便潜血(陽性)を見逃さないで!大腸がんの初期症状と大腸内視鏡検査

大腸がんは、男性にも女性にも身近ながんです。日本ではがんによる死亡数の順位でも上位にあり、女性では大腸がんが1位、男性でも2位と報告されています。一方で、早い段階では症状が出にくいことが多く「体調は悪くないから大丈夫」と思っているうちに進行してしまうことがあります。
しかし大腸がんは、早期(ステージI)で見つかった場合、5年生存率が93%と報告されており、早期発見・早期治療がその後の見通しを大きく左右します。だからこそ、症状がなくても健康診断や人間ドックの便潜血検査をきっかけに、必要な検査を受けることが大切です。
この記事では、怖がらせるためではなく「他人事にしない」ために、大腸がんの症状・原因・早期発見のポイントを整理し、大腸内視鏡検査(大腸カメラ)の流れや大腸ポリープの日帰り切除についてまで、わかりやすくご紹介します。
大腸がんの基礎知識|できる場所と40代から意識したいこと
大腸がんは、大腸(結腸・直腸)の内側の粘膜から発生するがんです。食生活の欧米化や高齢化などが背景にあり、日本では患者数が多い傾向があります。また大腸がんは、年齢とともに増えやすい一方で、40代からリスクが上がり始めることも知られています。「まだ若いから関係ない」と決めつけず、体のサインや検査のタイミングを意識することが大切です
▶︎他人事にしないためのチェック
- 40歳を過ぎて一度も大腸の検査をしたことがない
- 家族に大腸がん・または大腸ポリープの経験者がいる
- 便秘や下痢など、便通の乱れが続きやすい
- 赤身肉や加工肉が多く、野菜や食物繊維が少なめ
- 飲酒量が多い・喫煙している
- 運動不足・体重増加が気になる
当てはまるからといって必ず病気というわけではありません。ただ、早めに検査を検討するきっかけになります。
大腸がん初期は気づきにくいから“変化”を見逃さない
大腸がんは、早期では無症状のことも多いです。そのため重要なのは、強い痛みの有無ではなく「いつもと違う変化」に気づくことです。
▶︎気づきやすい症状
- 便に血が混じる(血便・便器が赤くなる・拭いた紙に血がつく など)
- 便が細くなった気がする
- 便秘と下痢を繰り返す
- 残便感(出し切れていない感じ)が続く
- お腹の張り・腹痛が増えた
▶︎見落としやすい症状
- 貧血(立ちくらみ・息切れ・疲れやすい)
- 食欲低下・体重減少
- なんとなく体がだるい状態が続く
血便は痔でも起こりますが「痔だと思うから放っておく」が一番危険です。自己判断せず、検査で確認するのが安心につながります。
原因とリスク|生活習慣だけではなく“体質”も関係する
大腸がんは、ひとつの原因で起こるというより、いくつかの要素が重なってリスクが上がります。
▶︎主なリスク要因
- 加齢
- 家族歴(近い血縁に大腸がんやポリープがある)
- 飲酒、喫煙
- 肥満、運動不足
- 食生活(赤身肉・加工肉が多い・食物繊維が少ない など)
- 大腸ポリープができやすい
ここで大切なのが大腸ポリープです。大腸がんの一部は、ポリープが時間をかけて大きくなり、がんへ変化するタイプがあります。つまり、ポリープの段階で見つけて切除できれば、将来の大腸がん予防につながる可能性があります。
早期発見の鍵|「症状が出たら」ではなく「症状が出る前に」
大腸がん対策でいちばん大切なのは、症状が出るのを待たないことです。実際、早期は症状がないことも多いため、健康診断や人間ドックなどの検査を“習慣”として利用するのが現実的です。
▶︎まずは健康診断の便潜血検査を活用
便潜血検査は、便に目に見えない血が混じっていないかを調べる検査で、負担が少なく受けやすいのが特徴です。
ただし、次の点は知っておきましょう。
- 陰性でも絶対に安心とは限らない(出血しない病変もあるため)
- 陽性が出たら、放置せず精密検査(大腸内視鏡検査)へ進むことが重要
便潜血が陽性でも、すぐにがんと決まるわけではありません。ポリープや炎症、痔などが原因のこともあります。大切なのは「原因を確認する」ことです。
大腸内視鏡検査(大腸カメラ)でわかること

大腸内視鏡検査は大腸の中をカメラで直接観察して、がんやポリープを見つける検査です。必要に応じて、組織の一部を採って詳しく調べたり(生検)、ポリープを切除したりできます。
▶︎大腸内視鏡検査のメリット
- 大腸の状態を直接確認できる
- 小さな病変でも見つけやすい
- ポリープが見つかった場合、その場で切除できることがある
「検査が怖い」「痛そう」というイメージがあるかもしれませんが、最近は不安や痛みに配慮した方法(鎮静を含む)を選べる場合もあります。検査へのハードルを下げるためにも、相談しながら進めることが大切です。
大腸内視鏡検査の流れ|当日までのイメージ
大腸カメラのつらさは、検査そのものより「腸をきれいにする準備(下剤)」が不安という方が多いです。流れを知るだけでも気持ちが楽になります。
1.事前の診察・説明
持病、内服薬(特に血液をサラサラにする薬など)の確認を行い、食事や下剤の手順を説明します。
2.前日の食事
消化のよい食事を意識します。
例:白ごはん、うどん、豆腐、卵、白身魚、スープ など
避けたいもの:きのこ、海藻、種のある果物、脂っこい食事 など
3.当日の下剤
下剤を飲んで、便が透明に近い状態になるまで腸を洗い流します。ここが検査の明確さを左右します。
4.検査
肛門からカメラを入れて観察します。必要に応じて組織検査やポリープ切除を行うことがあります。鎮静を使う場合は、検査後に少し休んでから帰宅します。
5.結果説明
その場で分かる所見と、組織検査の結果が後日になるものがあります。今後の方針(経過観察、治療、再検査の時期)を相談します。
大腸ポリープを放置しないメリット
大腸ポリープは珍しくなく、見つかっても必要以上に心配しすぎる必要はありません。ただし、種類や大きさによっては将来的にがんへ変化する可能性があるため、医師の判断に沿って対応することが大切です。
▶︎日帰り切除の注意点(一般的なイメージ)
- 切除後は出血リスクに配慮し、当日は安静にする
- 数日は激しい運動や飲酒を控える
- 食事内容を一時的に調整することがある
ポリープを切除したあとも、体質によって再発することがあります。そのため、医師から案内された間隔で再検査を受けることが、結果的に安心につながります。
健康診断・人間ドックで将来の“安心材料”を増やす
大腸がんは、症状がない時期に見つけるほど治療の選択肢が広がります。とはいえ、忙しいと「つい後回し」になりがちです。そこで役立つのが、健康診断や人間ドックです。
▶︎健康診断を受ける意味
- 毎年の便潜血検査で変化に気づきやすい
- 貧血など、別のサインから早めに精密検査につながることがある
- 症状がなくても、検査を受けるきっかけになる
▶︎人間ドックが向いている人
- 家族歴がある・過去にポリープを指摘された
- 便通の乱れが続くが、受診のタイミングを逃しがち
- 一度しっかり調べて、安心して生活したい
- 複数の検査をまとめて受けたい
「がんが心配だから」だけでなく「自分の体の状態を確認して安心するため」に受ける、という考え方でも十分です。
大腸がんは他人事ではない
大腸がんは、男性にも女性にも多く、決して特別な人だけの病気ではありません。怖がりすぎる必要はありませんが、他人事にしない姿勢が大切です。
- 血便・便が細い・便通の変化・貧血などは見逃さない
- 便潜血検査は受けやすい入り口。陽性なら精密検査へ
- 大腸内視鏡検査は直接確認でき、ポリープ切除につながることもある
- 健康診断や人間ドックは、症状がない時期の早期発見に役立つ
体調が良い今のうちに、安心材料をひとつ増やしておく。そんな気持ちで、健康診断や人間ドックを上手に活用してみてください。
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赤松 先生
「患者様ファースト」に徹底した医療マインドを持ち、内科診療にとどまらず健診センターや複数のクリニックを運営。 医療の敷居を下げ、忙しい方々にも医療アクセスを向上させることを使命とし、さまざまなプロジェクトに取り組む。


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