健康診断で見つかるストレスサイン、心と健康を守る方法

「健康診断の結果は良好なのに、どこか調子が悪い」
このように感じる方がいるのではないでしょうか。もしかすると、ストレスが原因となって体調不良になっているかもしれません。
本記事では、ストレスが原因となって起こる症状や疾患について解説します。適切な予防法を知り、実践することでストレス対策を行っていきましょう。
異常がないのに症状が出るのはなぜ?
健康診断などで異常がないのにもかかわらず、体調不良になり、さまざまな症状が出る場合があります。この場合の原因として挙げられるのが、ストレスです。
ストレスを感じると、身体的な症状が出る場合があります。たとえば、以下のような身体的な症状が出るケースがあるでしょう。
- 頭痛
- 声がかれる
- 耳鳴り
- めまい
- 下痢
- 胃痛
- 動悸
- 不眠
- 頻尿
- 生理不順
また、ストレスを抱えると、精神的な影響が出てしまい、以下のような症状が出るケースもあります。
- 気分が落ち込む
- 不安にかられる
- イライラする
- 焦りがつのる
- 自責の念にかられる
これらの症状は、健康診断の検査結果で異常がない場合でも起こりえます。注意しておきましょう。
ストレス関係の疾患
ストレスが原因で起こる疾患はさまざまです。身体の部位によって起こる症状は異なります。
ストレスが原因で生じる主な疾患は以下の通りです。
《領域》 | 《主な症状》 |
神経・筋肉 | 痙性斜頸、筋収縮性頭痛、書痙 |
皮膚科 | アトピー性皮膚炎、慢性蕁麻疹、円形脱毛症 |
眼科 | 本態性眼瞼痙攣、眼精疲労 |
歯科・口腔外科 | 顎関節症 |
耳鼻咽喉科 | メニエール病 |
泌尿・生殖器 | 心因性インポテンス、夜尿症 |
整形外科 | 腰痛症、慢性関節リウマチ |
内分泌・代謝系 | 糖尿病、単純性肥満症 |
呼吸器 | 過換気症候群、気管支喘息 |
循環器 | 狭心症、心筋梗塞 |
ストレスのサインに気付こう
ストレスを抱えると、身体にさまざまな影響が出ます。イライラしたり、気持ちが落ち込んだりするのを放置してしまうと、ストレスが過度な状態になり、結果、うつ病など心の病気に発展する可能性もあります。
重篤な健康被害に発展する前に、自身でストレスサインに気づく必要があります。たとえば、髪型や身だしなみに興味がなくなったり、飲酒量や喫煙量が増えたりすると、不調の前兆となるケースがあります。
また、食欲が低下したり、眠れなくなったりするのも同様です。普段とは違った状態になった際は、ストレスのサインが出ている場合があるため、注意しておきましょう。
ストレスに気づくために健康診断のストレスチェックを活用しよう
現在、健康診断では、ストレスチェック制度が採用されています。ストレスチェック制度とは、労働者がメンタルヘルス不調になることを防止するために作られた制度です。
常時50人以上の労働者を使用する事業場に対し、医師、保健師などによる年1回のストレスチェックを実施することが義務付けられています。
厚生労働省が推奨している「職業性ストレス簡易調査票」をもとに、仕事にかかわるストレスの状況について57項目の質問票の結果を評価・判定するものです。
おもな内容は以下3点です。
- 職場における当該労働者の心理的な負担の原因に関する項目
- 当該労働者の心理的な負担による心身の自覚症状に関する項目
- 職場における他の労働者による当該労働者への支援に関する項目
こちらを有効活用し、定期的にストレスをチェックしておきましょう。
ストレスを予防するためにできること

ストレスは現代人にとって切っても切れないもの。
大切なのは、どう向き合い、どう対策を行うかです。ストレスを予防するために有効な方法を解説します。
生活リズムを整える
生活リズムを整えることで、ストレス予防になります。朝の起床時間や就寝時間、食事の時間を毎日一定に保ち、生活リズムを維持していくことが大切です。
起床時は、なるべく太陽の光を浴びましょう。太陽の光を浴びると、14〜16時間後に睡眠を誘うメラトニンが分泌されやすくなります。ストレスが過剰にかかり、眠れない人などは実践しましょう。
同様に、日中に光を浴びることも大切です。1日少しでも光を浴びれるよう、散歩などの時間を確保することをおすすめします。
相談できる環境をつくる
自分の気持ちを素直に話せる相手がいる場所を作っておくことが大切です。身近な友人や家族、職場の同僚など、気軽に話せる人を見つけておくと良いでしょう。心配事や不安に思うことを話せる間柄であれば、なお良いです。
どうしても人に話せないようであれば、紙やノートなどに自分の気持ちを書いてみるのもおすすめです。書くことで、気持ちが楽になるケースがあるため、実践してみましょう。
運動する習慣を身につけておく
定期的に運動する習慣を身につけておくと、メンタル面に良い影響が出ます。適度な運動を行うことで気分がリフレッシュされます。
散歩や軽いジョギングなどでも問題ありません。定期的に体を動かすことを意識しておきましょう。