ダニ媒介性脳炎について
ダニ媒介性脳炎は、ダニ媒介性脳炎ウイルスによって引き起こされる感染症です。主にヨーロッパやアジアの森林地帯に生息するマダニを介してヒトに感染し、重症化すると脳炎や髄膜炎を引き起こします。発症すると高熱や強い頭痛、けいれん、意識障害などが現れ、最悪の場合、命に関わることもあります。また、後遺症として記憶障害や運動機能の低下、麻痺が残ることもあり、予防が非常に重要な病気です。
このウイルスの主な感染経路はマダニの咬傷ですが、ウイルスに感染した動物(ヤギ等)から生産された乳製品からうつることもあります。潜伏期間は4~28日(多くは7~14日)とされ、初期症状はインフルエンザに似た発熱や倦怠感、筋肉痛などが現れます。多くの人はこの段階で回復しますが、一部の人は数日後に神経症状が現れ、脳炎や髄膜炎へと進行することがあります。
この病気には有効な治療薬がなく、予防が最も重要とされています。特に、流行地域に住んでいる人や、森林や草原での活動が多い人は、ワクチン接種が強く推奨されます。
感染経路
ダニ媒介脳炎ウイルスをもつダニに咬まれることによりうつります。このウイルスに感染した動物(ヤギ等)から生産された乳製品からうつることもあります。人から人へは滅多にうつりませんが、まれに輸血や母乳からうつることがあります。
潜伏期間
4~28日(多くは7~14日)
症状
頭痛、発熱、悪心・嘔吐などの症状が現れます。自然に回復することが多いですが、めまい、羞明(光を異常に眩しく感じる)、構語障害、歩行困難、自律神経失調、昏睡などの重篤な髄膜炎・脳炎症状が現れ、重症化する場合もあります。
ワクチンの特徴
ダニ媒介性脳炎ワクチンは不活化ワクチンで、安全性に配慮しながら定められた接種スケジュールに従って免疫を獲得する仕組みです。また、多くは数回の接種と数年おきの追加接種を必要とし、長期的な免疫維持を目的としています。迅速接種も可能なワクチンなため、渡航までの期間が限られている人もダニ媒介性脳炎ウイルスに対する免疫を付けることができます。
このワクチンを2回接種すると約90%の人が免疫を獲得し、3回目を接種することでほぼ100%の人が長期間の免疫を得られるとされています。
ワクチンの副反応
ワクチン接種後に、下記のような副反応がみられることがありますが、通常は一時的なもので数日で消失します。
〈局所〉
注射部位の痛み、赤み、腫れなど
〈全身〉
軽い発熱や倦怠感、頭痛、筋肉痛など
下記のような重篤な副反応は発生率が非常に低いとされていますが、接種後に異常な症状が現れた場合は、速やかに医療機関を受診することが推奨されます。
アナフィラキシー(じんましん、呼吸困難、口唇や喉の腫れなどの症状)など
予防接種が受けられない方
次のいずれかに当てはまる人は、ワクチンを受けることができません。
ワクチン接種に関して不安がある方は、必ず事前に医師へ相談し、適切な判断を仰ぐようにしましょう。
- 発熱している方(37.5℃以上)
- 重度の急性疾患を患っている方
- 過去にダニ媒介性脳炎ワクチンでアナフィラキシーを起こしたことがある方
- ホルムアルデヒド、ネオマイシン、ゲンタマイシン、硫酸プロタミン(本製剤の製品残留物)に対するアレルギーがある方 ・卵タンパク質および鶏肉タンパク質に対する重篤なアレルギーがある方
- 卵タンパク質および鶏肉タンパク質に対する重篤なアレルギーがある方
- 医師が接種を不適当と判断した方
予防接種を受けるに際し、注意が必要な方
次のいずれかに該当する場合は、ワクチン接種を受ける前に医師とよく相談しましょう。
- 心臓・腎臓・肝臓の病気や血液疾患などの基礎疾患をお持ちの方
- 成長や発育に関する指導を医師や保健から受けている方
- 風邪の初期症状がある方
- 過去の予防接種後に異常があった方
- 薬や食べ物でアレルギー反応を起こしたことがある方
- 痙攣(けいれん)の既往がある方
- 本人または近親者に免疫系の異常があると診断された方
- 免疫不全の方、または免疫抑制治療を受けている方
- 妊娠中または妊娠の可能性(生理が遅れているなど)がある方、授乳中の方
※妊娠中、授乳中は安全性が確立されていないので避けた方が望ましいです - ネオマイシンおよびゲンタマイシン以外のアミノグリコシド系抗生物質にアレルギーがある方
接種後の注意事項
ワクチンを受けた後は、次の点に気をつけましょう。
- 接種後30分間は、医療機関の近くで様子を観察しましょう
まれに強いアレルギー反応が起こることがあるため、異常を感じた場合はすぐに医師と連絡が取れるようにしておきましょう。 - 接種後24時間は、高熱や体調の変化に注意しましょう
発熱や倦怠感、体調不良が現れることがあるため、普段と異なる症状がないか確認しましょう。 - 接種部位を清潔に保ちましょう
入浴は可能ですが、注射部位を強くこすらないように注意してください。 - 普段通りの生活を心がけましょう
接種後は普段通りの生活を送って問題ありません。 ただし、激しい運動や大量の飲酒は避けるようにしましょう。 - 異常があればすぐに医師へ相談しましょう
万が一、高熱や痙攣(けいれん)などの異常な症状が現れた場合は、速やかに医師の診察を受けてください。 - 接種後は車の運転や高所での作業には注意をしましょう
このワクチンに限らず、ワクチン接種により血管迷走神経反射によりめまいや立ちくらみが起こる可能性があります。
ワクチン接種後は、体調の変化に気を配り、異常を感じた際は早めに医師に相談することが大切です。
当院取り扱いのワクチン
| ワクチンの種類 | FSME IMMUN 0.5mL |
|---|---|
| 国内承認 | 未承認(輸入ワクチン) |
| 料金 | 10,500円/本 |
| 接種可能年齢 | 16歳以上 |
| 接種方法 | 筋肉注射 |
| 接種回数 | 2~3回 |
| 接種スケジュール | 〈通常接種〉 初回接種 2回目:初回接種の1~3か月後 3回目:2回目接種の5~12か月目後〈迅速接種〉 初回接種 2回目:初回接種の2週間後 (3回目:2回目接種の5~12か月目後) ※長期免疫獲得の必要がなければ2回の接種で完了 |
| 有効性 | 最初の2回を接種すれば、十分な予防効果が期待できる |
| 予防効果持続期間 | 3回接種で3年 |
| 副作用救済制度 | 輸入代行業者による副作用被害補償制度あり 詳細はこちら |
| ワクチンの種類 | FSME IMMUN 0.5mL |
|---|---|
| 国内承認 | 未承認(輸入ワクチン) |
| 料金 | 10,500円/本 |
| 接種可能年齢 | 16歳以上 |
| 接種方法 | 筋肉注射 |
| 接種回数 | 2~3回 |
| 接種スケジュール | 〈通常接種〉 初回接種 2回目:初回接種の1~3か月後 3回目:2回目接種の5~12か月目後〈迅速接種〉 初回接種 2回目:初回接種の2週間後 (3回目:2回目接種の5~12か月目後) ※長期免疫獲得の必要がなければ2回の接種で完了 |
| 有効性 | 最初の2回を接種すれば、十分な予防効果が期待できる |
| 予防効果持続期間 | 3回接種で3年 |
| 副作用救済制度 | 輸入代行業者による副作用被害補償制度あり 詳細はこちら |



