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忘年会や新年会!飲み過ぎによる身体への影響

【大阪/梅田】大阪駅前の内科クリニック|西梅田シティクリニックがお届けする健康情報。
是非、みなさまの健康管理にお役立てください。

年末年始から春にかけて、忘年会や新年会、歓送迎会などお酒を飲む機会が増えるシーズン。
いつもより沢山飲んでしまったり、普段お酒を飲まない人も付き合いで飲まないといけなかったりすることが多いのではないでしょうか。
しかし、飲み過ぎは身体にさまざまな悪影響を及ぼしてしまいます。
お酒の席を楽しく過ごすためにも、大量飲酒が及ぼす健康被害について知っておきましょう。

大量飲酒が及ぼす健康被害

お酒を飲むと「酔った状態」になりますが、これはどのような状態かご存じですか?

肝臓で分解しきれなかったアルコールは心臓を経由して脳や全身へと運ばれます。
血液に溶け込んで脳に運ばれたアルコールが神経細胞に作用し、脳が麻痺している状態を「酔う」と言います。
神経全体を抑制している大脳が麻痺することで神経の抑制が取れ、陽気になったり興奮状態になったりします。
アルコールの摂取量が増えると脳の麻痺する範囲が広がってしまい、最悪の場合死に至る可能性があるため注意が必要です。

過度な飲酒は脳だけでなく肝臓や心臓などさまざまな臓器に影響を与えます。
最も大きな負担がかかるのは肝臓です。
アルコールが肝臓に入ると、脂肪酸を作る酵素の働きが高まる一方で、脂肪酸の燃焼を促す酵素の働きが抑制されてしまいます。
そのため、肝臓内の中性脂肪が増加し蓄積されてしまうことで脂肪肝や肝硬変などのリスクに繋がります。
また、心臓の働きを悪化させ、心臓病や高血圧のリスクを引き上げる可能性があったり、血液中の脂質濃度が上昇することで動脈硬化の進行を促すこともあります。
他にも膵臓の障害(糖尿病、膵炎など)や消化管、循環器系など全身の臓器に悪影響を及ぼしてしまいます。

アルコール分解のしくみ

体内に入ったアルコールは血液を通って肝臓に集められ、酵素によって分解・排出されます。
肝臓に送られたアルコールは、まずADH(アルコール脱水素酵素)によってアセトアルデヒドという中間代謝物質に分解されます。
アセトアルデヒドとは、毒性作用のある有害な物質で、お酒を飲んだ時に顔が赤くなったり、動悸や吐き気、頭痛が起こるのはこの物質が原因なのです。
これは更にALDH(アセトアルデヒド脱水素酵素)という酵素によって分解され、酢酸となり、最終的には水と炭酸ガスまで分解されます。

ALDHには下記の2種類があります。

  • ALDH1
    血中アセトアルデヒド濃度が高くなってから作用し、ゆっくり分解する少し弱い酵素
  • ALDH2
    血中アセトアルデヒド濃度が低いときから作用する強い酵素

1度に分解しきれなかったアルコールは心臓を経由して体内を巡り、再び肝臓へと運ばれ分解される、というサイクルが繰り返し行われます。
飲酒量が多いと、この回数が増え、臓器に負担を与えてしまいます。

人によって異なるお酒の耐性

お酒が強くなった、弱くなった、と言いますが、お酒の耐性は基本、体質によって異なります。

この体質は、アセトアルデヒドを分解するALDH2の活性が強いか弱いかで変わります。
ALDH2の活性が強いとアルコールの分解が速やかに行われるためお酒がたくさん飲める、「お酒に強い」体質となります。

一方、ALDH2の活性が弱い、または欠けている場合、アセトアルデヒドが溜まりやすく、お酒が飲めない「お酒に弱い」体質となります。

ALDH2の働きが弱いと、体内のアセトアルデヒドが高濃度になってはじめてALDH1が働きだすため、分解が始まるまでに時間がかかり、頭痛や吐き気、動悸を起こしやすくなります。

「飲んでいるうちに強くなった」という人はALDH2の働きが良い体質であっただけで、ALDH2の働きが弱い体質の人は訓練したからといって飲めるようになる訳ではありません。
無理に飲んでしまうと急性アルコール中毒にもなりかねないため、無理せず断ることも大切です。

また、アルコール依存症に発展する人の多くはALDH2の働きが良い体質の人と言われています。
これはお酒が強い分飲み過ぎてしまったり、耐性がついて酔えなくなることでアルコールの摂取量が増えてしまうことが原因とされています。

身体にやさしいお酒の飲み方

健康を維持しながらお酒を楽しむには、身体に負担をかけない適切な飲み方を知り、実践することが大切です。

空腹時に飲酒しない

空腹時の飲酒は胃腸を強く刺激し、粘膜を荒らしてしまいます。
また、胃の中に何もないことでアルコールが吸収されやすくなり、血中アルコール濃度が急激に上昇してしまいます。
意識障害や血圧低下のリスクも高まるため注意が必要です。

飲酒は食事と一緒に

食事をしながらお酒を飲むことで、胃粘膜の過度な刺激を軽減するほか、アルコールの吸収を緩やかにすることができます。
アセトアルデヒドの分解を促し、肝臓のはたらきを助けるタンパク質やビタミンが豊富な食べものと一緒に飲むのがおすすめです。
特におすすめの食べものは以下の通りです。

  • 焼き鳥
  • 刺身
  • 豆腐
  • 枝豆
  • サラダ

他にもタコやイカ、貝類など魚介系の食材にはアルコールを分解して体外への排出を促すタウリンが多く含まれているため非常におすすめです。
また、飲酒前には胃腸の粘膜を守る効果のあるチーズや牛乳などの乳製品を摂取するのも良いでしょう。

薬と一緒に飲まない

薬と一緒にお酒を飲んでしまうと、アルコールの分解が優先されてしまい、薬の分解が滞り、長時間体内に残ってしまいます。
すると薬の効果が強くなってしまったり、意識障害や血圧低下など危険な状態を引き起こす恐れがあるため、お酒と薬は一緒に飲んではいけません。

お水も一緒に

アルコールには非常に強い利尿作用があり、お酒を飲むと脱水症状になりやすくなります。
アルコールの分解にも水分が必要となってくるため、お酒を飲む際には合間合間にお水を飲むことを心掛けましょう。

無理強いや一気飲みをしない

一気飲みをすると血中アルコール濃度が急激に上昇し、中枢神経や呼吸神経が麻痺してしまいます。
最悪の場合死に至る可能性もあるため少しずつゆっくりと飲むようにしましょう。
また、お酒が苦手な人に無理強いをしてしまうと急性アルコール中毒になる恐れがあります。
お酒の強要は非常に危険な行為です。

お酒を楽しく飲むために

適量であれば気分転換やリラックス効果のあるアルコール。
飲み方を間違えると様々な健康被害を及ぼしてしまいます。
お酒を楽しく飲むためには、アルコールに関する正しい知識を持ち、自身の体質や体調を理解することが大切です。
厚生労働省が推奨する飲酒量は純アルコール量で1日当たり20gとされています。
週2日以上の休肝日を設け、節度ある飲酒を心掛けましょう。

少しでも「体調悪いかも?」と思ったら医療機関の受診を。

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