ピロリ菌が胃がんの原因に?検査・除菌・再発防止まで徹底解説
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定期検診で「ピロリ菌陽性」と診断され、不安を抱えていませんか。
ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)は胃がんの大きな原因のひとつとされ、世界保健機関(WHO)からも「発がん性因子」に分類されています。
しかし、除菌治療を受ければ胃がんリスクを減らすことができます。
本記事では、ピロリ菌の仕組み、検査方法、除菌治療の流れ、そして除菌後の定期フォローの重要性について医師の視点から詳しく解説します。
ピロリ菌とは?胃がんとの関係

ピロリ菌は胃の粘膜に感染する細菌で、多くは幼少期の生活環境や飲料水などを通じて感染すると考えられています。
感染してもすぐに自覚症状が出ることはほとんどありませんが、長期的に胃粘膜を刺激し続けることで慢性胃炎や胃潰瘍、十二指腸潰瘍を引き起こします。
さらに重要なのは、日本人の胃がんの約98%にピロリ菌感染が関与しているとされる点です。
本来、胃の中は強い胃酸により多くの細菌が生きられない環境です。
しかし、ピロリ菌は「ウレアーゼ」という酵素を産生し、胃酸を中和して自らの生存に適した環境をつくり出します。
これにより胃粘膜に長期間とどまり、炎症を慢性化させます。
慢性的な炎症は粘膜細胞のDNAに損傷を与え、異常が蓄積することで、やがて細胞ががん化するリスクを高めるのです。
日本は先進国の中でも胃がんの発症率が高く、その背景にはピロリ菌感染の広がりがあることが明らかになっています。
したがって、ピロリ菌感染の有無を早期に調べ、必要に応じて除菌治療を行うことが、胃がん予防の第一歩となります。
ピロリ菌を調べる検査方法
定期健診や人間ドックでは、以下のような方法でピロリ菌の有無を調べます。
- 尿素呼気試験:炭素同位体を含む薬剤を服用し、呼気中の炭酸ガスを測定して感染を判定。精度が高く、最も一般的。
- 血液検査:ピロリ菌に対する抗体の有無を調べる方法。ただし過去の感染も陽性になる可能性がある。
- 便中抗原検査:便に含まれるピロリ菌抗原を検出。除菌後の効果判定にも有効。
- 胃カメラによる組織検査:内視鏡で胃粘膜を観察し、組織を採取して培養や顕微鏡検査を行う。粘膜の状態を直接確認できる。
それぞれの検査には利点と制約があるため、年齢や症状、健診の目的に応じて医師が適切に選択します。
感染経路
一般的な感染経路としては、感染した人の唾液、排泄物、または胃の中に存在する菌が口から摂取されることが挙げられます。
また、胃酸の分泌が低下している人や不適切な食事習慣を持つ人は、感染リスクが高まる可能性があります。
また、ほかの感染経路として考えられるのは不衛生な飲み水や食べ物からの摂取です。
特に、幼児期に感染することが多いとされています。
そのため、衛生状態の改善や離乳食の与え方に注意することが重要です。
近年は、衛生状態の向上により、感染率が低下している傾向があります。
ピロリ菌の除菌治療

ピロリ菌が陽性と診断された場合、まずは除菌治療が勧められます。
2013年以降は保険適用が拡大され、慢性胃炎の段階から除菌治療を受けることが可能になりました。
除菌治療の内容
通常は、2種類の抗生物質と1種類の胃酸分泌抑制薬を1週間服用します。
これにより除菌率は約70〜90%とされています。
初回で失敗しても、薬剤を変更した「二次除菌」により多くの患者で成功します。
除菌のメリット
ただし、除菌に成功したからといって胃がんリスクがゼロになるわけではありません。
特に長期間感染していた人は、胃粘膜に萎縮や腸上皮化生といった不可逆的な変化が残っている場合があり、注意が必要です。
胃がん予防のためにできること
ピロリ菌の除菌は、胃がん予防の第一歩です。
しかしそれだけでは十分ではありません。
- バランスの良い食事:野菜や果物を意識して摂取し、塩分を控える
- 禁煙:喫煙は胃がんリスクをさらに高めます
- 定期健診の継続:血液検査や胃カメラで早期発見を目指す
こうした生活習慣の改善も合わせて行うことで、胃がん予防効果はより高まります。
胃がんは進行するまで自覚症状が乏しいため、症状が出てからでは治療が難しくなることもあります。
ピロリ菌検査は、自分の胃がんリスクを把握するための重要な第一歩です。
除菌や内視鏡検査は不安を和らげるだけでなく、将来の健康を守る積極的な手段といえます。
特に家族に胃がんの既往がある方や、長く胃の不調を感じている方は、早めに医師へ相談することをおすすめします。
ピロリ菌の有無を調べ、定期的な検査を継続することで、胃がん予防と安心した生活につながります。


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