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妊婦が麻疹にかかったらどうなる?流産などの影響があるのか解説

2026.06.17

妊婦が麻疹に感染すると、流産・早産・重症化のリスクが高まるため注意が必要です。特に麻疹は空気感染するほど感染力が強く、妊娠中はワクチン接種ができないことから、事前の対策や早めの対応が重要になります。
「麻疹患者と接触したかもしれない」「妊娠中に高熱や発疹が出て不安」という方もいるのではないでしょうか。
この記事では、妊婦が麻疹にかかった場合の母体や赤ちゃんへの影響をはじめ、接触後に取るべき行動、受診時の注意点、妊娠前にできる予防策までわかりやすく解説します。

麻疹の一般的な症状

麻疹は感染力が非常に強いウイルス性の感染症で、適切な免疫がなければ感染するリスクが高い疾患です。症状は段階的に進行し、初期の風邪に似た症状から高熱・全身の発疹へと移行するのが特徴です。

以下では、各段階の症状を詳しく確認します。

初期症状は発熱・咳・鼻水・目の充血など

麻疹の初期症状は、発熱・咳・鼻水・目の充血といった風邪に似た症状です。
感染から約10〜12日の潜伏期間を経て発症しますが、この段階ではすでに他者への感染力があります。

また、口の中に「コプリック斑」と呼ばれる白い斑点が現れるのも麻疹に特徴的なサインです。風邪と区別がつきにくいため、麻疹の流行期に似た症状が出た場合は早めに医療機関へ相談しましょう。

39℃以上の高熱と全身の発疹

初期症状が続いた後、39℃以上の高熱と全身への発疹が現れます。発疹は耳の後ろや首から始まり、顔・体幹・手足へと広がるのが典型的な経過です。

高熱と発疹が重なるこの時期が最も症状の強い段階で、肺炎や脳炎などの合併症が起きる可能性もあります。妊婦の場合は特に重症化しやすいため、早期対応が重要です。

妊婦が麻疹にかかると流産や早産のリスクがある

妊婦が麻疹に感染すると、本人の重症化だけでなく、流産・早産・低出生体重児といった胎児への影響も報告されています。一般の成人と比べてリスクが高く、感染した際は速やかな医療機関への相談が必要です。

以下では、妊婦本人への影響と胎児・新生児への影響に分けて解説します。

麻疹は妊婦本人が重症化するおそれがある

妊娠中は免疫機能が低下するため、妊婦が麻疹に感染すると肺炎や脳炎などの合併症を引き起こす可能性が高くなります。

また、高熱が続くことも母体には大きな負担となるため、早産につながるリスクがあります。体調に異変を感じたら、自己判断せず早めに医療機関に相談しましょう。

胎児や新生児への影響

麻疹ウイルスは風疹とは異なり、胎児の先天性奇形を引き起こす可能性は低いです。ただし、ウイルスが胎盤を通じて直接胎児に感染するケースや、母体の高熱・体調不良などが胎盤機能の低下を招き、胎児に悪影響を与えることがあります。

また、出産直前に感染した場合は、新生児麻疹にかかる可能性があります。新生児麻疹は重症化しやすく、死亡例も報告されているため、出産時期と感染時期が重なる場合は特に注意が必要です。

妊婦が麻疹患者と接触した場合は?

麻疹患者との接触が疑われる場合は、自身の免疫の状況にかかわらず、まずは医療機関に相談しましょう。接触後に取れる対応には限界がありますが、対応が早ければ感染リスクや重症化を抑えられる可能性があります。

以下では、接触後に取るべき具体的な行動を解説します。

まずは医療機関に電話で相談する

麻疹患者と接触した場合は、医療機関に向かう前にまずは電話で状況を伝えることが大切です。周囲への二次感染を防ぐ意味でも、事前に連絡したうえで受診方法の指示を仰ぎましょう。

電話相談の際は、「妊婦であること」「麻疹患者と接触した可能性があること」を伝えてください。さらに、接触した日時・場所・相手の症状・自身の麻疹ワクチン接種歴などを整理しておきましょう。

「免疫グロブリン」の投与が有効なケースもある

免疫がない妊婦が麻疹患者に接触した場合、「免疫グロブリン」の投与が有効なケースがあります。免疫グロブリンとは、麻疹ウイルスに対する抗体を含む血液製剤で、接触後6日以内に投与すれば、発症を予防・軽症化できる可能性があります。

ただし、投与の適否は医師が判断するものであり、自己判断での対処はできません。
麻疹患者との接触に気づいたら、できるだけ早く医療機関に連絡し、指示に従って行動しましょう。

妊婦が麻疹に感染したらどうする?

麻疹への感染が疑われる場合は、自己判断での市販薬服用や様子見は避け、速やかに医療機関へ連絡することが重要です。妊婦は感染症科と産科の両方での対応が必要になるケースが多く、受診前の準備も欠かせません。

以下では、受診先の選び方と受診時の注意点を解説します。

感染症科・産科のある医療機関を受診する

妊婦は麻疹に感染すると重症化しやすく、流産早産のリスクも高まるため慎重な対応が必要です。発熱や発疹など麻疹を疑う症状が出た場合は、感染症の専門知識を持つ内科や、規模の大きい総合病院の感染症科・産科の受診が望ましいです。

現在の医学では、麻疹ウィルスを死滅させる特効薬はありません。万が一発症した場合は、2次感染を防ぐための抗菌薬投与や、子宮収縮を抑えて切迫流産を回避するなどの対症療法が主体となります。

重症化を防ぐため、医師の指示に従って適切な治療や管理を受けましょう。

受診する際の注意点

医療機関を受診する際、まずは電話で「現在の症状・麻疹患者との接触の有無・自身のワクチン接種歴」を伝えましょう。麻疹は非常に感染力が強いため、待合室などで他の患者へ感染を広げないよう、受診時間や経路の指示を受ける必要があります。

また、受診のために移動する際はマスクを着用し、電車やバス・タクシーなどの公共交通機関の利用は可能な限り避けるのが望ましいとされています。

引用元:麻疹の感染拡大防止に向けた国民の皆様へのメッセージ|厚生労働省

妊婦が麻疹にかかるのを予防するには?

妊娠中は麻疹ワクチンを接種できないため、妊娠前の対策と妊娠中の行動に気をつけることが予防の基本となります。自分自身の免疫状態を把握したうえで、取れる対策を講じることが大切です。

以下では、具体的な予防策を3つに分けて解説します。

妊娠前にワクチンを接種する

妊婦が麻疹を予防するうえで最も有効な手段は、妊娠前にMMRワクチン(麻疹・おたふく風邪・風疹の混合ワクチン)またはMRワクチン(麻疹・風疹の混合ワクチン)を接種することです。

麻疹ワクチンは生ワクチンであるため、妊娠中は接種できません。妊娠を希望している段階で抗体検査を受け、免疫がないと判明した場合は妊娠前にワクチン接種を済ませておくことが重要です。

抗体が低い妊婦は人混みを避ける

妊娠中に麻疹の抗体が低いと判明した場合は、感染リスクを下げるため人混みへの外出を極力控えましょう。麻疹は非常に感染力が強く「空気感染」もするため、手洗いやマスクの着用だけでは完全に感染を防ぐことができません。

麻疹が流行している時期には、不特定多数の人が集まるショッピングモールやイベント会場などへの外出を避けることが最大の自衛策です。自治体や厚生労働省のウェブサイトで流行情報をこまめに確認し、感染リスクの高い場所には近づかないよう徹底しましょう。

同居家族は麻疹ワクチンの接種歴を確認する

妊娠中の感染リスクを減らすためには、同居家族が麻疹ウイルスを持ち込まない対策も重要です。家族全員のワクチン接種歴や抗体の有無を確認し、免疫がない家族にはワクチンを接種してもらいましょう。

妊婦本人が接種できない分、周囲の家族が免疫を持つことで感染経路を遮断する「コクーン戦略」が有効です。かかりつけ医に相談しながら、家族全体で感染予防に取り組むとよいでしょう。

妊娠前に麻疹対策をしておくことが重要

妊娠中は使える予防手段が限られるため、妊娠前の段階で免疫状態を確認し、必要な対策を済ませておくことが最善の備えとなります。

以下では、妊娠を希望する方が妊娠前に取るべき重要ポイントについて解説します。

妊娠を希望する人は妊娠前に抗体検査を受ける

妊娠を希望する場合は、まず麻疹の抗体検査を受けて免疫状態を確認することが大切です。過去にワクチン接種をしていても、年月の経過とともに抗体価が低下しているケースがあります。

抗体検査は産婦人科やかかりつけ医で受けられるほか、自治体によっては助成制度を設けている場合もあるため、居住地の制度を事前に確認しておくとよいでしょう。

抗体がない場合は妊娠前にワクチン接種を検討する

抗体検査の結果、麻疹への免疫が不十分と判明した場合は、妊娠前にワクチン接種を検討しましょう。麻疹ワクチンは生ワクチンのため、妊娠中の接種はできません。妊娠前に接種を済ませることが、母体と胎児の両方を守る最も確実な方法です。

なお、ワクチン接種後は一定期間の避妊が必要となるため注意が必要です。接種のタイミングや回数については、かかりつけ医に相談の上で適切な時期を判断しましょう。

ワクチン接種後は一定期間の避妊が必要になる

麻疹ワクチン接種後は、生ワクチンに含まれる弱毒化されたウイルスが胎児に影響を与える可能性があるため、最低2か月間の避妊が必要です。

ワクチン接種のスケジュールは、妊娠を希望する時期から逆算して計画的に立てることが重要です。接種前に医師へ妊娠の希望を伝え、適切なタイミングで接種できるよう計画を立てましょう。

妊婦と麻疹に関するよくある質問

妊婦と麻疹に関して、特に気になりやすい疑問をまとめました。正確な情報を把握して不安を減らし、適切な行動につなげる参考にしてください。

妊婦が麻疹にかかると必ず流産しますか?

妊婦が麻疹に感染したからといって、必ず流産するわけではありません。ただし、流産・早産のリスクが一般妊婦と比べて高まることは事実です。

感染した時期や重症度、母体の健康状態によってリスクの程度は異なります。感染が疑われる場合は自己判断せず、速やかに医療機関へ相談することが大切です。

麻疹にかかった妊婦から胎児へ感染しますか?

麻疹ウイルスは、風疹のように胎児の先天性奇形を引き起こす可能性は低いとされています。一方で、ウイルスが胎盤を通じて胎児に感染することはあります。

特に、出産直前に母親が麻疹に感染した場合、新生児が生後すぐに麻疹を発症する「新生児麻疹」となる可能性が高いです。新生児麻疹は重症化しやすいため、出産時期に近い感染には特に注意が必要です。

妊娠中に麻疹の抗体検査は受けられますか?

妊娠中でも麻疹の抗体検査を受けることは可能です。ただし、検査の結果抗体が不十分であっても、妊娠中はワクチン接種ができないため、人混みを避けるなどの感染予防行動が中心となります。

抗体検査を希望する場合は、かかりつけの産科医に相談するとよいでしょう。

過去に麻疹にかかっていれば感染の心配はないですか?

過去に麻疹に自然感染したことがある場合、基本的には終生免疫が得られるとされています。ただし、記憶や記録が不確かな場合は、実際には別の疾患だった可能性も否定できません。

心配な場合は抗体検査で免疫状態を確認するのが確実な方法です。自己判断で「大丈夫」と決めつけず、妊娠前に一度検査を受けておくと安心できます。

妊婦が麻疹を疑ったら自己判断せず早めに相談しよう

本記事では、妊婦が麻疹にかかった場合の影響と対応策について解説しました。
以下に重要なポイントを整理します。

  • 妊婦が麻疹に感染すると、流産・早産・重症化のリスクがあり、一般成人よりも注意が必要です
  • 麻疹患者と接触した場合は、すぐに医療機関へ直接向かわず、まず電話で状況を伝えてから指示に従いましょう
  • 妊娠中はワクチン接種ができないため、抗体が低い妊婦は人混みを避けるなどの感染予防行動が中心となります
  • 妊娠を希望する場合は、妊娠前に抗体検査を受け、免疫がなければワクチン接種を済ませておくことが最善の備えです
  • ワクチン接種後は約2か月間の避妊が必要なため、妊娠希望時期から逆算して計画的に準備を進めましょう

妊娠中に麻疹の感染を疑う症状が出た場合や、感染者との接触があった場合は、自己判断せず早めに医療機関へ相談してください。妊娠前からできる備えを一つひとつ進めておくことが、母体と赤ちゃんを守ることにつながります。

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