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食べ物で薬の作用や副作用を強めてしまうことってある!?

【大阪/梅田】大阪駅前の総合内科クリニック|西梅田シティクリニックがお届けする健康情報。
是非、みなさまの健康管理にお役立てください。

普段、病院や薬局で処方される薬や、市販薬を服用している方も多いと思います。
しかし、薬の効果や副作用は、食べ物や飲み物との組み合わせによって変化することがあります。

本記事では、薬と食べ物の相性について解説し、薬を安全に効果的に使用するためのポイントをお伝えします。

薬と食べ物の組み合わせのよくあるNG例とその理由

薬の効果が期待通りに得られない、または予期しない副作用が現れる場合、食べ物との組み合わせが原因のことがあります。

以下によくあるNG例を挙げてみます。

グレープフルーツ

グレープフルーツには、薬を分解する酵素を抑える成分が含まれています。

そのため、降圧剤や一部の高脂血症治療薬を服用している場合、血中濃度が過剰に上がり、副作用が強まる可能性があります。

特にカルシウム拮抗薬の一部では、血圧が急激に下がるリスクが報告されています。

         

乳製品

抗生物質の中には、カルシウムと結合して吸収が阻害されるものがあります。

例えば、テトラサイクリン系やキノロン系の抗生物質を服用している場合、牛乳やヨーグルトなどの乳製品を同時に摂取することは避けましょう。

これにより、薬の効果が大幅に低下する可能性があります。

ビタミンKを多く含む緑黄色野菜

血液をサラサラにする薬であるワルファリンを服用している方は、ビタミンKを多く含む食品(ほうれん草やブロッコリーなど)に注意が必要です。

これらの食品は血液凝固を促進し、薬の効果を弱める可能性があります。

そのため、摂取量を一定に保つことが推奨されます。

チョコレートやコーヒー

これらにはカフェインが含まれており、一部の薬と組み合わせることで、不眠や動悸といった副作用を引き起こすことがあります。

特にカフェイン代謝を抑える薬とは注意が必要で、動悸や不整脈のリスクが高まることもあります。

飲み物にも要注意!薬と相性の悪い飲み物リスト

薬の服用時に注意が必要なのは食べ物だけではありません。

飲み物との組み合わせも見逃せません。

アルコール

アルコールは、薬の効果を強めたり弱めたりすることがあります。

例えば、鎮静剤や抗うつ薬とアルコールを一緒に摂取すると、眠気やふらつきが増強され、危険な状態になることがあります。

また、肝臓での薬の代謝が阻害されるため、副作用が長引く可能性があります。

カフェインを含む飲料

カフェインを多く含むコーヒーやエナジードリンクは、一部の薬と相互作用を起こすことがあります。

たとえば、気管支拡張薬や鎮痛剤との組み合わせで、副作用が強まる場合があります。

特に、不眠や神経過敏が生じやすくなるため、注意が必要です。

牛乳やジュース

牛乳やカルシウムを含む飲み物は、前述のように一部の抗生物質の吸収を阻害することがあります。
また、ジュース(特にグレープフルーツジュース)は、薬の分解を遅らせて副作用を引き起こす可能性があります。

その他、酸性のジュース(オレンジジュースやトマトジュースなど)は、胃薬や一部の抗生物質の効果に影響を与えることがあります。

食事前後で薬の効果が変わる?処方された時間を守りましょう

薬を服用するタイミングも、効果に大きく影響します。
食事前、食事中、食事後に服用する薬は、それぞれ異なる理由があります。

食前の薬

胃腸の空腹状態で吸収されやすい薬は、食前に服用します。

例えば、胃酸を抑える薬や一部の糖尿病治療薬は、食前に飲むことで効果が高まります。

胃の中に食べ物があると、薬が吸収されにくくなるため、医師や薬剤師の指示を守ることが重要です。

食後の薬

胃への負担を減らすため、食後に服用する薬は多くあります。

痛み止めや抗生物質の一部は、食後に飲むことで胃を保護しながら効果を発揮します。

また、胃が弱い方には特に、食後服用が推奨される薬が多いです。

指定された時間を守ることの重要性

薬の効果を最大限に引き出すため、医師や薬剤師の指示通りの時間で服用することが重要です。

また、薬の作用時間を均等に保つため、服用間隔を守ることも忘れないでください。

特に、1日に複数回服用する薬は、時間を守ることで効果が安定します。

サプリメントもNG?薬とサプリの意外な相互作用

健康のためにサプリメントを摂取している方も多いですが、薬との相互作用に注意が必要です。

ビタミンやミネラル

高濃度のビタミンCや鉄分は、一部の薬の吸収を妨げたり、逆に効果を強めたりすることがあります。

例えば、鉄分サプリメントは、甲状腺ホルモン薬や一部の抗生物質の効果を低下させることがあります。

ハーブ系サプリメント

セントジョーンズワート(セイヨウオトギリソウ)は、抗うつ薬や抗不整脈薬の効果を減少させることが知られています。

また、エキナセアやジンセン(高麗人参)も、特定の薬と相互作用を引き起こす可能性があります。

これらのハーブは肝臓の酵素に影響を与え、薬の代謝を変化させるため、事前に確認が必要です。

魚油やオメガ3脂肪酸

心臓に良いとされる魚油サプリメントも、抗凝固薬と併用することで出血リスクが増加する可能性があります。

これらのサプリメントを摂取する際は、医師や薬剤師に相談しましょう。

お薬手帳を上手に活用しよう!

薬の安全な服用には、自身の服薬履歴を把握することが重要です。

そこで役立つのがお薬手帳です。

マイナ保険証を利用すると、過去1ヶ月~5年の間(※) に処方・調剤された分のお薬情報を、自身のマイナポータルや対応する電子版お薬手帳を通して確認することができます。

 ※電子処方箋対応の医療機関・薬局では即時~5年の間の情報を確認可能。 

なお、自身で購入されたOTC医薬品などはマイナポータルで確認できないため、お薬手帳での管理が有効です。

お薬手帳のメリット

薬の重複や相互作用を防ぐ

お薬手帳には、服用している薬やアレルギー歴、副作用の記録をまとめることができます。

これにより、複数の医療機関での薬の重複や相互作用を防ぐことができます

また、旅行や緊急時にも、迅速に薬の情報を伝えることが可能です。

医師や薬剤師との情報共有

お薬手帳を持参することで、医師や薬剤師に正確な情報を提供できます。

これにより、最適な薬の選択が可能になります。

特に、サプリメントや健康食品の摂取についても記載しておくことで、より的確なアドバイスが得られるでしょう。

まとめ

薬と食べ物、飲み物、サプリメントの相互作用について理解を深めることで、薬の効果を最大限に引き出し、不要な副作用を避けることができます。

また、服薬状況や体調をお薬手帳に記録する習慣をつけることで、今後医師との情報共有や、お薬の見直しもスムーズに進み、安心して薬を服用できます。

わからないことがあれば、医師や薬剤師に気軽に相談をしてみましょう。