(c) Nishiumeda city clinic

男性更年期障害

Andropause

Homeその他外来男性更年期障害

男性更年期とは

男性の性成熟期から老年期への移行期である40〜50 代頃、テストステロンと言われる男性ホルモンが急激に低下するため起こります。疲れがとれなかったり、意欲が低下するなどの症状がみられるようになります。現状としては老化によるものと考えている方が多いです。日本では約600万人もの男性更年期障害の方がいると言われており、2000年代初めより世界的に指摘されるようになりました。LOH症候群とも呼ばれます。

男性更年期の原因

男性ホルモン(テストステロン)の低下が主な原因となります。
ストレスや加齢が大きな要因と言われており、男性ホルモンは20〜30代をピークに減少していきます。
脳下垂体で男性ホルモンを作るよう指令が出ます。指令を受けた精巣で男性ホルモンが分泌されます。しかしストレスを強く感じると副腎皮質刺激ホルモン放出因子と言われる物質が分泌され、男性ホルモンが作られるのを阻害します。
男性ホルモンの量を調べたり、症状が出ているかを問診して診断します。
具体的には血液検査(テストステロンの値の検査)と問診をします。
テストステロンの値が基準値より少ない場合(8.5pg/mL未満)もしくは症状が強く出ていると診断されます。

男性更年期の症状

症状は大きく2つに分類されます。

精神的症状

  • 不安、憂鬱
  • 性欲の低下
  • いらいらする
  • 眠れない
  • 集中力、記憶力の低下

身体的症状

  • 疲労感
  • 頭痛、めまい
  • ほてり、発汗
  • 筋力低下
  • 頻尿
  • 性機能の低下(ED)

男性更年期のセルフチェック

  1. 勃起しにくくなった
  2. 性欲がなくなってきた
  3. 体力が低下してきた
  4. 元気がなぜかでない
  5. 食事後に眠気が抑えられない
  6. 仕事がうまくいかない
  7. 感情の起伏が激しい
  8. 毎日楽しみがあまりない

男性更年期の治療

男性ホルモンを注射で投与する治療方法になります。テスチノンデポー筋注と言われるものを注射します。
男性ホルモンの増強だけではなく、貧血を改善する効果があるのもあるのが特徴です。
効果として男性ホルモンを増加させることで更年期障害の症状の改善に加え、ED(勃起不全)の改善も期待できます。
3〜4週間に一度筋肉に注射します。個人差があるため一回あたりの注射量は異なり、早い方で半年ほどで治療を終了できる方もいます。

男性更年期の予防の基礎知識

一番の予防方法はテストステロンが減少しないようにすることです。適度に運動や食事をし、睡眠時間の見直しをするなど生活習慣を改めることが大切です。睡眠時間が5時間の人は8時間の人と比べて10%以上のテストステロンが減少したというデータがあります。
また、筋肉や海馬は運動することによりテストステロンを増加することが可能ということも判明しています。テストステロン補充療法や生活習慣改善することで身体や運動機能の改善が期待できます。

男性更年期についてよくあるご質問

Q:どのような人が発症しやすいですか?

家庭や仕事、環境の変化によるストレスやプレッシャーが発症の原因になります。
特に完璧主義と言われる方や責任感の強い方は注意が必要です。

Q:女性の更年期障害と同じですか?

女性の場合は閉経の前後10年程で更年期が起こります。多くの場合50〜60歳頃に来ます。男性の場合、何歳でも発症する可能性があり、性欲が明らかになくなっていくのが特徴です。

Q:どのような症状がありますか?

暑くないのに汗が出る、火照る、イライラする、疲労感が続く、眠りが浅い、体調がすぐれない、などの症状があると男性更年期の疑いがあります。