(c) Nishiumeda city clinic

健康コラム

Health column

Homeコラム健康コラム「適切な睡眠時間」、 とれていますか?

「適切な睡眠時間」、 とれていますか?

【大阪/梅田】大阪駅前の内科クリニック|西梅田シティクリニックがお届けする健康情報。
是非、みなさまの健康管理にお役立てください。

最近、「集中力が落ちている、日中の眠気に耐えきれない」と感じることはありませんか?

もしかしたらそれは睡眠不足が原因かもしれません。
適切な睡眠時間を確保し、健康的な生活を送りましょう。

もしかしたら睡眠不足かも?

「たくさん寝ているから睡眠不足ではない!」

このように思っている方もいるかもしれませんが、そんなことはありません。
朝型や夜型、ショートスリーパー、ロングスリーパーという言葉をよく聞くかと思いますが、これらは生まれつきの体質で決まっていて、自分で変えることはできないとされています。
このように、睡眠は体質や性、年齢など個人的な要因に影響されるため、「最適な睡眠時間」は人によって異なるのです。

日中に眠気を感じず、日常生活に支障が出ない状態で過ごすことができれば、「適切な睡眠時間」が取れていると言えるでしょう。

様々な「睡眠」についての調査結果から、睡眠時間が7時間前後の人が最も死亡率が低く長寿だとされています。
長ければ長いほど良いという訳ではないのです。

睡眠不足が続くと

睡眠不足の状態が続くと、記憶の整理ができず、物忘れが多くなったり思考力が低下したりと日常生活に支障をきたす可能性があります。
また、疲労が解消されないため、身体が常に疲れているような状態になり、免疫力も低下してしまいます。
他にも睡眠不足が与える影響には以下のようなものがあります。

  • 頭痛
    睡眠不足によって脳への酸素供給が減り、頭の筋肉の過剰な緊張や血管が収縮してしまうことで頭痛が起きます。
  • ストレスの増加
    睡眠時には情報の整理や統合が行われ、ストレスと発散させる効果もあります。
    しかし、睡眠不足によってこの効果が得られず、なかなかストレスが解消されずに蓄積し続けてしまいます。
    ストレスの増加は睡眠障害に繋がり、睡眠の質も下がるため悪循環に陥ります。
  • 集中力や判断力の低下
    慢性的な睡眠不足は精神機能の低下を引き起こします。
    また、脳の疲れが取れていないため集中力が続かず、判断力や注意力の低下にも影響を与えます。
  • 太りやすくなる
    睡眠不足の状態が続くと、食欲を抑える「レプチン」というホルモンの分泌が減少し、食欲を高める「グレリン」というホルモンの分泌が増えるとされています。
    睡眠不足が原因で食生活に影響が出ている可能性があります。

睡眠不足のサインと睡眠負債

以下に当てはまるようであれば睡眠不足の可能性があります。

  • なかなか眠りにつけない(30分~1時間)
  • 睡眠途中に何度も目が覚める
  • 睡眠時間の割に熟睡した感じがしない
  • 日中の眠気に耐えられない
  • 集中力が低下している
  • なかなか疲れが取れない

睡眠不足の状態が長く続き、日常生活や心身に支障をきたしている状態を「睡眠負債」と言います。
『適切な睡眠時間が8時間』の人が毎日5時間しか眠れていないとすると、1週間で21時間、1ヶ月で90時間の睡眠負債を抱えている、ということになります。

睡眠負債を多く抱えると、休日に多く寝てしまいがちですが、この「寝だめ」では睡眠負債を解消することはできません。
逆に、体内時計や生活リズムが乱れ、日中の眠気へと繋がってしまいます。
1日あたり1時間の睡眠負債を解消するためには、質の良い睡眠を4日間とる必要があると言われているほど、睡眠負債の解消はカンタンではないのです。

日本人は世界的に見ても睡眠時間が短く、睡眠負債を抱えやすいと言われています。
それは、1日あたりのタスクが多すぎて睡眠時間を犠牲にせざるを得ない環境にいるからです。
また、仕事のストレスや夜型の生活による睡眠不足も関係しているでしょう。

睡眠時間を確保することで

睡眠時間を確保することには多くのメリットがあります。
仕事だから睡眠時間が削られるのは仕方がないと思われがちですが、適切な睡眠時間を確保できないと日中の労働パフォーマンスにも影響を及ぼします。

睡眠には、疲労回復だけでなく、免疫力の向上、記憶の固定、感情の整理など様々な役割があります。
身体が休まる時間には脳が起きていて、記憶や感情の整理・定着が行われます。
これをレム睡眠と言います。
脳が休まる時間には身体が起きていて、寝返りを打つことで疲労回復を行います。
これをノンレム睡眠と言います。

睡眠時間が削れてしまうと、これらが行われる時間も削れてしまうため、体調を崩しやすくなってしまったり、日中の労働パフォーマンスの低下にも繋がってしまいます。
夜遅くまで仕事をするのではなく、キリの良いところで切り上げて睡眠時間を確保し、朝起きてから続きをするなどの工夫ができたら良いかもしれません。
もちろん寝すぎも良くないので、あくまで日中万全の状態で活動ができる睡眠時間を意識しましょう。

質の良い睡眠をとるために

睡眠時間を確保できても、質の悪い睡眠ではあまり意味がありません。
質の良い睡眠をとるために以下の点に気をつけましょう。

  • 部屋はできるだけ暗くし、照明は暖色にする
  • 寝返りを打てるサイズの寝具を使用する
  • 身体を冷やさない
  • 就寝前の過食や飲酒は控える
  • 就寝前にブルーライト(スマホ・PC)を浴びない
  • 夕方以降のカフェインは控える
  • 毎日同じくらいの時間に就寝・起床する

質の良い睡眠をとり、生活リズムを整え、心身共に健康的な毎日を送りましょう。

少しでも「体調悪いかも?」と思ったら医療機関の受診を。

◆総合内科:https://nishiumeda.city-clinic.jp/general/ 

◆アクセス:https://nishiumeda.city-clinic.jp/about/guidelines/