不眠症
不眠症はこんな病気
不眠症は、夜間に眠り続けられず、日常生活に支障が出る症状のことです。
不眠症の種類は主に4つあります。
- 入眠困難(ベッドに入ってもなかなか眠れない)
- 中途覚醒(眠りについても、夜中に何度も目が覚める)
- 早期覚醒(起床予定の時間から2時間以上早く起きてしまう)
- 熟眠障害(睡眠時間のわりに熟眠感が得られない)
症状が軽微であれば、数日から数週間で完治します。
一方で慢性不眠症の方の場合、不眠が3ヶ月以上継続することもあります。
不眠症の要因としては、次の7つがあります。
- 精神疾患
代表的な疾患はうつ病。意欲や気分が落ち込み、不眠が生じる場合がある
- 身体疾患
糖尿病やアレルギーなどのかゆみ、胸痛や咳など、さまざまな疾患が原因で不眠が生じる場合がある。
- ストレス
ストレスが生じると交感神経が高まり、不眠が生じる場合がある。
- 生活習慣の乱れ
起床時間や就寝時間が乱れると、体内リズムが乱れ、不眠が生じる場合がある。
- 薬の副作用
抗がん剤や降圧剤などの薬の服用により、不眠が生じる場合がある。
- カフェインやニコチン
カフェインやニコチンには覚醒作用が含まれるため、不眠が生じる場合がある。
- 環境
光や音、寝室の温度や湿度が原因で不眠が生じる場合がある。
不眠症の治療法には、主に3つの方法があります。
1つ目は、朝に太陽の光を浴びることです。
太陽の光を浴びることで、睡眠の質を上げるためのメラトニンが分泌されます。
メラトニンは眠気を誘う効果があるため、寝つきが良くなる効果が期待できるでしょう。
2つ目は、適度な運動を行うことです。
運動を行うことで、肉体的疲労が生まれます。この疲労に眠気を誘う効果があるのです。
週3日〜4日を目標として、1回につき30分〜60分程度の運動を習慣付けると良いでしょう。
ジョギングやウォーキングなどの有酸素運動がおすすめです。
3つ目は、就寝時間・起床時間を一定にすることです。
平日や休日にかかわらず同じ時間に就寝し、同じ時間に起床することで、体内時計が整いやすくなります。
体内時計が整うことで、習慣付けた就寝時間に眠りやすくなるのです。
早期発見のポイント
不眠症にいち早く気づくためには、不眠症の症状を把握しておくことが重要です。
以下の条件に当てはまる場合は、不眠症の可能性があります。
- 寝つくまで非常に時間がかかる(2時間以上)
- 睡眠途中に目が覚めることが頻繁にある
- 予定起床時間より早く起床してしまい、それ以降は眠れなかった
- 起床後、すっきりしない
- 日中ひどい眠気に襲われる
- 日中の気分が優れない
症状が悪化し、長期化している場合は、その他の疾患が生じている可能性があります。
すみやかに医療機関を受診してください。
予防の基礎知識
不眠症の症状を悪化させないための基礎知識として、次の対策を知っておくといいでしょう。不眠症を予防したい人はぜひ実践してみてください。
ストレスをためない
ストレスを感じると、交感神経が優位になり、寝つきが悪くなります。
普段の生活からストレスをためないよう、自分の趣味の時間を確保したり、休息の時間をしっかりとるようにしましょう。
睡眠の質を上げる
睡眠の質を上げる方法として有効なのが、入浴です。
入浴時のコツは、寝る90分前に40℃前後のお湯に15分前後浸かることです。
入浴することで深部体温が上がり、90分程度経つと体温が下がります。
これが睡眠のベストタイミングです。このタイミングで寝ることで睡眠の質が上がります。
快適な寝室環境を作ることも、睡眠の質を上げるために効果的です。
自身の身体にフィットする枕やベッドを選びましょう。
また寝室の温度は20度前後、湿度は40%〜60%が適切とされています。
エアコンや加湿器を上手く活用し、快適な環境を整えましょう。
副交感神経を優位にする
アロマを焚いたりヒーリング音楽を聴くことで副交感神経が優位になり、リラックス効果が期待され、寝つきが良くなります。
ヒーリング音楽を聴く際は、睡眠の邪魔にならない程度の音量で、寝る30分前から聞き始めると良いでしょう。
睡眠の妨げになる要因を避ける
睡眠の妨げになる要因は2つあります。
1つ目は、スマホやテレビなどの電子機器です。
これらは睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌を阻害するブルーライトを発するため、寝る前にこれらを観ると睡眠の質が低下してしまうのです。
どうしても観たい場合は、ブルーライトカットのフィルムを画面に貼ったり、ブルーライトカットができるメガネを着用しましょう。
2つ目は、過度な昼寝です。
昼寝をしすぎると体内時計が狂い、夜眠れなくなります。
眠気がこないまま無理に寝た場合、眠りが浅くなり、睡眠の質が下がってしまいます。
昼寝をする場合は、30分以内に留めておきましょう。
また昼寝をする際におすすめの方法があります。それはコーヒーナップです。
コーヒーナップとは、コーヒーとナップ(仮眠)を掛け合わせた造語になります。
昼寝をする直前に、コーヒーを飲んだ状態で仮眠することで、起床後のストレス軽減が期待できます。
コーヒーナップにより午後の眠気が抑えられると、睡眠サイクルが整い、就寝時における睡眠の質が上がりやすくなるでしょう。