ミレーナ

ミレーナとは

ミレーナのしくみ

ミレーナは、子宮内避妊具（IUD）の一種であり、プロゲステロンの一種であるレボノルゲストレルを含むT字型のプラスチック製装置です。ミレーナは、子宮内に挿入されることで、子宮内膜にプロゲステロンを放出し、妊娠を防止する仕組みを持っています。

• プロゲステロンの放出
  ミレーナにはレボノルゲストレルというプロゲステロンが含まれており、このホルモンが徐々に子宮内膜に放出されます。プロゲステロンの放出は、子宮内膜の厚さを減少させ、子宮頸管粘液の性状を変化させ、受精卵の着床を防止します。
• 避妊効果
  プロゲステロンの放出により、子宮内膜の変化が起こり、受精卵が着床することを困難にします。また、ミレーナは子宮内で精子の動きを阻害し、子宮内膜に達する受精卵の能力を低下させることもあります。
• 長期間の効果
  ミレーナは、1回の挿入で5年間有効であり、定期的な避妊方法を必要としません。
  

ミレーナのしくみは、子宮内膜へのプロゲステロンの放出によって、避妊効果が生じる仕組みに基づいています。

ミレーナのメリット

1. 高い避妊効果
   ミレーナは非常に高い避妊効果を持っています。正しく挿入され、適切に使用される限り、99%以上の避妊効果が期待できます。
2. 長期間の有効性
   ミレーナは、1回の挿入で5年間有効です。長期間にわたって避妊の必要性を減らし、便利で経済的な避妊方法となります。
3. 月経量の減少
   ミレーナを使用すると、多くの女性が月経量の減少を経験します。これは月経期間が短くなることや生理痛の緩和にもつながります。
4. 月経痛の軽減
   ミレーナは、多くの女性にとって月経痛の緩和に効果があります。月経痛が軽減されることで、日常生活における不快感や制限が軽減されます。
5. 子宮内膜症の治療
   子宮内膜症に悩む女性にとって、ミレーナは症状の管理に役立つ場合があります。ミレーナの使用により、子宮内膜の成長が抑制され、症状が軽減されることがあります。
6. 避妊に関するホルモン副作用の回避
   ミレーナは、経口避妊薬などのホルモン避妊法と比較して、全身的なホルモン副作用のリスクが低いため、特にホルモン副作用を懸念する女性に適しています。

これらのメリットに加え、ミレーナは挿入後はピルのように毎日服用する必要がないため、忘れっぽい方にはおすすめです。

ミレーナのデメリット

1. 副作用
   ミレーナの使用には副作用がある可能性があります。主な副作用には、頭痛、吐き気、不規則な出血、乳房の痛みなどがあります。一部の女性は、ミレーナの使用によって不快な症状が引き起こされることがあります
2. 挿入時の痛み
   ミレーナを挿入する際には、軽度の不快感や痛みを感じることがあります。特に過去に子宮内避妊具を挿入した経験のない女性や、子宮が狭い場合は、挿入時の痛みが強くなることがあります。
3. 排出のリスク
   ミレーナが子宮内に適切に留まらない場合、排出のリスクがあります。特に、子宮が異常な形状をしていたり、過去に子宮内避妊具の排出経験がある場合は、排出のリスクが高まることがあります。
4. 月経変化
   ミレーナの使用により、月経量や月経周期に変化が生じることがあります。一部の女性は、月経不順や出血量の増加、または出血量の減少を経験することがあります。
5. 不適応症
   一部の女性は、ミレーナを使用することが適さない場合があります。子宮内膜症や子宮内腫瘍、子宮頸がん、重度の子宮内感染症など、特定の健康状態や医学的リスクがある場合は、ミレーナの使用を避けるべきです。

ミレーナの副作用

• 不規則な出血
  ミレーナを使用している女性の多くが、最初の数か月から1年間にわたって不規則な出血を経験します。これには経血量の増加や減少、無月経などが含まれます。
• 頭痛
  ミレーナ使用中に頭痛が起こることがあります。これは軽度のものから重度のものまでさまざまです。
• 乳房の不快感
  ミレーナ使用中に乳房の腫れや痛みが起こることがあります。
• 吐き気や腹痛
  ミレーナを使用している女性の一部には、吐き気や腹痛が報告されることがあります。
• 情緒の変化
  ミレーナ使用中に情緒の変化が起こることがあります。不安や抑うつなどの症状が報告されることがあります。
• 子宮内出血
  ミレーナを挿入した後に子宮内出血が起こることがあります。
  

これらの副作用は、すべてのユーザーで発生するわけではなく、副作用の重症度や持続期間は個人差があります。副作用が発生した場合は、医師に相談することが重要です。

ミレーナのよくある質問

ミレーナはデリケートゾーンの臭い対策になりますか？

ミレーナの使用によって、月経の臭いなどが改善するなど医学的な根拠はございませんが、月経量が少なくなるため、臭いにくくなる可能性はあります。

ミレーナを装着する際に痛みはありますか？

経腟分娩を一度でも経験している方の場合、ほとんど痛みはありませんが、経腟分娩を経験していない方は、痛みを感じる場合があります。 当院では、なるべく痛みを感じないように配慮してミレーナの挿入を行っております。

ミレーナは更年期障害の症状にも有効ですか？

更年期障害は、女性ホルモンの分泌の低下が主な原因として起こり、通常は、卵胞ホルモンであるエストロゲンを補充する「ホルモン補充療法」によって治療します。この際、黄体ホルモンを併用することで、副作用の軽減が期待できます。 ミレーナを使用している場合には、黄体ホルモンを併用できていることとなり、更年期障害の治療の負担軽減が可能であると考えられます。ただし、ミレーナの使用のみで改善するものではありません。

装着後、ミレーナがずれることはありますか？

ミレーナ挿入後1年間での外れてしまう確率は約1.5％です。 ミレーナには、抜去用の糸が付属しておりますが、これを触らないようにご注意ください。なお、この糸が性交時を含めて日常生活で邪魔になるということはまずありません。 定期検診では、ミレーナの装着の状態についてもきちんとチェックをします。

価格

ミレーナ挿入費用		45,000円(税込)
事前検査(超音波と淋病・クラミジア検査)		10,000円(税込)
挿入後定期検査		2,200円(税込)
抜去料	当院で挿入された方が入れ替えの場合	0円(別途診察料)
	当院で挿入された方が抜去のみの場合	0円(別途診察料)
	他院で挿入された方が抜去のみの場合	20,000円(税込)
	他院で挿入された方が入れ替えの場合	0円(別途診察料)