会社の健康診断、受けなくてもいい？｜大阪梅田の内科・婦人科｜西梅田シティクリニック

会社の健康診断、受けなくてもいい？

2024.03.06

【大阪/梅田】大阪駅前の総合内科クリニック｜西梅田シティクリニックがお届けする健康情報。
是非、みなさまの健康管理にお役立てください。

日本のほとんどの会社で実施される健康診断。
「正直、受けたくない」と思っている人もいるかもしれません。
会社の健康診断は受けなくてもいいのでしょうか？

会社の健康診断は必ず受けなければならない

残念ながら、会社の健康診断は拒否することができません。

企業は、対象の従業員に対して健康診断を実施する義務があります。
これは、「事業者は労働者に対し、厚生労働省令の定めるところにより、医師による健康診断を行わなければならない」と労働安全衛生法に定められているためです。
これだけでなく、企業には従業員を安全に健康に働かせるための「安全配慮義務」など様々な責務があります。

これを無視して健康診断を実施しなかったり、受診機会を設けなかったりすると、違法行為とみなされ50万円以下の罰金等が科せらる場合もあるのです。

また、会社側だけでなく、従業員側にも健康診断を受ける義務があります。
労働安全衛生法には「労働者は事業者が行う健康診断を受けなければならない」とあり、法的に罰則が科せられることはありませんが、会社によっては就労規則に健康診断の受診を義務付ける旨を明記している場合もあります。

受けなくてもいい項目もある

会社が行う健康診断は、法で定められている項目のみ受診が義務付けられています。
つまり、法で定められている項目以外にも受診項目がある場合は、これらを拒否することが可能です。

たとえば、胃カメラや大腸カメラなどを検査項目に付け加える企業もありますが、これらは法定健診の必須項目ではないため、受診拒否することができます。
必須項目以外の項目を拒否する従業員がいた場合、企業はこれを認める必要があるのです。

また、妊娠中の方など、一部の検査が受けられないケースもあります。
主治医もしくは健康診断受診先の医療機関で検査を止められた場合にはその項目を受診しなくても良いとされ、医師に検査を止められた旨を会社に伝える必要があります。

法定健診の検査項目

定期健診	雇入れ時健診
①既往歴および業務歴の調査 ②自覚症状および他覚症状の有無の検査 ③身長・体重・腹囲・視力及び聴力の検査 ④胸部X線検査及び喀痰検査 ⑤血圧の測定 ⑥貧血検査 ⑦肝機能検査 ⑧血中脂質検査 ⑨血糖検査 ⑩尿検査 ⑪心電図検査	①既往歴および業務歴の調査 ②自覚症状および他覚症状の有無の検査 ③身長・体重・腹囲・視力及び聴力の検査 ④胸部X線検査 ⑤血圧の測定 ⑥貧血検査 ⑦肝機能検査 ⑧血中脂質検査 ⑨血糖検査 ⑩尿検査 ⑪心電図検査

従業員に健康診断を受けてもらうには

従業員の中には健康診断を受けたくないと思っている方が少なからずいると思います。
そんな人たちに健康診断を受けてもらうには、従業員が健康診断を受けやすくなる仕組みづくりや環境づくりを企業が行う必要があります。

健康診断を受けたくない理由を聞く
健康診断を受けたくないという人にも何らかの理由があるかと思います。
会社側で改善できることもあるかもしれません。
まずは従業員の声に耳を傾けてみましょう。
　
健康診断の必要性を伝える
健康診断は法律で定められた企業・従業員の義務であること、業務に関わる病気が発覚した場合には勤務の調整や仕事内容の変更をすることができること、企業として従業員の健康を守りたいこと。
こうした健康診断の必要性を伝え、従業員からの理解を得ましょう。
　
健康診断を受けやすい環境づくり
従業員の中には忙しくて健康診断を受ける時間がない、会社指定の病院に行くのが大変、という方もいるかもしれません。
そんな方のために、就業時間中に健康診断を受ける時間を確保する、任意の医療機関での受診を許可する、部署ごとに繫忙期と受診時期をずらすなど、従業員が健康診断を受けやすい環境づくりをすることが重要です。