腸内環境を良くする食べ物って?
【大阪/梅田】大阪駅前の内科クリニック|西梅田シティクリニックがお届けする健康情報。
是非、みなさまの健康管理にお役立てください。

近年は「腸活」という言葉が生まれるほど腸内環境について注目されていますよね。
腸は実にデリケートな臓器で、食べ物はもちろん、緊張やストレスなど精神的な要因によっても影響を受けます。
また、コロナ禍では特に、腸内環境を良くすることが免疫力アップに繋がるということが世の中に広まり、「腸内環境を整える」食品や飲料なども数多く発売されています。
日々の食生活で腸内環境を整えるには何を食べたら良いのでしょうか?
「腸」とは?
口から食べた食材は、口腔内から食道を通り、胃で消化され、十二指腸を経由して小腸へと運ばれます。
小腸は胃や十二指腸で消化された食べ物を更に細かく分解し、栄養素を吸収する働きがあります。次の大腸では水分やミネラルを吸収し、便を作る役割を担っています。
小腸は「空腸」と「回腸」からなり、長さは6mを超える身体の中で最も長い臓器と言われています。
大腸は「上行結腸」「横行結腸」「S状結腸」「直腸」という部分に分かれ、長さは1.5~2m程の臓器です。
便秘や下痢の原因 - 《生活習慣》
誰しも一度は便秘や下痢を経験したことがあるのではないでしょうか。
生活習慣に関する原因に以下のようなことが考えられます。
- 水分不足・過剰摂取
飲水量が少ないことはもちろん、カフェインやアルコールを摂りすぎると利尿作用で体内の必要な水分まで排出されて水分不足となり便秘になる場合があります。
逆に、水分を摂りすぎてしまうと水分吸収が上手くいかず下痢になる恐れがあります。 - 運動不足
運動は腸の蠕動運動を促進します。
日常的に運動することが難しい場合は、腸を動かすストレッチを取り入れると良いでしょう。 - 極端なダイエット
ダイエットによって食事量が減ると便の量が少なくなってしまいます。
また、油脂類の摂取を極端に制限すると腸内での便の滑りが悪くなり便秘になってしまうことがあります。 - ストレス
緊張や疲労、イライラなどのストレスは、便秘と下痢どちらの原因にもなり得ます。
お風呂にゆっくり浸かったり、ハーブティーを飲んだり、自分に合ったリラックス方法を探してみましょう。 - 食中毒・疾病
発熱・嘔吐を伴ったり、症状が長く続いたり、便秘と下痢が交互に起こる場合は内科や消化器科を受診しましょう。
便秘や下痢の原因 - 《食の欧米化》

近年は細菌の種類をより詳細に解明する技術により、ヒト(成人)の腸内には約500~1,000種類、100兆個の細菌(総重量約1kg分)が存在することが分かりました。
その構成割合は主に食事(栄養)の影響を受け、生涯を通して変化し続けるものと言われています。
健康食品のイメージも強い植物性食品である「大豆」に含まれる「ダイゼイン」という、女性ホルモン様作用や抗酸化力が強い成分は、細菌叢(腸内フローラ)で代謝されることで効果を発揮しますが、欧米の食生活スタイルではダイゼインを代謝する細菌類が少ないという研究結果があります。
小麦粉製品やお肉など油脂の多い欧米系の食生活をしていると、健康に良いとされる食材を気まぐれに摂ってもその恩恵に与れないため、普段の食生活から腸活を意識していく必要があります。
腸活におすすめの食べ物
腸活におすすめの食べ物の中から2種類をご紹介します。
1_食物繊維
食物繊維は腸内の有害物質や悪玉菌を減らしたり、善玉菌のエサになって善玉菌を増やす働きがあります。
食物繊維には水に溶ける「水溶性」と水に溶けない「不溶性」があり、食材には水溶性食物繊維を含むもの、不溶性食物繊維を含むもの、両方を含むものがあります。
- 水溶性食物繊維
便を柔らかくしたり滑りをよくする
善玉菌のエサになって増殖を促し、腸内環境を整える
胃腸をゆっくり移動するため、糖質の吸収スピードを緩やかにして血糖値の急上昇を抑える - 不溶性食物繊維
便の嵩を増やしたり、腸の蠕動運動を促す
有害物質を吸着させて排出するため腸をキレイにし、大腸がんのリスクを低減させる
水溶性食物繊維が多い | 両方を含む | 不溶性食物繊維が多い |
---|---|---|
わかめ、ひじき、らっきょう、大麦 | ごぼう、にんじん、 じゃがいも、プルーン、 キウイ、アボカド、 なめこ、納豆 | キャベツ、レタス、 ほうれん草、たけのこ、 エリンギ、大豆 |
2_発酵食品
発酵食品はなんとなく身体に良いというイメージがありませんか?
発酵食品は、乳酸菌や酵母などの微生物つまり腸内の善玉菌そのものを含むという理由があります。
イメージではなく、本当に身体に良いのです。
発酵食品といえば、チーズやキムチ、ぬか漬け、ビール、ワインなどがありますが、これらは脂質や塩分が多かったり、アルコールを含む場合もあるので、腸に良いからと食べ過ぎてしまわないよう注意が必要です。
大豆由来の発酵食品は日常的に食べることをおすすめします。
料理の味付けは基本的に醤油や味噌を使ったり、毎日納豆を食べるなど、今日明日からでも取り入れることができます。
更に、わかめ入りの味噌汁やめかぶ納豆など、食物繊維を多く含む食材と一緒に摂るとより効果的です。
腸活で身体の健康を!
日本には腸活向けの特定保健用食品や機能性表示食品もたくさん出回っていますが、これらはちょっと高価なうえ、糖質が高いものもあるため注意が必要です。
食物繊維や発酵食品を毎日の中で少しずつ取り入れ、それを継続していくことが腸だけでなく身体全体の健康に繋がっていくでしょう。
少しでも体の異変や違和感を感じたら、いつでも西梅田シティクリニックまでお越しください。