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今、はしかが増えている!?ワクチン接種で予防できていますか?

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麻疹のワクチン接種を経験したことがあるでしょうか。
麻疹は感染力が高く、どんな方にも感染のリスクが生じます。
そのため、もしワクチンを未接種の場合は、医療機関でワクチン接種を受けなければなりません。

本記事では、麻疹の症状や合併症について解説します。
麻疹は重症化すると、命にかかわる重篤な病態に発展する場合があります。
ワクチン未接種の方は速やかに医療機関を受診しましょう。

麻疹(はしか)とは

麻疹とは、急性熱性発疹性の感染症のことで、感染力が強い疾患です。
麻疹は人から人へ感染するウイルスであり、飛沫感染・空気感染・接触感染など、多くの感染経路を通って広がっていきます。
肺炎や脳炎などの合併症が起こると、最悪の場合、死に至るケースもあるでしょう。

麻疹は1980年頃まで世界中で流行していたものの、ワクチンの普及によって年間死亡者数は年々減少しています。
一方で、現在においても海外からの持ち込みによる症例が確認されているため、今後も感染予防に努める必要があります。

麻疹(はしか)の症状

麻疹の症状や合併症は、おもに以下3つの病期によって異なります。
麻疹にかかると、リンパ機能などの免疫力が一時的に低下するため、他の感染症にかかるリスクが高まります。

カタル期

カタル期では、38度前後の発熱が1〜2日続き、鼻水・くしゃみ・倦怠感・咳などの症状が現れます。
乳幼児の場合は、下痢や腹痛などの症状が出る場合もあるでしょう。

また、口腔内に小さな白色の斑点が起こるケースもあります。

発疹期

発疹期では、39度以上の高熱が出るようになり、体中に発疹が現れるようになります。
発疹は首や額、耳の後ろなどから起こり始め、翌日以降は顔や体幹部、腕や足にまで広がります。

回復期

回復期では、発疹が3〜4日続きますが、徐々に回復していきます。
合併症が現れていなければ、7〜10日後には回復するでしょう。

麻疹(はしか)の合併症

麻疹のおもな合併症は脳炎です。
1000人に1人が引き起こすとされており、感染してから数年後にSSPEと呼ばれる脳炎が生じる場合があります。

また、痙攣・難聴・知的障害・中耳炎・肺炎なども起こる場合があるでしょう。
眼球の表面である角膜にダメージが蓄積されると、失明するリスクもあります。
とくに小児の場合は肺炎や中耳炎、難聴や失明のリスクがあります。

近年、麻疹(はしか)が流行中!世代で異なる接種歴

麻疹は感染力が強く、飛沫感染や空気感染などですぐに感染が広がっていくことがあります。

一方で、ワクチンが開発されてからは感染件数が減少していたものの、ワクチン接種自体は、世代によって接種歴が異なることがわかっています。

傾向として、51歳以上の方の場合、ワクチンが未接種になっている方が多いでしょう。
また、若い頃に麻疹に感染し、抗体を持っている方も少ないとされています。

とくに注意しなければならないのが、23〜51歳の方達です。
この年代の方達は、ワクチン接種歴が1回のみになっている場合が多いとされています。

現在は定期接種として2回のワクチン接種が受けられるような仕組みがあるため、未だに1回しか受けていない方は2回目のワクチン接種を受けましょう。

ワクチンを受ける際は、予防接種を実施している医療機関で受けられます。
各地域の自治体のホームページにて、ワクチン接種可能な医療機関の情報が掲載されているため、気になる方は確認してください。

費用の目安としては、1万円前後で接種できます。

自分がワクチン接種したのかわからない場合は抗体検査を受けよう

万が一、自分がワクチン接種したか不明な場合は、抗体検査を受けましょう。

抗体検査とは、過去に麻疹ウイルスに感染したかどうかを調べる検査です。
抗体の有無がわかるため、過去のワクチン接種歴を確認する際にも活用できます。

麻疹ウイルスの抗体を持っている場合、IgG(アイジージー)抗体が作られます。

抗体検査ではこのIgG抗体を調べることで、免疫力があるかどうかを確認することが可能です。

自身の免疫の有無を確認するために、気になる方は検査を受けましょう。

麻疹(はしか)かかったらどうする?治療方法は?

麻疹に特別な治療方法はありません。
麻疹はウイルスによって引き起こされる感染症であり、抗生物質が効かないからです。

そのため、ほとんどの場合は解熱剤や水分補給をおこない、麻疹による症状を和らげながら回復を待ちます。

回復期間中は周りの家族・友人・知人に感染しないようマスクをし、学校や職場に行かないようにして対策しましょう。

麻疹は人によって現れる症状が異なります。
場合によっては重症化し、命にかかわる状態になる場合もあります。

自分だけでなく、大事な周りの人を守るためにも、健康管理を徹底することが大切です。
また、ワクチン接種を受けていない場合は、速やかに医療機関を受診しましょう。