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マンモグラフィってなに?

【大阪/梅田】大阪駅前の内科クリニック|西梅田シティクリニックがお届けする健康情報。
是非、みなさまの健康管理にお役立てください。


乳がんの有無を調べるために行う代表的な検査の『マンモグラフィ』。
これはどのような検査なのでしょうか?

乳がんについて

乳がんの有無を調べる…といいますが、そもそも乳がんとはどのような病気なのでしょうか?

乳がんとは、乳腺の組織にできるがんのことを言います。

乳腺は、母乳をつくる「小葉」と、母乳の通り道である「乳管」から構成されています。

乳がんには非浸潤がんと浸潤がんがあります。

  • 非浸潤がん
    がん細胞が乳管内・小葉内にとどまっているもの。
    他の部位に転移したり再発することはほとんどない早期のがんで、手術によりがんを取り除くことで完治するとされます。
  • 浸潤がん
    がん細胞が乳管・小葉を超えて外まで広がっているもの。
    これにより、がん細胞が血管やリンパ管に侵入してしまうため、転移する恐れがある。
    手術療法に加えて薬物療法も行うことが多い。

非浸潤がんのがん細胞が増殖して、乳管・小葉の壁を破ると浸潤がんになってしまいます。
がん細胞は、正常な細胞の遺伝子が何らかの原因によって傷ついたり変異することによって発生します。
喫煙や加齢、女性ホルモン、生活習慣などが原因だと考えられており、限りなく増え続けて体のあちこちへと転移し、まわりの臓器に悪影響を与えてしまうのです。

マンモグラフィとは?

マンモグラフィは、乳房専用のレントゲン検査で、乳房X線検査とも言います。
乳房全体をプラスチック製の板で挟んで圧迫し、薄く伸ばした状態で上下から1枚ずつ、左右から1枚ずつの計4枚を撮影します。
このレントゲンからは、腫瘍の有無、大きさや形、石灰化の有無を調べます。
乳房を圧迫することで乳房全体が均等に広がり、ムラがなく見えやすい画像になるだけでなく、腫瘤と正常な乳腺の重なりが少なくなり、がんを見つけやすくなります。

また、触診では分からない小さな腫瘤や、悪性の可能性が高い微細な石灰化を描出するため、乳がんの早期発見に非常に役立ちます。

マンモグラフィでよく見られる所見

マンモグラフィでは、石灰化、腫瘤、局所的非対称性陰影などを発見することができます。
石灰化や腫瘤は良性疾患もあるため、これらが見られること自体は珍しいことではありません。
しかし、乳がんが原因で発生する場合もあるため、良性か悪性かの判断を早期にすることが非常に重要となります。

石灰化

乳腺の中にカルシウムが沈着した状態で、点状・線状の影が見られます。
悪性疾患(乳がん)だけでなく、良性疾患の場合でも見られ、分布範囲や影の形状から良性か悪性かを判断します。
がん細胞が過剰に増殖し、乳管・小葉の内側に密集してくると、中心部分のがん細胞に栄養が届けられず壊死してしまいます。
壊死したがん細胞の死骸にカルシウムが沈着すること、乳管からの分泌物が結晶化し、そこにカルシウムが沈着することを石灰化と言います。

マンモグラフィで発見されたがん細胞のうち、およそ2割が乳がんによるものとされます。

腫瘤

正常組織とは異なる何らかの塊、所謂「しこり」と言われるものです。
白い塊状の影が見られ、形、濃度、境界線の状況等から良性か悪性かを判断します。
よく見られる良性の腫瘤に、嚢胞、乳腺線維腺腫があります。
嚢胞は、乳管が袋状に膨らみ、液体が溜まった状態です。
乳腺線維腺腫は、乳腺とそのまわりにある線維部分が増殖することでしこりになると考えられており、がん化することはほとんどないとされます。

局所的非対称陰影

マンモグラフィでは、左右対称を基本として、描出された画像に左右差がないかを見ます。
乳房の陰影が左右で同じ形をしていなかったり、非対称の濃度の高い部分があると局所的非対称陰影と判定されます。
単に乳腺の濃度が違うだけのことが多いですが、稀にがんが潜んでいることもあります。
これと判定された場合には精密検査をした方が良いでしょう。

痛みはある?

よく「マンモグラフィは痛い」と聞くことはありませんか?
実際、痛いと感じる人にとっては涙が出るほど痛いと言われます。
しかし、全員が痛みを感じる訳ではなく、痛くない人もいるのです。
それでは、痛みを感じるのはどのような人なのでしょうか?

マンモグラフィは板で乳房を挟み、圧迫して撮影を行います。乳腺が圧迫されるときに痛みを感じるのです。
実は乳腺の量が多かったり、乳腺症であったりすると痛みを強く感じてしまいます。
20~30代は乳腺の量が多いため、痛みを感じやすい人も多いのではないでしょうか。

リラックスしたり、生理前・生理中の検査を避けることで多少の痛みを軽減することができるとされますが、痛みをなくす方法はありません。
どうしても痛みに耐えられない場合は検査技師に伝えましょう。
また、乳がん検診はマンモグラフィだけではなく、乳腺エコーでも可能なため、検査方法の変更を検討するのも良いかもしれません。

マンモグラフィのメリット・デメリット

メリット

  • 単独・もしくは視触診との併用で死亡率減少効果を示すことが証明されている
  • マンモグラフィの「がん」を「がん」だと判定できる制度は80%前後にも上る
  • 視触診だけでは発見することのできない小さなしこりや、石灰化のある小さな乳がんの発見が可能
  • 良性疾患の発見も可能
  • 石灰化や乳腺の全体像をとらえやすくなる
  • 毎年受けることで乳がん死亡率が低下

デメリット

  • X線による放射線の被ばく(健康に重大な影響を及ぼすことはありません)
  • 痛みを伴うことがある
  • 乳腺濃度が高かったり、年齢によっては異変が見つけにくい(詳細な診断ができない)ことがある
  • 妊娠中やその疑いがある場合は検査不可

定期的な検査を!


現在、日本では9人に1人が乳がんに罹患するとされ、罹患率は年々増加しています。
乳がんは、早期発見・早期治療によって完治が可能ですが、早期がんである非浸潤がんの段階でがんを取り除くことが理想とされます。
非浸潤がんは触診で気付くことは難しいとされますが、マンモグラフィをすることで見つけることができます。
厚生労働省が乳がん検診の検査方法として問診とマンモグラフィの採用を定めるように、マンモグラフィは乳がんの発見に優れているのです。

乳がん検診は、少なくても2年に1回、できれば1年に1回の受診をおすすめします。
特に40歳以降になると罹患リスクも高まるため、40歳を超えた方は特に定期的な検診をしましょう。

西梅田シティクリニックでは、マンモグラフィや乳腺エコー検査が可能です。
また、月に一度ワンコイン乳がん検診が受けられる日もあるので、是非ホームページをご覧ください。

◆婦人科 : https://nishiumeda.city-clinic.jp/gynecology/

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