ヘルペス感染症
ヘルペス感染症はこんな病気
ヘルペス感染症とは単純ヘルペスウイルス(HSV)に感染することで、粘膜や皮膚に小さな水ぶくれのようなものができることです。
単純疱疹とも言われます。
主に口の周りや口の中、性器にできやすいです。
ヘルペスは感染性があるため、発症した場合は注意が必要です。
ヘルペスウイルスは大きく分けて、単純ヘルペスウイルスⅠ型、単純ヘルペスウイルスⅡ型、水痘・帯状疱疹ウイルスの3つに分類できます。
単純ヘルペスウイルスⅠ型(HSV-1)は主に唇の周りや角膜など、上半身、特に顔に水ぶくれができ、30歳までにおよそ50%の方が感染すると言われています。
痛みはあまりありませんが、再発しやすくなっています。
単純ヘルペスウイルスⅡ型(HSV-2)は主に性器や臀部など、下半身に水ぶくれができます。
2〜10%の方が生涯に一度は感染すると言われています。
Ⅱ型は特に再発しやすく、一度発症すると1年に何度も症状が現れます。
単純ヘルペスウイルスに感染すると、次の症状が出ます。
- 粘膜や皮膚に小さな水ぶくれができる
- ただれる
- 痛みがある
- かゆい
水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)は帯状疱疹が原因で発症します。
特に50歳を過ぎると発症しやすくなるため、任意で発症予防のためのワクチン接種が受けられます。
水痘・帯状疱疹ウイルスに感染すると、次の症状が出ます。
- チクチク、ピリピリといった違和感を感じる
- 違和感を感じた部分の皮膚が赤く腫れている
- 水ぶくれがある
通常であれば2週間ほどで自然治癒しますが、見た目もあまり良くないことが多いので、発症した場合は抗ウイルス薬を服用する、痛みがある場合は痛み止めを服用する、掻きむしったり、水ぶくれ部分から細菌の感染症などある場合は抗生剤を服用する、触らないように注意するなどあります。
ヘルペス感染症の原因
単純ヘルペスウイルスはありふれたウイルスで、成人の半分以上が小さい頃すでに感染しているとされています。
小さな傷などから侵入し、神経を通って神経節につきます。
性行為をする際にコンドームをしなかったり、オーラルセックスから感染することも少なくありません。そしてそこに潜伏します。
健康な時は免疫力で抑えられており症状はありませんが、風邪をひいたり、疲労が溜まっている場合、ストレスを強く感じている場合など、免疫力が落ちた際にウイルスが活発になり、症状が現れます。
単純ヘルペスウイルスは一度感染すると一生体内の神経に潜伏します。
特に単純ヘルペスウイルスⅡ型(HSV-2)は再発率が高いといわれており、注意が必要です。
ヘルペス症状がでている場合は、患部を触ったりせず、手洗いを徹底しましょう。
早期発見のポイント
- 口や唇の周囲がチクチク、ピリピリした感覚がある
- 水ぶくれができている
- 疲れやストレスを感じたり、体調がよくない
- 初めて出た症状ではなく、何度か同じ症状が出たことがある
以上に当てはまる場合は、ヘルペスウイルスに感染している可能性が高いです。
周りにうつしてしまうリスクがあるため、早めに検査・治療しましょう。
予防の基礎知識
単純ヘルペスウイルスは感染力の高いウイルスのため、注意が必要です。
感染経路は接触感染と、物を介しての感染です。
接触感染とは、傷や湿疹、粘膜から直接単純ヘルペスウイルスに感染することです。
咳やくしゃみからも感染します。
普段から手洗いをする習慣をつけること、性行為時はコンドームを正しく使用することで様々な細菌やウイルスの予防になります。
また物を介しての感染例として食器を使いまわしたり、タオルを何回もいろんな人が共有して使うことで起こります。
食器やタオルは使う度に洗う、もしくは自分専用のタオルを使うなど注意しましょう。
通常皮膚からの感染はしませんが、粘膜に触れたり傷がある場合にウイルスが侵入してしまいます。
免疫力が低下している方やアトピーなどの皮膚炎がある方、ストレスをためやすい方も感染予防をしっかりしましょう。