワクチン接種を済ませておきましょう。

 

忘れがちなトラベルワクチン3選

新型コロナウイルスのワクチン接種は定着しましたが、トラベルワクチンの中には知名度が低く、接種を忘れがちなものがあります。
特に次の3つは、厚生労働省や検疫所でも渡航者に推奨されている重要なワクチンです。

A型肝炎

感染経路:汚染された食べ物や水
推奨エリア:東南アジア・南アジア・中南米・アフリカなど

A型肝炎ウイルスは、衛生環境の整っていない地域で広く流行しています。感染すると発熱や倦怠感、黄疸などが現れ、完治までに時間がかかることもあります。

  • 短期旅行でもリスクあり(外食や屋台での食事など)
  • 2回の接種(6か月以上間隔)で長期免疫を獲得
  • 水道水や氷、生野菜などにも注意が必要

「胃腸炎だと思っていたらA型肝炎だった」という例もあり、短期旅行者ほど油断しやすい感染症です。

破傷風

感染経路:傷口から細菌が侵入
推奨対象:すべての旅行者

破傷風菌は、土壌や埃の中に存在します。転倒や小さなすり傷、靴擦れからでも感染することがあり、発症すると強い筋肉のけいれんを起こす危険な病気です。

  • 幼少期に接種していても10年で免疫が低下
    海外の医療体制では治療が遅れる可能性
  • アウトドアや地方都市での活動が多い人は要注意

1回の追加接種で再び免疫を得られるため、10年以上破傷風ワクチンを受けていない人は、出発前に確認をしましょう。

狂犬病

感染経路:犬・猫・野生動物に噛まれる、ひっかかれる
推奨エリア:アジア・アフリカ・中南米など

狂犬病は、発症するとほぼ100%死亡するとされるウイルス感染症です。日本では撲滅されていますが、海外では今も多数の感染例が報告されています。

  • 野良犬だけでなく、人に慣れた動物にも注意
  • 動物に触れる機会がある人(観光地・ボランティアなど)は特に推奨
  • ワクチンは0日・7日・21日(または28日)の3回接種
  • 事前接種を受けておくと、噛まれた後の対応(追加接種)が簡略化される

“見るだけ”と思っていても、海外では思わぬ接触事故が起こることがあります。子ども連れや動物好きの方は、優先して接種を検討しましょう。

 

なぜこれらのワクチンが重要なのか

これら3つのワクチンは、いずれも「感染後の治療が難しい」「発症すると重症化しやすい」という共通点があります。

ワクチン 主な理由
A型肝炎 感染経路が身近で、食事から感染しやすい。旅行者の多くがリスクにさらされる。
破傷風 けがの小ささに関係なく感染。致死率が高く、海外では適切な医療が受けにくい。
狂犬病 発症後はほぼ100%死亡。ワクチンでしか防げない。

海外旅行では、これらの感染症にかかる確率は「運」ではなく、「準備不足」が原因です。トラベルワクチンは、旅行先での医療リスクを減らす“最初の海外旅行保険”ともいえる存在です。

 

接種し忘れを防ぐスケジュール管理のコツ

ワクチン接種は、種類によって間隔や回数が異なります。接種スケジュールをうまく管理することが、安心・安全な旅行準備の第一歩です。

1. 出発の1か月前には医療機関に相談

A型肝炎や狂犬病などは複数回の接種が必要です。出発の4〜6週間前に相談を始めることで、計画的に接種を進められます。

2. 予防接種手帳・スマホで記録を管理

どのワクチンを、いつ接種したかを記録することで、重複接種や忘れを防げます。スマートフォンのカレンダーやアプリを活用するのもおすすめです。

3. 家族や同行者と一緒に確認

家族旅行や社員旅行などでは、メンバー全員の接種状況を確認しましょう。特に子ども・高齢者は免疫が弱く、感染しやすいため、全員での対策が重要です。

 

まとめ:コロナ以外の感染症にも“予防接種の準備”を

コロナ禍を経て、海外旅行への関心が再び高まっています。
しかし、コロナワクチンだけでは海外の感染症すべてを防ぐことはできません。
A型肝炎、破傷風、狂犬病といった「忘れがちなトラベルワクチン」をしっかり確認し、出発前に医療機関で相談しておくことが、安全な旅への第一歩です。

 

📚参考文献