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毎月の生理痛がツラい… 生理痛は我慢しなくていいんです

【大阪/梅田】大阪駅前の内科クリニック|西梅田シティクリニックがお届けする健康情報。
是非、みなさまの健康管理にお役立てください。

女性の妊娠・出産といった大切な役割を果たすために必要なカラダのしくみである「月経(生理)」。
これに伴う痛みに毎月苦しんでいる方も多いのではないでしょうか?
生理痛を緩和して少しでも過ごしやすい日常生活を送ることができるよう、月経に関する正しい知識を身につけ、今後の生活にお役立てください。

生理とは

女性ホルモンには、卵巣内で卵胞(卵子を包む袋)を育て、排卵の準備を整えるエストロゲン(卵胞ホルモン)と、子宮内膜全体を受精卵が着床しやすいようにやわらかく整え妊娠の準備をするプロゲステロン(黄体ホルモン)の2つがあります。
これらのホルモンの作用によって厚くなった子宮内膜に受精卵が着床することで妊娠が成立します。

女性のカラダは月に1度、妊娠せず役目を終えた子宮内膜が剥がれ落ち、血液とともに体外へ排出されます。
これを生理(月経)といいます。
生理は一般的に4週間(28~30日)前後を1サイクルとし、生理が始まっておよそ14日目に「排卵」が起きます。

女性の心身は、ホルモンの影響により4つの周期に分けて状態が変化します。

 ①月経期(1週目)

体温を上げる作用のあるプロゲステロンの分泌が急激に減ることで身体が冷え、血行が悪くなります。
生理痛や貧血、胃の痛み、身体のだるさを感じ、憂鬱になりやすい時期です。

 ②卵胞期(2週目)

エストロゲンの分泌が盛んに行われ、心も身体も好調になります。
エストロゲンの影響で血行が良くなるだけでなく、肌や髪の毛の調子が良くなり、気持ちも落ち着いてポジティブに過ごせます。

 ③排卵期(3週目)

プロゲステロンが急激に分泌され始め、ホルモンバランスが急激に変化することで、気持ちの起伏が激しくなるデリケートな時期です。
冷えやむくみ、身体のだるさなどの体調不良を起こしやすくなります。
排卵時に出血を起こすこともありますが、少量であれば問題はありません。
下腹部痛が生じる場合もあります。

 ④黄体期(4週目)

プロゲステロンの影響が強く現れ、体温が上昇して体内に水分を溜め込むため浮腫みやすく、急に体重が増えたりすることもあります。
この時期はイライラや憂鬱感、不眠、過食などに悩まされ、心身共に最も不安定になりやすいため、できるだけゆっくり過ごし、身体を温めると良いでしょう。

生理痛の原因

生理痛はなぜ生じるのか、みなさんはご存じでしょうか?

子宮内膜が剝がれ落ちる際、「プロスタグランジン」という痛みの元となる物質が分泌されます。
これが子宮収縮を促し、不要になった子宮内膜を血液と共に体外へ排出する働きをします。
プロスタグランジンが過剰に分泌されると子宮の収縮が強くなり、子宮周辺の充血やうっ血に伴って下腹部痛や腹痛などの生理痛が生じます。

プロスタグランジンの分泌量は体質によって異なり、分泌量が多いと生理痛が強い傾向があります。

また、子宮が未熟な10代頃は子宮の出口が狭く、剥がれ落ちた内膜がうまく体外へ排出されないため下腹部痛が生じやすいとされます。

冷房などで身体が冷えたり、立ちっぱなし・座りっぱなしの状態が長時間続くなど、血流が悪くなったり身体に負担がかかると生理痛の痛みも増してしまいます。
また、生活環境の変化など精神的なストレスが痛みを助長してしまうこともあります。

もしかしたら月経困難症かも?

「月経困難症」という言葉を一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
学校や会社に行けないなど、日常生活に支障が出る程痛みが強く、腰痛・頭痛・吐き気・下痢・めまいなど全身症状を伴う場合を「月経困難症」と言います。

月経困難症には以下の2種類があります。

  • 機能性月経困難症
    特に病的な異常がない場合
    出産経験がなく、子宮頚管が非常に細かったり、体質的にプロスタグランジンの分泌が多いために痛みを感じやすい人や若い人の生理痛はほとんどがこの機能性月経困難症とされます。
     
  • 器質性月経困難症
    何らかの疾患が原因となっている場合
    出産経験のある女性で、以前より月経痛や出血量が増したり、月経前から痛みがある場合は子宮筋腫や子宮内膜症などが原因と考えられます。
    そういった病気が原因で痛みを感じる場合はこの「器質性月経困難症」とされます。

生理痛を和らげる方法

生理痛を和らげるには以下の点を意識してみてください。

  • 身体を冷やさないようにする
    冷たい飲み物や身体を冷やす食べ物(添加物、小麦製品、白砂糖など)を控え、カイロや腹巻きなどでお腹や骨盤周りを温めて血流を良くしましょう。
     
  • 十分な栄養・睡眠をとる
    生理中は大量の出血により貧血になりやすいため、鉄分やタンパク質の多い食品を意識的に摂るようにしましょう。
    また、身体や心の不調で疲れやすくなっているため十分な睡眠をとり、身体を休ませてあげましょう。
     
  • 鎮痛薬を飲む
    痛みが出る前・出始めたタイミングで鎮痛薬を服用しましょう。
    市販のものでも用法用量を守れば痛みを和らげることができます。

生理中のお酒やタバコは体調不良や生理痛の助長にも繋がってしまうため控えましょう。
身体を締め付けるような服装も避け、身体の負担も軽減させることで生理痛が和らぎます。

市販の薬では痛みをコントロールできない!という方は一度産婦人科の受診をおすすめします。
子宮周辺に病気が隠れていないかを確認し、適切な治療方法を提案してもらえます。

ピルの効果は避妊だけじゃない!

エストロゲンとプロゲステロンを低用量配合した薬である低用量ピルには、子宮内膜の増殖を抑える働きがあり、子宮内膜が剥がれ落ちるときに生じる生理痛や出血量を軽減することができます。
出血量の軽減により、貧血症状の緩和も期待できるでしょう。
また、排卵を抑制してホルモンバランスをコントロールする効果があるため、生理不順の改善やPMS(月経前症候群)の症状の緩和も可能です。

月経移動や避妊を目的としたピルは保険適用外ですが、月経困難症や子宮内膜症の治療を目的としたピル処方(医師が「病気治療の一環として低用量ピルの服用が必要」と判断した場合のみ)は保険適用となります。

「生理痛は我慢するもの」

そんなことはありません。
痛みがひどい場合は鎮痛薬に頼ったり、専門医に相談して自分に合った対処法を探してみましょう。