梅雨から夏に多い細菌性食中毒とは?原因・症状・予防法を徹底解説
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梅雨から夏にかけては気温と湿度が高くなり、細菌が急速に繁殖しやすくなります。そのため、この季節は食中毒の発生件数が一年の中でも特に多くなります。生肉や生魚、卵、サラダなどを介して感染することが多く、正しい知識と衛生管理が欠かせません。
本記事では、代表的な細菌性食中毒の種類や症状、家庭でできる予防法、万が一発症した場合の対応まで詳しく解説します。
代表的な細菌と症状・予防法
食中毒は大きく「感染型」と「毒素型」に分けられます。感染型は細菌そのものが腸で増殖して症状を引き起こすもので、サルモネラ菌や大腸菌(O-157)が代表例です。
一方、毒素型は食品中で増えた細菌が作る毒素によって症状が出るもので、黄色ブドウ球菌やボツリヌス菌が代表的です。
サルモネラ菌
卵や鶏肉に多く、摂取後6〜72時間で腹痛・下痢・発熱を起こします。予防には十分な加熱(中心温度75℃以上で1分以上)が必要です。
腸管出血性大腸菌(O-157)
牛肉の不十分な加熱や生野菜、井戸水から感染しやすく、少量でも強い毒素で重症化します。血便や溶血性尿毒症症候群を起こすことがあるため注意が必要です。
カンピロバクター
鶏肉が主な原因で、潜伏期間は1〜7日。発熱や全身倦怠感の後、下痢や腹痛を伴います。調理器具の消毒と肉の中心部までの加熱が必須です。
このほか、腸炎ビブリオ(魚介類)、黄色ブドウ球菌(おにぎりなど)、ボツリヌス菌(真空パック食品や蜂蜜)なども夏に注意すべき細菌です。
食中毒かどうか見極めるポイント

主な症状は腹痛・下痢・嘔吐で、ときに発熱も伴います。風邪は通常、鼻や喉の炎症が主体で強い胃腸症状は少ないため、区別の目安になります。食後数時間〜数日で症状が出た場合や、同じものを食べた人が同じ症状を訴える場合は食中毒の可能性が高いでしょう。
発症した場合の対応
万が一、食中毒らしき症状が出てしまったら、まず落ち着いて適切な対処をしましょう。
安静と水分補給
嘔吐や下痢で水分と電解質が失われるため、経口補水液やスポーツドリンクを少量ずつ補給しましょう。
下痢止めの乱用は避ける
体が毒素を排出しようとする作用を妨げる可能性があるため、市販薬の使用は控えることが望まれます。
感染拡大を防ぐ処理
吐瀉物や下痢便は手袋・マスクを着用し、次亜塩素酸系の消毒液で処理することが大切です。
医療機関を受診すべきサイン
- 水分が全く摂れない
- 嘔吐や下痢が一日10回以上続く
- 強い腹痛が治まらない
- 39℃前後の高熱がある
これらは重症化の危険があるため、自己判断せず早めに受診してください。
細菌性食中毒は正しい知識と予防で大部分を防ぐことができます。
特に梅雨から夏にかけては、食品の取り扱いや保存に十分注意しましょう。症状が出た場合は無理をせず、必要に応じて医療機関を受診することが大切です。
参考文献
- 食中毒について 新百合ヶ丘総合病院
- 食中毒の種類と症状について 医療法人AGIH 秋本病院
- 下痢・食あたり(食中毒)の対策 くすりと健康の情報局
- 食あたり(食中毒)の対処法は?医療機関を受診する目安や注意点を解説 スギ薬局グループお客様サイト


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