2025.10.14
コラム

ワクチンで旅をもっと安全に!感染症予防のポイント

 

海外旅行を計画する際には現地の感染症リスクに備えることが大切です。
特にトラベルワクチン(海外渡航者向けの予防接種)は旅先での健康を守る強力な手段になります。

一般の旅行者でも無理なく受けられるトラベルワクチンについて、その必要性接種スケジュール、そしてワクチン以外の予防策まで専門的な視点から分かりやすく解説します。

 

トラベルワクチンとは?接種の必要性

トラベルワクチンとは、海外への旅行や留学・長期滞在の前に渡航先でかかるおそれのある感染症を予防するために受けるワクチンのことです。

日本ではあまり見られない感染症が海外で流行している場合もあり、渡航前にあらかじめワクチンを受けておくことで安全で健康的な滞在を送ることができます。
接種は義務ではなく基本的に任意ですが、海外渡航者には強く推奨されています。
現地の医療環境が十分でない地域では予防接種を受けずに病気にかかると適切な治療を受けられないリスクがあります。
また、一部の国や留学先の学校によっては特定のワクチン接種が入国・入学の条件となっていることもあります。

 

渡航先別ワクチン一覧:あなたの旅行に必要なワクチンは?

旅行を計画する際、ワクチン接種の準備は早めに始めることが重要です。
一般的には、渡航の2~3ヶ月前に接種を開始することが推奨されています。
ワクチンによっては、効果が現れるまでに時間がかかるものがあるため、出発直前に慌てて接種するのは避けましょう。
また、一度に複数のワクチンを接種することも可能ですが、体調や免疫の状態によっては分けて接種することが望ましい場合もあります。
特に小さなお子様や免疫力が低下している方は、医師と相談しながらスケジュールを立てることが重要です。

旅先の地域や環境によって、推奨されるワクチンの種類は異なります。
厚生労働省検疫所(FORTH)では、渡航地域ごとに予防接種が推奨される感染症を公表しています。
以下に主なトラベルワクチンと、そのワクチンが勧められるケースをまとめました。
行き先に合わせて、どのワクチンが必要か確認してみましょう。

アフリカ(特にサハラ以南・熱帯地域)
黄熱、A型肝炎、B型肝炎、破傷風、狂犬病、髄膜炎菌

東南アジア(タイ、ベトナム、カンボジアなど)
A型肝炎、B型肝炎、破傷風、狂犬病、日本脳炎、麻しん・風しん・水痘

南アジア(インド、ネパール、バングラデシュなど)
A型肝炎、B型肝炎、破傷風、狂犬病、麻しん・風しん・水痘

中南米(ブラジル、ペルー、メキシコなど)
黄熱、A型肝炎、B型肝炎、破傷風、狂犬病、麻しん・風しん・水痘

北米・欧州(アメリカ、カナダ、ヨーロッパ諸国)
麻しん・風しん・水痘、B型肝炎、髄膜炎菌

 

黄熱(黄熱病) 蚊が媒介 致死率が高く、一部の国では入国10日前までに接種必須。接種証明書(イエローカード)が必要。
※接種10日後から生涯にわたり有効
A型肝炎 汚染された食べ物・水 衛生環境が不十分な地域へ行く人(特に70歳以下)に推奨。
B型肝炎 血液・体液 医療行為を受ける可能性がある、性行為、けがなど体液接触のリスクがある人
破傷風 ケガを通じて感染 発展途上国、農村・山間部での外傷のリスクがある旅行者は追加接種を推奨。
狂犬病 哺乳動物(犬・コウモリ等) 東南アジア・アフリカなどのリスク地域に長期滞在、野生動物との接触や医療体制が整っていない地域に行く人。
日本脳炎 ブタ → 蚊 → ヒト 該当地域に1ヶ月以上滞在、または野外活動が多い旅行者。未接種の大人は接種検討。
麻しん・風しん(水痘を含む) 飛沫感染・接触感染 海外で流行中。予防接種歴が不十分な人は追加接種を。母子手帳などで確認を。
髄膜炎菌 飛沫感染 アフリカ「髄膜炎ベルト」へ渡航、または米国などの大学入学者は接種が必要な場合あり。

以上は一部の例ですが、ほかにもポリオ(小児麻痺)など渡航先によっては接種を考慮すべきワクチンがあります。
厚生労働省検疫所や現地の最新情報を参考に、自分の旅程に適したワクチンを選びましょう。
不明な場合は専門のトラベルクリニック(渡航者外来)で相談すると安心です。

 

ワクチンはいつ打つべき?接種のタイミングとスケジュール

海外渡航が決まったら、できるだけ早めに予防接種の計画を立てましょう。
ワクチンによっては複数回の接種、期間を空けての接種が必要で、抗体ができるまでに時間がかかるものがあります。

例えば、狂犬病ワクチンは3~4週間かけて計3回接種する必要があります。
B型肝炎ワクチンも通常3回の接種が推奨されています。

十分な免疫効果を得るには渡航の1~2か月前までに初回接種を始めるのが理想です。
遅くとも出発の4~6週間前までに受診、可能であれば3か月以上前から準備を始めると安心です。

ワクチン接種は早めの計画が重要です。

複数回の接種が必要な場合でもスケジュール通りに進められ、副反応が出ても体調を整える時間が確保できます。
渡航直前に初めて接種を受けると、発熱などの副反応で十分に休めない可能性があるため、避けるのが望ましいです。

もし時間がない場合でも、あきらめずに医師に相談しましょう。
出発直前でも可能な範囲で対策を取ることで、感染リスクを下げることは可能です。

 

副反応は大丈夫?トラベルワクチンの安全性と注意点

初めてトラベルワクチンを受ける方は、副反応(副作用)が心配かもしれません。
結論から言えば、ワクチンの安全性は非常に高く、重大な副反応は極めて稀です。

起こりうる副反応

・注射部位の腫れや痛み
・発熱
・倦怠感など
・ショック症状やけいれんなど重篤な症状はごく稀です

もし過去に予防接種で強い副反応を起こしたことがある方や、アレルギー体質の方は事前に遠慮なく医師に伝えてください。

ワクチンを受ける際の注意点

・ワクチン接種を受ける際はリラックスして臨む
・ワクチン接種後は念のため約30分間、医療機関で待機して様子を見る
※急激なアレルギー反応(アナフィラキシー)が起きた場合にすぐ対応できるようにする為
・当日は激しい運動を控える
・入浴は当日でも可能(接種1時間後に体調に問題がないことを確認してから)
・入浴時も接種部位を強くこすらない

また、以下このような症状が出た場合には、無理をせず早めに医療機関を受診しましょう。
・接種後に発熱が続く
・強い腫れや痛みが引かない
・気分が悪い

 

ワクチン以外の感染症対策!旅行中に気をつけるべきこと

予防接種を受けたからといって油断は禁物です。
滞在中も以下のポイントに注意し、感染リスクをできるだけ減らしましょう。

飲食の衛生
・生水・氷・生もの(屋台の食べ物等)は避け、加熱調理・信頼できる食品を選ぶ
・水はペットボトルを利用する
・果物は自分で皮をむいて食べる

手洗い・消毒を徹底
食前・トイレ後などに石けんで手洗いを
・水がない時はアルコール消毒も有効

虫刺され対策
蚊やダニはマラリア、デング熱、日本脳炎など様々な病気を媒介します。
・長袖・長ズボンを着用し、虫除け剤を使用
・就寝時は蚊帳や防虫対策の確認も効果的

動物との接触は避ける
野良動物は感染症のリスクあり。
・触らず、咬まれたらすぐ洗浄・受診
・可愛くても近づかないのが安全

節度ある行動を
無防備な性交渉や薬物使用は感染症のリスク大
・飲酒にも注意し、冷静な判断を忘れずに

 

最後に

旅先で体調が悪ければ無理せず休み、無理をしないことも重要です。
帰国後も不調があれば検疫や医療機関を受診しましょう。
ワクチンと予防対策を万全にすれば、不安を減らしながら旅行を満喫できるはずです。
準備を整えて、どうぞ安全で楽しい旅をお過ごしください。