月経のつらさに悩む女性へ。「止める」という治療、知っていますか?
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月に一度の月経。
それは女性にとって自然な生理現象ですが、決して「当たり前に耐えるもの」ではありません。
強い腹痛や頭痛、日常生活に支障が出るほどの不調があるなら、それは医療の力で軽減・改善できる症状かもしれません。
実は、今「月経を止める」という治療法を選ぶ女性が増えています。
今回は、月経の不調がなぜ起こるのか、どんな治療法があるのか、そして「止める治療」とはどういうものなのかをわかりやすくご紹介します。
「毎月の月経がつらい」と感じている女性が増えている背景とは?
昔と比べて月経の回数が増えているって本当?
現代の女性は生涯で経験する月経の回数が大幅に増えています。
その背景には以下のような要因があります。
- ・初経年齢の早期化
- → 昔は10代後半だった初経が、現代では12〜13歳前後が一般的に。
- ・妊娠・出産の回数が減少
- → 出産を経験する女性の数が減り、月経が中断される機会が少なくなっている。
- ・授乳期間の短縮化
- → 昔は長期授乳による無月経期間があったが、現在は短くなる傾向に。
- ・妊娠・出産年齢の後ろ倒し
- → 社会進出やキャリア志向により、月経を経験する年数が長くなっている。
- ・生活習慣やストレスによるホルモンバランスの乱れ
- → 月経周期の乱れや不正出血が増え、「実質的な月経回数」が増加する場合も。
- ・月経に対する意識の変化
- → 不調を我慢せず、「つらさを感じている」と自覚・発信する女性が増えている。
その結果、どうなっているのか?
月経の回数が増えるということは、同時に排卵の回数も増えているということです。
排卵そのものや、その後に起こるホルモン変化は、生理痛や体の不調に大きく関わっています。
排卵時には卵巣の表面が破れて卵子が飛び出すため、軽い出血や炎症反応が起こることがあります。
これが下腹部の痛み(排卵痛)の原因です。
さらに、排卵後は黄体ホルモンの働きで子宮内膜が厚くなり、月経が始まるとプロスタグランジンという物質が分泌されます。
プロスタグランジンは子宮を収縮させて経血を排出しますが、分泌量が多いと強い腹痛や腰痛、頭痛などを引き起こします。
つまり、排卵と痛みは深く関係しており、排卵の回数が増えると痛みに悩む機会も増えるのです。
このため現代女性は、昔と比べて月経に伴う不調を感じやすい環境にあるといえます。
生理痛だけじゃない?月経が引き起こす体の不調
月経困難症・子宮内膜症とはどんな病気?
「生理痛は我慢するもの」と思い込んでいませんか?
しかし、日常生活に支障をきたすような痛みや不調がある場合、それは「月経困難症」や「子宮内膜症」といった疾患かもしれません。

月経困難症は、生理のたびに強い腹痛や腰痛、吐き気、頭痛などが起こる状態を指します。特に器質的な原因がある場合(子宮内膜症や子宮腺筋症など)は「器質性月経困難症」と呼ばれ、治療が必要になります。

子宮内膜症は、子宮の内側にあるはずの内膜組織が、卵巣や腹腔内など別の場所で増殖し、出血や炎症を起こす病気です。
月経のたびに強い痛みがあり、不妊の原因になることもあります。
痛みや不調を我慢している人が多い現状
調査によると、強い生理痛や不調があっても、受診や相談をしていない女性が多いことがわかっています。
「恥ずかしい」「どうせ治らない」といった思いから、我慢を重ねてしまう方が少なくないのです。
しかし、早期に医師に相談し、適切な治療を受けることで症状が大きく改善するケースもあります。「我慢しないこと」が、健康への第一歩です。
つらい月経にできること。ホルモン治療という選択肢
低用量ピルの効果と副作用
月経に伴う不調を改善するために、ホルモンバランスをコントロールする治療が行われます。その代表が「低用量ピル」です。
低用量ピルは、女性ホルモンを一定に保つことで排卵を抑え、月経痛や経血量の軽減、月経周期の安定などの効果があります。
ニキビ改善やPMS(生理前症候群)の緩和にも有効です。
一方で、副作用としては、吐き気・不正出血・頭痛などが出ることがあります。
また、血栓症のリスクがわずかに高まるとされているため、持病のある方や喫煙者は慎重な判断が必要です。
ピルで改善できることと難しいこと
ピルは、月経痛や不調の予防・緩和に有効な選択肢ですが、すべての人に適しているわけではありません。
すでに進行した子宮内膜症には効果が限定的であったり、長期服用に抵抗感を持つ方もいます。
そのような場合には、より専門的なホルモン療法の一つである「ジエノゲスト」の服用が選ばれることがあります。
ジエノゲストという治療薬 ―「月経を止める」ってどういうこと?

ジエノゲストの基本的な働きと効果
ジエノゲストは、女性ホルモンの一種である黄体ホルモンに似た働きをする薬です。
排卵を抑制し、子宮内膜を薄く保つことで、月経を止めたり、子宮内膜症の進行を抑えたりする効果があります。
この薬を服用することで、月経が止まり、痛みや出血による生活の支障が大幅に改善される方も多くいます。
特に、ピルでは改善が難しい強い月経困難症や子宮内膜症に対して効果が期待されます。
ピルとの違いと使い分けのポイント
ピルとジエノゲストはどちらもホルモン療法ですが、目的や作用の仕方に違いがあります。
症状の程度やライフスタイル、将来の妊娠希望などをふまえ、医師と相談しながら最適な薬を選ぶことが大切です。
「月経を止める」=怖いことではない。医療としての月経抑制という選択肢
月経を止めることは“治療”のひとつ
「月経を止める」というと、ネガティブな印象を持つ方もいます。
しかし、これは単に“月経が来ない”という状態を目指すのではなく、「不調の原因をコントロールする」ための治療です。
必要な期間だけホルモンで調整することで、つらい症状を抑え、生活の質(QOL)を改善することができます。
月経がない期間、体はどう変わる?
治療により月経が止まることで、毎月の痛みや不調から解放され、活動的に過ごせるようになったという声も多く聞かれます。
ただし、治療の経過中に不正出血が起こることもありますし、服用をやめれば再び月経は戻ってきます。
将来の妊娠への影響も基本的にはなく、安心して使える治療法です。
おわりに
「月経を止める治療」は、決して特別なことではなく、医療として確立された選択肢のひとつです。
月経のたびにつらい思いをしている方にこそ、知ってほしい知識と治療法。
ひとりで我慢せず、まずは専門の医師に相談してみてください。
あなたの毎日が、少しでも軽やかになるように――。
医療の力は、そのお手伝いができます。


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