胃腸炎
胃腸炎はこんな病気
胃腸炎は「おなかの風邪」と呼ばれる病気です。
感染すると、次の症状が出ます。
- 発熱
- 下痢
- 嘔吐
- 腹痛
- 吐き気
胃腸炎はウイルス性胃腸炎と細菌性胃腸炎の2種類にわかれます。
感染者の多くはウイルス性胃腸炎であることが多く、治療をしなくても治癒することがほとんどです。
一方で重篤な疾患を併発している場合は、細かい検査や治療が必要になります。
胃腸炎の要因としては、主にウイルスが胃腸に感染することで起こります。
汚染された水や食べ物を摂取したり、感染者の下痢や吐物から感染することもあるでしょう。
感染すると、ウイルスの作用で胃腸の機能が弱まり、消化吸収能力が低下します。
消化吸収能力が低下すると、嘔吐や下痢、腹痛などが起きるのです。
上記の症状は、2日〜3日で治まることもあれば、1週間程度まで長引くこともあるでしょう。
胃腸炎の症状を引き起こす主なウイルスは以下の通りになります。
- アデノウイルス
冬場から夏場にかけて多いウイルス。2歳未満の小児に対し、糞口感染する。
- アストロウイルス
冬場に多いウイルス。一般的に乳児と幼児に対し、糞口感染する。
- ロタウイルス
冬場に多いウイルス。主に幼児に対し、脱水を引き起こす下痢の症状が出ると知られている。
感染力が非常に強く、糞口感染する。
- コロナウイルス(新型コロナウイルスを除く)
冬場に多いウイルス。喉や鼻に関連する症状を起こす。
- ノロウイルス
冬場から春にかけて多いウイルス。
感染力が非常に強く、あらゆる年代に人に感染する可能性が高い。
汚染された水や食べ物を摂取することで感染する。
胃腸炎には、特別な治療法がありません。
胃腸炎になると下痢や嘔吐が繰り返され、体内から水分が少なくなる可能性があるため、脱水防止を目的として水分補給をこまめに行うことが重要になります。
水分をとる際、一度に多量の水を飲むと、嘔吐や下痢が進行する可能性があります。
嘔吐する場合、体内の水分に加えて胃液も一緒に失われ、脱水状態が進行してしまいます。
そのため、水分補給する際は、少量ずつこまめに行うといいでしょう。
どうしてもうまく水分補給できない場合は、吐き止めの薬を使ったり、点滴を行ってください。
また、経口補水液で水分補給するのもおすすめです。
経口補水液とは、塩分や水分を効率よく補給するための飲み物になります。
アクエリアスなど市販で販売されている物もあります。
点滴などより安全で安価に手に入るため、活用するといいでしょう。
早期発見のポイント
胃腸炎に感染すると、下痢や嘔吐がひどくなり、脱水状態になる可能性があります。
そのため、脱水状態になっていないかを見極める必要があるでしょう。
見極めるポイントは次の通りです。
- 水っぽい下痢が1日3回以上続く
- 目のくぼみが目立ち、口が乾燥している
- 手足が冷たくなっている
- 嘔吐が1日に複数回続く
上記の症状が起こる場合は、少量ずつの水をこまめに摂取してください。
それでも症状が悪化する場合は、すみやかに医療機関を受診してください。
予防の基礎知識
胃腸炎を予防するための基礎知識として次の対策を知っておくといいでしょう。
胃腸炎を予防したい人、回りに胃腸炎をうつしたくない人はぜひ実践してみてください。
身体を温める
特に冬場は気温が下がるため、身体が冷えてしまうことが多くなります。
身体が冷えると、酸素の働きが弱まり、血流が悪くなってしまいます。
血流が悪くなると、抵抗力が低下し、ウイルスに感染して胃腸炎にかかりやすくなるのです。
そのため、日常生活を送る上ではなるべく身体を温めるようにしましょう。
身体を温める際に有効な方法は次の通りです。
- 温かい食べ物を食べたり温かい飲み物を飲む
- 湯船につかる
- 湯たんぽを使う
- 使い捨てカイロを使う
- 厚着をして防寒対策をとる
手洗いやうがいを徹底する
胃腸炎が重症化し、二次感染が起きるのを防ぐためにも、日常生活を送る上で手洗いやうがいを徹底することが重要です。
手洗いをする場合は、殺菌効果のあるハンドソープを使用してください。
手洗い後は、共用のタオルではなく、ペーパータオルなどを使用するのが望ましいでしょう。
うがいをする場合は、うがい薬を使用するとより効果的です。
こまめに水分補給する
体内に水分が足りず、脱水状態になると免疫力低下が起き、ウイルスに感染しやすくなります。
特に夏場は汗をかきやすく、身体から水分が失われることが多いため、こまめに水分補給をする習慣を身につけておくといいでしょう。
万が一、胃腸炎にかかった場合は、悪化を防ぐために少量ずつの水をこまめに摂取してください。
一度に多量の水を飲むと、嘔吐や下痢が進行する可能性があるため注意が必要です。
食中毒を予防する
胃腸炎は、汚染された食べ物から感染する場合があります。
そのため、次のポイントに注意して感染対策してください。
- 調理前や食事前、トイレの後はしっかり手を洗う
- 果物や野菜を調理する前は、水でしっかり洗う
- 牡蠣などの貝類は十分に加熱する
- 調理で使用した包丁やまな板は熱湯消毒する