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脳の老化を防ぐ食事と生活習慣|認知症予防に役立つ食べ方のコツ

加齢による体や脳の変化は避けられませんが、毎日の食事や生活習慣によって、老化のスピードを緩やかにすることはできます。とくに、脳はエネルギーを多く使う臓器であり、食べ方や選ぶ食品の影響を強く受けます。このコラムでは、脳の老化を防ぎ、認知症リスクを減らすために意識したい食習慣と、合わせて整えたい生活習慣について解説します。

食生活が脳の老化や病気のリスクになる理由

私たちの脳や血管は、毎日の食事内容に大きく左右されます。脂質糖質の多い食事、夜遅い時間の食事、朝食を抜くなどの不規則な食生活が続くと、血糖値や中性脂肪、コレステロールが上昇し、動脈硬化が進みやすくなります動脈硬化によって血管が硬くなると血流が悪くなり、脳に十分な酸素や栄養が届きにくくなります。その結果、脳血管性認知症アルツハイマー型認知症などのリスクが高まると考えられています。

また、偏った食事や極端なダイエットにより、必要な栄養素が不足すると、脳のエネルギー供給が不安定になり、集中力の低下物忘れ、気分の落ち込みなどを感じやすくなります。忙しいからといって菓子パンやおにぎりだけで簡単に済ませる、夜はお酒とつまみだけ、という状態が続くと、見た目にはそれなりに食べていても、脳に必要な栄養は不足していることがあります。こうした状態が長く続くことが、体全体の老化や脳の機能低下につながります。

脳の主要なエネルギー源「ブドウ糖」と老化の関係

脳は、主にブドウ糖(グルコースをエネルギー源として働いています。体重の約2%しかないにもかかわらず、全身のエネルギーの約2割を消費するほど、脳はエネルギーを必要とする臓器です。しかし、ブドウ糖を過剰に摂りすぎると、老化を早める一因になることがわかっています。
体内で余った糖は、たんぱく質や脂質と結びついて「糖化」という反応を起こし、AGEs(終末糖化産物)と呼ばれる物質をつくります。
AGEsは血管や神経細胞に蓄積して血管の弾力性を失わせたり、脳内でアミロイドβタンパクなどの有害物質を増やしたりするとされ、

▪️認知
▪️血管障害

のリスクを高める要因になります。こうした影響を防ぐためには、「糖を摂らない」のではなく、「血糖値を急激に上げない食べ方」を意識することが重要です。主食や甘いものを完全にゼロにする必要はなく、量や頻度、組み合わせ方を工夫することが現実的で続けやすい対策になります。

血糖値の急上昇が脳に与える悪影響

白米や食パン、うどん、砂糖を多く使ったお菓子や清涼飲料水など、精製された糖質中心の食事は、短時間で血糖値を大きく上昇させます。血糖値が急激に上がると、それを下げるためにインスリンが大量に分泌され、その後血糖値が急激に下がります。この大きな上下動によって、脳へのエネルギー供給が不安定になります。

▶︎眠気
▶︎だるさ
▶︎集中力の低下
▶︎イライラ

などが起こりやすくなります。

さらに、こうした食事パターンが長期間続くと、インスリンの効きが悪くなる「インスリン抵抗性」が進み、糖尿病や動脈硬化のリスクが高まります。結果として、脳梗塞脳出血などの脳血管障害につながる可能性もあり、脳の健康を守るためにも、血糖値の乱高下を避ける食事が大切です。甘いものを食べる場合は、食後のデザートとして少量にする、間食はナッツやヨーグルトなど血糖値が上がりにくい食品を選ぶ、といった工夫も有効です。

栄養不足が脳と心に与える影響

十分なカロリーを摂っているように見えても、ビタミンやミネラル、良質な脂肪、たんぱく質が不足している「かくれ栄養不足の状態は珍しくありません。とくに、

  • ビタミンB群は神経伝達物質の合成。
  • ビタミンDは認知機能の維持。

これらが不足すると、脳の働きが鈍くなり、物忘れが増えたり、気分が落ち込みやすくなったりします。
鉄分や亜鉛が不足すると、脳への酸素供給や神経伝達がうまくいかず、疲労感や集中力低下の原因になります。

また、青魚などに含まれるオメガ3脂肪酸(DHA・EPA)は、脳細胞の膜を構成する重要な成分で、情報伝達をスムーズにする働きがあります。バランスの良い食事でこれらの栄養素をしっかり補うことが、脳の老化を防ぐうえで欠かせません。サプリメントで補う方法もありますが、まずは食事からの摂取を基本とし、必要に応じて医師と相談しながら利用するのが安心です。

脳の老化を防ぐための食習慣のポイント


ここからは、日常生活で意識したい具体的な食べ方の工夫を紹介します。

1. 低GI食品を意識して選ぶ

血糖値の急上昇を防ぐためには、GI値(血糖値の上がりやすさを示す指標)の低い食品を選ぶことが重要です。

白米を玄米や雑穀米に替える、食パンよりも全粒粉パンを選ぶ、といった小さな工夫でも、血糖値の上昇は緩やかになります。また、食事の最初に野菜や海藻、きのこなど食物繊維の多い食品を食べると、糖の吸収がゆっくりになり、血糖値の急激な上昇を抑えることができます。丼ものや麺類だけで済ませず、サラダや汁物を一緒に取るようにすると、自然とバランスが整います。

2. 良質な脂肪を取り入れる

脂肪は悪者のように思われがちですが、脳の細胞膜の材料になる大切な栄養素です。とくに

  • サバ
  • イワシ
  • サンマ

などの青魚に多く含まれるオメガ3脂肪酸は、認知機能の維持や炎症の抑制に役立つとされています。
週に2〜3回を目安に青魚を取り入れるほか

  • えごま油
  • 亜麻仁油
  • ナッツ類

なども適量を取り入れるとよいでしょう。揚げ物やスナック菓子などに多いトランス脂肪酸や飽和脂肪酸の摂りすぎには注意し、調理法も「揚げる」より「焼く・蒸す・煮る」を基本にすると、自然と脂質の質が改善します。

3. たんぱく質を毎食しっかり摂る

たんぱく質は筋肉の材料になるだけでなく、神経伝達物質の原料にもなります。不足すると筋力低下だけでなく、思考力気力の低下にもつながります。肉や魚、卵、乳製品に加え、豆腐や納豆などの大豆製品も組み合わせて、毎食少しずつ摂ることを意識しましょう。

脂質が気になる場合は、赤身肉や鶏むね肉、白身魚など脂肪の少ない食材を選ぶのがおすすめです。朝食を抜きがちな方は、ゆで卵やヨーグルト、豆乳など、簡単に用意できるたんぱく源を常備しておくとよいでしょう。

4. ビタミン・ミネラル・抗酸化成分を意識する

ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンEなどのビタミン類や、鉄、亜鉛、マグネシウムなどのミネラルは、脳のエネルギー代謝や神経伝達、血流の維持に関わっています。
また、色の濃い野菜や果物に含まれるポリフェノールカロテノイドなどの抗酸化成分は、活性酸素から脳や血管を守る働きが期待できます。主食・主菜・副菜をそろえた食事を基本にし、サラダや温野菜、果物を毎日の食卓に取り入れましょう。外食が多い方は、定食スタイルを選ぶ、おかずに野菜料理を一品追加するなど、小さな工夫から始めてみてください。

5. アルコールや甘い飲み物を摂りすぎない

アルコールの飲み過ぎは脳細胞へのダメージや睡眠の質の低下につながり、長期的には認知機能の低下要因となります。また、清涼飲料水やエナジードリンク、甘いカフェドリンクなどは、想像以上に糖分を含んでおり、血糖値の乱高下や体重増加の原因になります。休肝日を設ける、甘い飲み物を「特別なときだけ」にするなど、意識して量を控えることが大切です。水やお茶をこまめに飲む習慣をつけることで、自然と砂糖入り飲料の量を減らしやすくなります。

6.「食べる順番」と「間食の選び方」

脳の老化予防は、特別な食材を毎日用意するよりも、いつもの食事の中で「血糖値を急に上げない工夫」を続ける方が現実的です。まず取り入れやすいのが、食べる順番です。

  1. 野菜・きのこ・海藻などの副菜や汁物を先に食べる
  2. 次にたんぱく質(肉・魚・卵・大豆製品)のものを食べる
  3. 最後に主食(ご飯やパン)

この順番を意識すれば、」糖の吸収がゆるやかになりやすいとされています。
外食でも、定食なら小鉢や味噌汁から始めるだけで実践できます。

また、間食は「甘いものをやめる」より「選び方を変える」ことがポイントです。空腹のまま菓子パンや甘い飲み物で済ませると血糖値が乱高下しやすく、眠気や集中力低下につながることがあります。
小腹が空いたときは

▶︎無糖ヨーグルト

▶︎素焼きナッツ

▶︎チーズ、ゆで卵

▶︎果物少量

などを選ぶと、血糖値が上がりにくく満足感も得やすくなります。どうしても甘いものが欲しい日は、食後に少量を楽しむ、飲み物は無糖にするなど、量とタイミングを調整しましょう。こうした小さな工夫の積み重ね」が、長い目で見た脳の健康に役立ちます。

一日の食事イメージ

具体的なイメージをつかみやすくするために、脳の老化予防を意識した一日の食事例を挙げます。

▶︎朝食

玄米や雑穀入りご飯に味噌汁、納豆、焼き魚、野菜のおひたしなどを組み合わせると、糖質・たんぱく質・脂質・ビタミンをバランスよく摂ることができます。時間がない場合でも、おにぎりに具だくさんの味噌汁、ゆで卵やヨーグルトをプラスするだけで、栄養バランスは大きく変わります。

▶︎昼食

野菜たっぷりの定食やサラダとスープを組み合わせたセットなどを選び、丼ものや麺類だけで済ませないようにします。夕食は、青魚や豆腐料理を中心に、揚げ物を控えめにして、野菜料理をもう一品追加するのがおすすめです。完璧を目指す必要はなく、「前より少し良い選択」を重ねることが、長い目で見ると大きな差につながります。

食事とあわせて見直したい生活習慣

脳の健康を守るには、食事だけでなく、生活全体を整えることも欠かせません。まず、質の良い睡眠をとることが重要です。
脳は睡眠中に情報の整理や記憶の定着、老廃物の排出を行うとされており、十分に眠れていない状態が続くと、注意力や判断力の低下につながります。理想的な睡眠時間には個人差がありますが、おおむね6〜8時間を目安に、自分にとって心地よい睡眠リズムを整えましょう。

  • 寝る前にスマートフォンやパソコンの画面を見る時間を減らす。
  • ぬるめのお風呂に入る。
  • ストレッチをする。

など、リラックスできる習慣を取り入れることも効果的です。

次に、ウォーキングや軽いジョギング、サイクリングなどの有酸素運動は、脳への血流を増やし、認知機能の維持に役立つとされています。激しい運動をする必要はなく、少し息が弾む程度の運動を週数回取り入れるだけでも効果が期待できます。エレベーターではなく階段を使う、一駅分歩くなど、日常生活の中で無理なく体を動かす工夫も有効です。

さらに、人との会話や趣味活動などの社会的なつながりも、脳に良い刺激になります。家族や友人との時間を大切にし、地域活動やサークルなどに参加することで、新しい情報や経験に触れる機会が増え、脳の活性化につながります。
一人の時間が長くなりがちな方は、オンライン講座や趣味のコミュニティなどを活用するのもよいでしょう。

まとめ|食事と生活習慣で脳を育てる

脳の老化を完全に止めることはできませんが、食事生活習慣を整えることで、その進行を緩やかにすることは十分に期待できます。血糖値の乱高下を避ける食べ方。

  • 良質な脂肪
  • たんぱく質
  • ビタミン・ミネラル

を意識した食事に加え、

▶︎睡眠
▶︎運動
▶︎人とのつながり

バランスよく整えることが、脳を若々しく保つ近道です。毎日の食卓と生活を少しずつ見直しながら、無理なく続けられる習慣づくりを心がけ、将来の自分のための「脳貯金」をしていきましょう。

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