健康診断と人間ドックの違いは?会社で受ける健診の種類と検査内容を解説
【大阪/梅田】大阪駅前の内科クリニック|西梅田シティクリニックがお届けする健康情報。
是非、みなさまの健康管理にお役立てください。

「毎年なんとなく健康診断を受けているけれど、結局なにを調べているのかよく分からない」「健康診断と人間ドックは、どちらを受ければいいのだろう」と疑問をお持ちの方は少なくありません。せっかく時間をかけて受診するのであれば、目的や内容を知ったうえで、自分の健康管理に役立てたいものです。
健康診断と人間ドックの違いとは?
健康診断とは、生活習慣病をはじめとするさまざまな病気を、早期に見つけて治療につなげたり、病気の予防につなげたりすることを目的とした検査の総称です。自覚症状がほとんどない段階でも、血液検査や画像検査のわずかな変化から、体の不調のサインを見つけることができます。特に働き盛りの年代では、忙しさから受診を後回しにしがちですが、将来の健康を守るための「最低限の安全確認」と考えていただくとイメージしやすいでしょう。
一方、人間ドックは法律で義務づけられたものではなく、任意で受けるより詳しい検査のことを指します。一般的な健康診断よりも検査項目が多く、がんや動脈硬化、脳や心臓の病気など、より幅広い病気のリスクを詳しく調べたい方に向いています。会社の健診だけでは心配な方や、家族歴(身内に特定の病気を持つ方がいる場合)が気になる方が、追加で活用されることが多い検査です。
健康診断と人間ドックは、どちらか一方を選ぶものではなく、「会社で義務として受ける健康診断」プラス「必要に応じて任意で受ける人間ドック」というイメージです。まずは法律で定められた健康診断をしっかり受け、その結果や年齢、生活習慣、家族歴などを踏まえて、必要に応じて人間ドックを追加する、という使い分けがおすすめです。
ここでは、西梅田シティクリニックで実施している一般健康診断を中心に、健康診断の種類と検査内容について分かりやすくご紹介します。
健康診断にはどんな種類がある?
健康診断は、大きく「一般健康診断」と「特殊健康診断」に分けられます。
一般健康診断とは、事業者が労働者に対して行う、法律で義務づけられた健診のことです。正社員だけでなく、一定時間以上働くパート・アルバイトも対象となります。業種や職種にかかわらず、すべての事業者に実施が求められています。会社勤めの方が「毎年会社で受けている健康診断」は、この一般健康診断にあたります。
特殊健康診断は、特に有害な影響のある物質や環境のもとで働く方を対象とした健診です。
- 化学物質
- 粉じん
- 放射線
などの職業性の健康リスクをチェックする目的で行われ、一般健康診断とは検査の内容が異なります。勤務する職場によっては、一般健康診断に加え、特殊健康診断も定期的に受ける必要があります。
この記事では、このうち西梅田シティクリニックで実施している一般健康診断の種類と概要を解説します。
一般健康診断の主な種類
一般健康診断には、次のような種類があります。
1.定期健康診断
定期健康診断は、事業者が雇用した週30時間以上(おおむね正社員の所定労働時間の4分の3以上)働く労働者に対して、1年以内ごとに1回実施することが義務づけられている健診です。パートやアルバイトであっても、この条件を満たせば対象となります。
労働安全衛生法および労働安全衛生規則により、事業者は従業員を定期的に健診に送り出し、その結果に基づいて就業上の措置や保健指導を行う責任があります。
常時50人以上の労働者を使用する事業場では、「定期健康診断結果報告書」を所轄の労働基準監督署へ提出しなければなりません。会社側だけでなく、従業員にとっても、自身の体調の変化を毎年確認できる大切な機会です。
2.雇入れ時の健康診断
雇入れ時の健康診断は、新たに常時雇用する労働者を採用する際に行う健診です。
入社時点での健康状態を客観的に確認し、その後の健康管理や配置の参考にします。たとえば持病がある場合には、どのような業務内容や労働時間が望ましいかを検討する材料になります。
ただし、過去3か月以内に法律で定められた項目を含む健康診断を受け、その結果を証明する書面を提出できる場合には、雇入れ時健康診断を省略できる場合があります。すでに前職や学校などで受けた健診結果を提出するよう求められるケースもあります。
3.特定業務従事者の健康診断
特定業務従事者の健康診断は、労働衛生上、とくに体への負担や有害な影響が大きいとされる業務に従事する方を対象に行う健診です。
該当する業務に携わる労働者には、6か月以内ごとに1回の健診が義務づけられています。一般のデスクワークと比べて体にかかる負担が大きいため、よりこまめな健康チェックが必要になると考えてください。
特定業務には、たとえば次のようなものが含まれます。
- 多量の高温または低温物体を扱う業務、著しく暑い場所や寒い場所での業務
- ラジウム放射線やエックス線などの有害放射線にさらされる業務
- 塵(ちりや灰)や有害なガス、蒸気、粉末が多く発生する場所での業務
- 削岩機や鋲打機(びょううちき)など、強い振動をともなう機械を使用する業務 など
ご自身の業務が特定業務に該当するかどうかは、勤務先の総務・人事部門や産業医に確認するとよいでしょう。
4.海外派遣労働者の健康診断
海外派遣労働者の健康診断は、6か月以上海外に派遣される労働者に対して、派遣前と帰国後に行う健診です。
駐在・長期出張など、派遣の形態にかかわらず実施する必要があります。海外では、治療にかかる費用が高額になる国や、医療機関へのアクセスが限られる地域もあるため、派遣前に健康状態を確認しておくことが重要です。
すでに6か月以内に雇入れ時の健康診断または定期健康診断を受けている場合には、同じ検査項目の一部を省略できることもあります。なお、一時帰国のたびに健康診断を行う必要はありませんが、長期の派遣では帰国後にも健診を行い、海外勤務中の体調への影響を確認します。
健康診断ではなにを検査する?

ここからは、一般健康診断で行う主な検査項目と、そこから分かることを説明します。
定期健診、雇入れ時健診、特定業務従事者健診では、基本的に同じような内容の検査を行います。
健康診断の流れと種類
1.問診・診察
- 既往歴(これまでかかった病気)
- 服薬歴
- 業務内容
- 生活習慣
などを確認するとともに、自覚症状や医師が診察して気づく他覚症状の有無を確認します。気になる症状がある場合は、このタイミングで詳しく伝えておきましょう。普段なんとなく感じている体の不調も、健診の場であらためて相談することで、病気の早期発見につながることがあります。
2.身体計測・血圧・聴力視力
- 身長
- 体重
- 腹囲
- 血圧
- 視力
- 聴力
を測定します。肥満度や高血圧の有無を評価し、メタボリックシンドロームや動脈硬化のリスクをチェックすることができます。数値が基準範囲内でも、前年と比べて大きく変化している場合には要注意です。検査結果の推移を見ることで、生活習慣の見直しが必要かどうかを判断しやすくなります。
3.胸部X線検査
胸部レントゲン撮影により、心臓や肺の大きさ、形、影の有無などを確認します。
- 肺炎
- 肺結核
- 肺腫瘍
- 心拡大
などの病気の手がかりになります。喫煙歴がある方や、長引く咳が気になる方にとって、特に重要な検査です。
4.心電図検査
心臓の電気的な動きを波形として記録し、不整脈や虚血性心疾患(狭心症や心筋梗塞の兆候)がないかを調べます。自覚症状がなくても異常が見つかることがあり、突然の心臓発作を防ぐうえでも大切な検査です。
5.尿検査
尿中の糖やたんぱくの有無などを調べます。
- 糖尿病
- 腎臓病
- 膀胱や尿路の異常
6.血液検査
赤血球などの血球成分や、肝機能、脂質、血糖値などを調べます。主な項目は次の通りです。
■肝機能検査
・AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTPなど
■脂質検査
・中性脂肪(トリグリセライド)、HDLコレステロール、LDLコレステロールなど
■血糖検査
・空腹時血糖など
これらの結果から、脂質異常症、糖尿病、肝臓病などの有無やリスクを推測できます。特に、血糖値や脂質、肝機能の異常は、食事や飲酒、運動習慣と深く関係しています。数値が基準から外れた場合には、生活習慣の見直しや、必要に応じて追加検査・治療を検討します。
の早期発見に役立ちます。自覚症状が出にくい腎臓の異常を、比較的簡単な検査でチェックできる点が大きなメリットです。
7.海外派遣労働者の健康診断で追加される検査
海外派遣労働者の健康診断では、上記の基本項目に加え、派遣先の地域や業務内容に応じて、必要に応じた検査を行います。
必ず行う検査としては、
- 既往歴・業務歴の聴取
- 自覚症状と他覚症状の確認
- 身長・体重・腹囲・視力・聴力
- 胸部X線検査と喀痰検査、
- 血圧測定・貧血検査・肝機能検査・血中脂質検査・血糖検査
- 尿検査・心電図検査
などが定められています。
さらに医師が必要と判断した場合には、
- 腹部の画像検査(胃のバリウム検査や腹部超音波検査)
- 尿酸値・B型肝炎ウイルス抗体・血液型・糞便検査
などを追加することがあります。20歳以上の身長測定や、胸部X線で異常がない場合の喀痰(かくたん)検査など、一部の項目は医師の判断で省略できます。
健康診断を受ける前に知っておきたい準備と注意点
健康診断は、当日の準備で結果の正確さやスムーズさが変わります。
特に血液検査では、食事や飲酒の影響を受けやすい項目があるため、案内に「空腹で」とある場合は、指定時間からの絶食を守りましょう。
普段飲んでいる薬がある方は、自己判断で中止せず、服薬の有無や服用時間を受付時に伝えると安心です。尿検査は採尿が必要になるため、受診直前に慌てないよう余裕を持って来院するのがおすすめです。
胸部X線や心電図では、脱ぎ着しやすい服装だと検査がスムーズです。妊娠中または妊娠の可能性がある場合は、X線検査の可否が変わることがあるため、事前に必ず相談してください。
まとめ:健康診断を自分の健康管理に活かすために
- 健康診断は、事業者に課せられた義務であると同時に、働く人ご自身の健康状態を客観的に知る大切な機会です。労働者には「自己保健義務」があり、会社が実施する健康診断や健康管理の取り組みに協力することが求められています。
- 結果に異常がなかった場合でも、体重や血圧、血液検査の数値は毎年少しずつ変化していきます。前年との違いを意識して見直すことで、生活習慣の見直しや将来の病気予防に役立てることができます。
結果票は受け取りっぱなしにせず、ぜひご自身でも目を通して、気になることがあれば主治医や産業医に相談してください。
- 一方で、再検査や精密検査が必要と指示された場合には、そのままにせず、早めに医療機関を受診しましょう。
忙しさを理由に先延ばしにしているうちに病気が進行してしまうと、治療期間や費用の負担も大きくなります。
早期に治療を始めることで、重症化を防げる病気は少なくありません。 - 西梅田シティクリニックでは、各種一般健康診断を実施し、結果に応じた生活習慣改善のアドバイスや専門医療機関への紹介も行っています。ご自身や従業員の健康管理について気になることがあれば、まずはお気軽にご相談ください。定期的な健康診断を、将来のご自身への「健康貯金」として上手に活用していきましょう。


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