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生理前のツラい症状、もしかしてPMSかも?

【大阪/梅田】大阪駅前の総合内科クリニック|西梅田シティクリニックがお届けする健康情報。
是非、みなさまの健康管理にお役立てください。

生理前になると気分が落ち込む、身体が重くてだるい。
その症状、もしかしたらPMSかもしれません。

PMSってなに?

PMSとは、月経前症候群(Premenstrual Syndrome)のことで、生理前に起こる心やカラダの不調のことです。
生理が起こる3~10日ほど前から症状が現れ、生理が始まると症状が弱まり、徐々に消えていきます。

症状は人によって異なり、原因は未だ明らかになっていません。
女性ホルモンである「エストロゲン」「プロゲステロン」の影響が大きいと考えられています。

女性ホルモンは脳の視床下部からの指令により、卵巣から分泌されます。
視床下部は女性ホルモンだけでなく、自律神経系や感情面にも関与しています。
生理が始まる1週間ほど前から女性ホルモンの分泌量が少なくなり、女性ホルモンの分泌量が変動することで「γ-アミノ酪酸(GABA)」や「セロトニン」といった、不安感を取り除いたり、気持ちを落ち着かせたりする作用のある神経伝達物質がうまく働かなくなってしまいます。
これによってPMSが起こるとされています。

PMSは、自覚症状がある女性が多いものの、名称やメカニズムの認知度は低いのです。

PMSの症状

PMSの症状は人によって異なり、その種類は200以上もあると言われています。
その中でも多く見られる症状を挙げると、以下のようなものがあります。

「心」の症状

  • イライラする
  • 落ち着かない
  • 急に泣きたくなる
  • 怒りっぽい
  • 集中できない
  • ぼーっとする

「からだ」の症状

  • 乳房のはり・痛みを感じる
  • 肌が荒れる・ニキビができやすい
  • 体重の増加
  • むくみ
  • 身体がだるい
  • 下腹部痛
  • 腰痛
  • 頭痛
  • 眠気・不眠

PMSで最も多い症状はイライラや憂鬱感など「心の不調」です。
心の不調が酷く、日常生活や対人関係にも支障をきたす程の症状が出ているものを「PMDD(月経前不快気分障害)」といい、これはPMSの重症型とされています。
主に<抑うつ気分/不安・緊張/情緒不安定/怒り・イライラ>の4つの症状が酷く現れます。
うつ病とよく似た症状で間違われやすいですが、PMDDは生理前に症状が現れ、生理が始まると治るのが特徴です。

PMSになりやすい人

PMSは、なりやすい人とそうでない人がいます。
本人の性格面や生活習慣など、下記に当てはまる人はPMSになりやすいと言われています。

〈性格面〉

  • 真面目・几帳面
  • 我慢しやすい
  • 完璧主義
  • 負けず嫌い
  • 頑張り屋さん

 

〈生活面〉

  • 不規則な生活をしている
  • 飲酒・喫煙習慣がある
  • 偏った食生活を送っている

 

20~30代の方や、生理痛が重い方はPMSになりやすいとされています。

PMSを悪化させる要因

 

  • ストレス
    プロゲステロンの分泌量が減り、セロトニンがうまく働かなくなることでストレスの影響を受けやすくなってしまいます。
    この状態でさらにストレスが加わると精神状態が不安定になり、PMSが悪化してしまいます。
     
  • タバコ
    喫煙は血流を悪くし、冷えやむくみが生じる原因となります。
    自律神経にも影響を及ぼし、PMSによる症状を助長してしまう可能性があります。
     
  • カフェイン
    カフェインには神経を刺激する作用があります。
    カフェインを多量に摂取してしまうと、抑うつ症状やイライラなど精神的な症状を悪化させる恐れがあります。
    コーヒーや紅茶、エナジードリンク、チョコレートには多くのカフェインが含まれるため、特に症状が出やすい時期はこれらを控えるようにしましょう。

症状を緩和させるためにできること

PMSは完全になくすことができません。
生理の度に起こる症状のため、うまく付き合っていく必要があります。
以下の点を意識するとPMSの症状を緩和させることが期待できます。

生理やPMSの周期を記録する

不調になりやすい時期がわかれば、それに備えることができます。
毎回の生理やPMSの周期を記録して事前に予測できるようにしておきましょう。

栄養をきちんと摂る

栄養不足や血糖値の急上昇はPMSの症状を引き起こす原因にもなります。
低GI値の食品や栄養バランスの摂れた食事を心掛けることが大切です。
PMSになりやすい人は、神経伝達物質の生成に必要なビタミンB6や精神安定作用のあるカルシウムが不足していることが多いとされているため、これらを意識して摂るようにしましょう。

甘いもの・アルコールを控える

高カロリーのお菓子は血糖値の急上昇を招き、気持ちが落ち込んだり、疲労感・イライラを感じてしまう原因となります。
アルコールの摂りすぎも症状を悪化させる要因となるため、できるだけ控えるようにしましょう。

適度な運動

軽めの有酸素運動は気分転換や症状を和らげる効果があり、定期的に運動をしている人はPMSによる症状が軽いことが分かっています。
ウォーキングや階段の利用など、日常生活に取り入れやすいことから少しずつ取り組み、運動習慣をつけるようにしましょう。

十分な休養

質の良い睡眠は気分転換や免疫力を維持する効果があります。
ストレス解消や脳をゆっくり休ませるためにも十分な休養をとるようにしましょう。


PMSは、卵巣や脳・ホルモンが正常に機能しているという証拠です。
自身に合った対処法を見つけ、うまく付き合っていく必要があります。

とはいえ、症状がツラいときには我慢せず、周りの人や薬に頼ることも大切です。
人によっては病気が潜んでいる恐れもあるため、症状が酷いようであれば1度医療機関へ受診することをおすすめします。