今年のインフルエンザワクチンいつ打つ?効果的な接種時期と注意点
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毎年秋から冬にかけて流行するインフルエンザ。
咳や発熱だけでなく、体力を一気に奪う高熱や全身症状をともなうことが多く、乳幼児や高齢者にとっては重症化リスクが高い病気のひとつです。
特に近年では、新型コロナウイルスとの同時流行(ツインデミック)も懸念されており、インフルエンザワクチンの接種は社会的にも重要な予防策となっています。
令和7年度のインフルエンザワクチンは一部の構成が変更されており、接種方法や注意点の再確認も必要です。
本コラムでは、今年のワクチンの特徴から最適な接種時期、副反応の対処法、特定の人への注意点まで、幅広くわかりやすく解説します。
今年のインフルエンザワクチンとは?
3価に変更、より的確な予防を目指して
これまでのワクチンは「4価(よんか)」と呼ばれ、インフルエンザA型2種とB型2種(山形系統とビクトリア系統)をカバーしていました。
しかし、近年B型山形系統の流行は世界的にも見られなくなっており、令和7年度のワクチンは「3価」に変更されました。
▶︎今年のワクチン株
令和7年度のインフルエンザワクチンには、以下の株が含まれています。
- A型(H1N1)ビクトリア株
かつての新型インフルエンザ由来で、若年層にも流行しやすい特徴があります。
(正式表記:A/Victoria/4897/2022〔IVR-238〕) - A型(H3N2)パース株
いわゆる“香港型”に分類され、高齢者に重い症状を引き起こしやすい型です。
(正式表記:A/Perth/722/2024〔IVR-262〕) - B型(ビクトリア系統)オーストリア株
子どもに多く、発熱や腹痛などを起こすことがあります。
(正式表記:B/Austria/1359417/2021〔BVR-26〕)
このように、ワクチン株は毎年 WHO(世界保健機関)の推奨と国内外の流行予測 に基づき決定されます。
選定にあたっては、世界で分離された実際のウイルス株とワクチン候補株の反応性、ワクチン製造所における製造効率などを踏まえ、総合的な見地から評価・選定されます。
今年の3価ワクチンは「不要な成分を除き、必要な型に集中」した合理的な構成といえます。
また、日本で使用されるワクチンは 不活化ワクチン(ウイルスの働きを失わせたもの) であり、接種によって感染を引き起こすことはありません。
インフルエンザは“ただの風邪”ではない

見逃せない合併症と重症化リスク
インフルエンザは、風邪とは異なり突然発症し急激に悪化する感染症です。
38〜40℃の高熱や倦怠感、筋肉痛、頭痛、咳などの症状が短時間で現れ、全身に強い炎症を引き起こします。
さらに注意したいのが、重篤な合併症のリスクです。
代表的なものには以下があります。
- 急性肺炎:免疫低下により肺炎球菌などの細菌感染が重なりやすく、特に高齢者では死亡リスクが高まります。
- インフルエンザ脳症:主に小児に起こり、意識障害やけいれんなど深刻な神経症状が現れることがあります。
- 心筋炎・心不全:心臓に炎症が起こることで機能が低下し、高齢者や持病のある方に多く見られます。
重症化しやすい「ハイリスク層」とは
以下の方は感染すると重症化しやすく、特に注意が必要です。
- 65歳以上の高齢者
- 6か月未満の乳児(接種対象外)
- 基礎疾患のある方(糖尿病、心・呼吸器疾患など)
- 妊婦(特に中期〜後期)
- 免疫抑制剤を使用中の方、がん治療中の方
こうしたハイリスク層を守るには、周囲の人の予防接種が重要です。
保育園や介護施設など、集団生活の場では1人の感染が大きな広がりを生む可能性があるため、ワクチン接種は“自分のため”だけでなく“誰かを守る行動”でもあります。
接種のベストタイミングと方法
予防の基本は“タイミングと継続”
インフルエンザの流行は例年、12月中旬から始まり、1月〜2月にピークを迎えます。
そのため、接種のタイミングは「10月中旬から11月中旬」が最も効果的です。
子どもと大人で接種回数は異なります。
- 13歳未満のお子さん:基本的に2回接種(1回目から2〜4週間空けて2回目)
- 13歳以上の方:原則1回接種
※医療機関により接種対象年齢は異なります。ご確認を推奨いたします。
特に小児や基礎疾患のある方は、早めの接種が推奨されます。
ワクチンの数に限りがあることから、早めの予約・計画が重要です。
接種方法の選択肢
日本で最も一般的なのは、皮下に接種する不活化ワクチン(注射型)です。
このほか、鼻に噴霧して投与する「フルミスト(経鼻スプレー型)」、65歳以上の方には、高用量の注射型ワクチン「エフルエルダ」も選択肢となります。
いずれも厚生労働省の承認を受けており、それぞれ対象年齢や特徴が異なるため、接種を希望する場合は医療機関で確認することが大切です。
| 種類 | 注射型 (一般的な不活化ワクチン) | フルミスト (経鼻スプレー) | エフルエルダ (高齢者向け不活化ワクチン) |
| 対象 | 生後6ヵ月~全年齢(条件あり) | 2歳~49歳(健康な人のみ) | 65歳以上の高齢者 |
| 特徴 | 効果が安定しており、持続性も高い | 痛みがない、子どもが嫌がりにくい | 抗原量を増やすことで高齢者でも免疫応答を得やすい |
| 禁忌 | 特に喘息やアレルギー体質に注意 | 妊婦、基礎疾患のある人は使用不可 | 妊婦や重度の免疫不全の方は接種不可 |
| 補足 | 日本で最も一般的に使われる方法。 効果や安全性が確立しており、インフルエンザ予防の基本。 | 注射が苦手なお子さんや若年者向け。 一部医療機関で導入。 | 高用量抗原型ワクチン。 接種適応は必ず医師の判断が必要。 |
医療機関によって取り扱いが異なるため、希望する接種方法がある場合は事前に問い合わせをおすすめします。
当院では注射型、一般(自費3,000円):12歳以上64歳以下の方にご案内しております。
※12歳未満の方は当院では接種できません。
接種後の副反応と注意点
軽い副反応は“体の正常な反応”
ワクチン接種後は多くの場合、以下のような軽い副反応が見られます。
- 接種部位の腫れ・赤み・痛み
- 微熱、倦怠感、関節痛など
これらは数日以内に自然に回復することがほとんどで、免疫反応の一部です。
副反応が不安な方は、接種当日の体調を整え、できるだけ安静に過ごせる日を選ぶようにしましょう。
注意すべき重篤な副反応とは?
非常にまれですが、アナフィラキシー(急性の重いアレルギー反応)などが報告されています。
接種後30分ほどは院内で安静に過ごし、以下のような症状が出た場合はすぐに医療機関を受診してください。
- 呼吸困難、咳が止まらない
- 強いじんましんや顔の腫れ
- 嘔吐、意識がもうろうとする など
アレルギー体質の方や過去にワクチンで副反応を経験された方は、事前に医師に相談の上での接種が必要です。
妊婦・小児など特別な方への接種ガイド
妊娠中でもワクチン接種は安全
不活化ワクチンであれば、妊娠初期から接種可能です。
特に妊娠中期〜後期にインフルエンザにかかると重症化のリスクが高いため、厚生労働省も妊婦さんへの接種を推奨しています。
胎児への影響もなく、母親から胎児に移行した抗体により、生後数か月の赤ちゃんを守る効果も期待できます。
小児の接種は“2回”が基本
13歳未満のお子さんには、2回のワクチン接種が原則です。
1回目の接種から2〜4週間後に2回目を打つことで、免疫効果がしっかりと高まります。
インフルエンザは子ども同士の間で非常に感染力が強く、保育園・幼稚園・学校などで一気に広がることも多いため、早めの対策が欠かせません。
日常の予防対策もあわせてしっかりと
ワクチンはインフルエンザ予防の強力な手段ですが、それだけに頼らず日常の感染対策も重要です。
- 手洗い・うがいの徹底
- マスク着用(特に公共交通機関や人混みでは効果大)
- 部屋の加湿(湿度50〜60%)と換気
- 十分な睡眠と栄養バランスの取れた食事
これらの“基本”を習慣化することで、ウイルスに負けない体づくりができます。
ワクチン接種で「自分」と「周囲」を守ろう
インフルエンザは、かかる人が多いほど広がりやすく、重症化のリスクも高まります。
ワクチンは完全な防御手段ではありませんが、感染や重症化のリスクを大きく減らす「社会的な盾」として大きな意義があります。
当院では、10月初旬よりインフルエンザワクチンの接種を行っております。
小児、妊婦、高齢者、基礎疾患のある方など、個別の事情に応じたご相談も承っていますので、お気軽にご相談ください。
予防は“今”から。
正しい知識と行動で、この冬を健康に乗り切りましょう。
【インフルエンザワクチン接種開始のご案内】
10月初旬よりインフルエンザワクチン接種を開始致します。
13歳以上の方が対象で金額が3,000円(税込)になります。
※ワクチンの確保が必要となりますので、ワクチン接種をご希望の場合は事前にご連絡ください。
参考文献
- 2025~2026年シーズンインフルエンザHAワクチン製造株 | 東京都感染症情報センター
- 令和7年度インフルエンザHAワクチン製造株の決定について | 厚労省


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